コンフィグレーションガイド Vol.2


8.5.2 RADIUSサーバの準備

Web認証のRADIUS認証方式を使用するに当たっては,事前にRADIUSサーバの設定が必要です。

また,本装置のWeb認証機能が使用するRADIUSの属性を示します。

〈この項の構成〉

(1) RADIUSサーバの設定

ユーザごとにユーザID,パスワード,VLAN IDなどのユーザ情報をRADIUSサーバに設定します。なお,RADIUSサーバの詳細な設定方法については,使用するRADIUSサーバの説明書を参照してください。

ダイナミックVLANモードで認証成功後に切り替える認証後VLANを次のように設定します。

  1. Tunnel-TypeにVirtual LANs(VLAN)を設定(値13)します。

  2. Tunnel-Medium-Type に6を設定します。

  3. Tunnel-Private-Group-IDにVLAN IDを次の形式で設定します。

    • 数字文字で設定

      例:VLAN IDが2048の場合,文字列で2048を設定

    • 文字列”VLAN”に続いてVLAN IDを数字文字で設定

      例:VLAN IDが2048の場合,VLAN2048を設定

    • コンフィグレーションコマンドnameで設定したVLAN名称を設定

なお,Tunnel-Type,Tunnel-Medium-Type,およびTunnel-Private-Group-IDの三つの属性がすべて設定されていない状態でダイナミックVLANモードで使用した場合,認証後VLANとしてネイティブVLANを適用します。

ユーザIDとパスワードには文字数1〜32文字で,次の文字が使用できます。

また,認証方式としてPAPを設定します。

(2) Web認証が使用するRADIUS属性

Web認証が使用するRADIUSの属性を次の表に示します。

表8‒3 認証で使用する属性名(その1 Access-Request)

属性名

Type値

説明

User-Name

1

ユーザ名を指定します。

User-Password

2

ユーザパスワードを指定します。

NAS-IP-Address

4

ループバックインタフェースのIPアドレス指定時はループバックインタフェースのIPアドレスを格納し,指定されていなければRADIUSサーバと通信するインタフェースのIPアドレスを格納します。

Service-Type

6

Framed(2)を設定します。

State

24

該当する認証に対して,直前にRADIUSサーバからAccess-Challengeで送られてきたState値を設定します。

なお,State値がない場合は設定しません。

Calling-Station-Id

31

認証端末のMACアドレス(小文字ASCII,“-”区切り)を指定します。

例:00-12-e2-12-34-56

NAS-Identifier

32

固定VLANモード時に認証端末を収容しているVLAN IDを数字文字列で指定します。

例:VLAN ID 100の場合 100

ダイナミックVLANモードおよびレガシーモードでは,コンフィグレーションコマンドhostnameで指定された装置名を指定します。

NAS-Port-Type

61

Virtual(5)を設定します。

NAS-IPv6-Address

95

ループバックインタフェースのIPv6アドレス指定時はループバックインタフェースのIPv6アドレスを格納し,指定されていなければRADIUSサーバと通信するインタフェースのIPv6アドレスを格納します。ただし,IPv6リンクローカルアドレスで通信する場合は,ループバックインタフェースのIPv6アドレス設定の有無にかかわらず,送信インタフェースのIPv6リンクローカルアドレスを格納します。

表8‒4 認証で使用する属性名(その2 Access-Accept)

属性名

Type値

説明

Service-Type

6

Framed(2)が返却される:Web認証ではチェックしません。

Reply-Message

18

(未使用)

Tunnel-Type

64

ダイナミックVLANモードおよびレガシーモード時に使用します。

VLANを示す13であるかをチェックします。

固定VLANモード時は使用しません。

Tunnel-Medium-Type

65

ダイナミックVLANモードおよびレガシーモード時に使用します。

IEEE802.1Xと同様の値6のTunnel-Medium-Typeであるかをチェックします。

固定VLANモード時は使用しません。

Tunnel-Private-Group-Id

81

ダイナミックVLANモードおよびレガシーモード時に使用します。

VLANを表す数字文字列または“VLANxx”

xxはVLAN IDを表します。

ただし,先頭の1オクテットの内容が0x00〜0x1fの場合は,Tagを表しているので,この場合は2オクテット目からの値がVLANを表します。先頭の1オクテットの内容が0x20以上の場合は,先頭からVLANを表します。

また,ダイナミックVLANモードでは,コンフィグレーションコマンドnameで設定されたVLAN名称が指定された場合,VLAN名称に対応するVLAN IDを使用します。

固定VLANモード時は使用しません。

表8‒5 ワンタイムパスワード認証で使用する属性名(その3 Access-Challenge)【OP-OTP】

属性名

Type値

説明

Reply-Message

18

テキスト文字列

ワンタイムパスワード認証で使用するメッセージをReply-Message表示画面に表示します。

State

24

ワンタイムパスワード認証で使用する次のAccess-RequestのState値として使用します。

表8‒6 RADIUS Accountingで使用する属性名

属性名

Type値

説明

User-Name

1

利用者のユーザ名称を格納します。

NAS-IP-Address

4

NASのIPアドレスを格納します。

ループバックインタフェースのIPアドレス設定時は,ループバックインタフェースのIPアドレスを格納します。なお,上記以外はサーバと通信するインタフェースのIPアドレスを格納します。

Service-Type

6

Framed(2)を設定します。

Calling-Station-Id

31

端末のMACアドレス(小文字ASCII,“-”区切り)を設定します。

例:00-12-e2-12-34-56

NAS-Identifier

32

固定VLANモード時に認証端末を収容しているVLAN IDを数字文字列で設定します。

例:VLAN ID 100の場合 100

ダイナミックVLANモードおよびレガシーモードでは,コンフィグレーションコマンドhostnameで指定された装置名を指定します。

Acct-Status-Type

40

ログイン時にStart(1),ログアウト時にStop(2)を格納します。

Acct-Delay-Time

41

イベント発生時から送信するまでに必要とした時間(秒)を格納します。

Acct-Session-Id

44

Accounting情報を識別するID(ログイン,ログアウトに関しては同じ値です)。

Acct-Authentic

45

ユーザがどのように認証されたかを示すRADIUS,Localのどちらかを格納します。

Acct-Session-Time

46

ログイン後ログアウトするまでの時間(秒)を格納します。

NAS-Port-Type

61

Virtual(5)を設定します。

NAS-IPv6-Address

95

NASのIPv6アドレスを格納します。

ループバックインタフェースのIPv6アドレス設定時は,ループバックインタフェースのIPv6アドレスを格納します。なお,上記以外はサーバと通信するインタフェースのIPv6アドレスを格納します。ただし,IPv6リンクローカルアドレスで通信する場合は,ループバックインタフェースのIPv6アドレス設定の有無にかかわらず,送信インタフェースのIPv6リンクローカルアドレスを格納します。