コンフィグレーションガイド Vol.2


21.1.9 CFM使用時の注意事項

〈この項の構成〉

(1) CFMを動作させない装置について

CFMを適用する際,ドメイン内の全装置でCFMを動作させる必要はありませんが,CFMを動作させない装置ではCFM PDUを透過させる必要があります。

本装置を除き,CFMを動作させない装置は,次の表に示すフレームを透過するように設定してください。

表21‒13 透過させるフレーム

フレーム種別

宛先MACアドレス

マルチキャスト

0180.c200.0030〜0180.c200.003f

本装置は,CFMが動作していない場合はすべてのCFM PDUを透過します。

(2) 他機能との共存について

(a) レイヤ2認証との共存

5.2.1 レイヤ2認証と他機能との共存」を参照してください。

(3) CFM PDUのバースト受信について

CCで常時監視するリモートMEP数が96以上あると,リモートMEPからのCFM PDU送信タイミングが偶然一致した場合に,本装置でCFM PDUをバースト受信することがあります。その場合,本装置でCFM PDUを廃棄することがあり,障害を誤検出するおそれがあります。

本現象が頻発する場合は,各装置でのCFM PDUの送信タイミングが重ならないように調整してください。

(4) 同一ドメインで同一プライマリVLANを設定しているMAでのMEP設定について

同一ドメインで同一プライマリVLANを設定しているMA(同一MAも含む)で,同一ポートに対して2個以上のMEPを設定できません。設定した場合は,該当するMEPでCFMが正常に動作しません。

(5) Linktraceでのルート情報の収集について

Linktraceではリンクトレースメッセージの転送先ポートは,MIP CCMデータベースまたはMACアドレステーブルを参照して決定します。そのため,リンクアップ時(リンクダウン後の再アップ含む)やスパニングツリーなどによる経路変更後は,CCでCCMを送受信するまで転送先ポートが決定できないため,正しいルート情報の収集ができません。

(6) Up MEPおよびMIPでCFMが動作しないタイミング

次のイベント発生後に,一度もリンクアップしていないUp MEPおよびMIPのポートではCFMの各機能が動作しません。一度リンクアップさせることで動作します。

(7) ブロック状態のポートでMIPがLoopback,Linktraceに応答しない場合について

ブロック状態のポートにMIPを設定し,該当ポートで次に示す運用をした場合,MIPはLoopback,Linktraceに応答しないことがあります。

(8) 冗長構成でのCCの動作について

スパニングツリーなどの冗長構成を組んだネットワーク上でCCを運用している場合,通信経路の切り替えが発生したときに,まれに自装置のMEPが送信したCCMを受信してErrorCCMを検出することがあります。本障害は通信経路が安定すると回復します。