コンフィグレーションガイド Vol.2


1.2.5 IPヘッダ・TCP/UDPヘッダで中継・廃棄をする設定

〈この項の構成〉

(1) IPv4アドレスをフロー検出条件とする設定

IPv4アドレスをフロー検出条件とし,フレームを中継・廃棄指定する例を次に示します。

[設定のポイント]

フレーム受信時に送信元IPv4アドレスによってフロー検出を行い,フィルタエントリに一致したフレームを中継します。フィルタエントリに一致しないIPパケットはすべて廃棄します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ip access-list standard FLOOR_A_PERMIT

    ip access-list(FLOOR_A_PERMIT)を作成します。本リストを作成することによって,IPv4アドレスフィルタの動作モードに移行します。

  2. (config-std-nacl)# permit 192.168.0.0 0.0.0.255

    送信元IPアドレス192.168.0.0/24 ネットワークからのフレームを中継するIPv4アドレスフィルタを設定します。

  3. (config-ext-nacl)# exit

    IPv4アドレスフィルタの動作モードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。

  4. (config)# interface vlan 10

    VLAN10のインタフェースモードに移行します。

  5. (config-if)# ip access-group FLOOR_A_PERMIT in

    受信側にIPv4フィルタを有効にします。

(2) IPv4パケットをフロー検出条件とする設定

IPv4 telnetパケットをフロー検出条件とし,フレームを中継・廃棄指定する例を次に示します。

[設定のポイント]

フレーム受信時にIPヘッダ・TCP/UDPヘッダによってフロー検出を行い,フィルタエントリに一致したフレームを廃棄します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ip access-list extended TELNET_DENY

    ip access-list(TELNET_DENY)を作成します。本リストを作成することによって,IPv4パケットフィルタの動作モードに移行します。

  2. (config-ext-nacl)# deny tcp any any eq telnet

    telnetのパケットを廃棄するIPv4パケットフィルタを設定します。

  3. (config-ext-nacl)# permit ip any any

    すべてのフレームを中継するIPv4パケットフィルタを設定します。

  4. (config-ext-nacl)# exit

    IPv4アドレスフィルタの動作モードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。

  5. (config)# interface vlan 10

    VLAN10のインタフェースモードに移行します。

  6. (config-if)# ip access-group TELNET_DENY in

    受信側にIPv4フィルタを有効にします。

(3) TCP/UDPポート番号の範囲をフロー検出条件とする設定

UDPポート番号の範囲をフロー検出条件とし,フレームを中継・廃棄指定する例を次に示します。

[設定のポイント]

フレーム受信時にUDPヘッダの宛先ポート番号の範囲によってフロー検出を行い,フィルタエントリに一致したフレームを廃棄します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ip access-list extended PORT_RANGE_DENY

    ip access-list(PORT_RANGE_DENY)を作成します。本リストを作成することによって,IPv4パケットフィルタの動作モードに移行します。

  2. (config-ext-nacl)# deny udp any any range 10 20

    UDPヘッダの宛先ポート番号が10〜20のパケットを廃棄するIPv4パケットフィルタを設定します。

  3. (config-ext-nacl)# permit ip any any

    すべてのフレームを中継するIPv4パケットフィルタを設定します。

  4. (config-ext-nacl)# exit

    IPv4アドレスフィルタの動作モードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。

  5. (config)# interface vlan 10

    VLAN10のインタフェースモードに移行します。

  6. (config-if)# ip access-group PORT_RANGE_DENY in

    受信側にIPv4フィルタを有効にします。

(4) IPv6パケットをフロー検出条件とする設定

IPv6パケットをフロー検出条件として,フレームを中継・廃棄指定する例を次に示します。

[設定のポイント]

フレーム受信時にIPアドレスによってフロー検出を行い,フィルタエントリに一致したフレームを中継します。フィルタエントリに一致しないIPパケットはすべて廃棄します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ipv6 access-list FLOOR_B_PERMIT

    ipv6 access-list(FLOOR_B_PERMIT)を作成します。本リストを作成することによって,IPv6パケットフィルタの動作モードに移行します。

  2. (config-ipv6-acl)# permit ipv6 2001:100::1/64 any

    送信元IPアドレス2001:100::1/64からのフレームを中継するIPv6パケットフィルタを設定します。

  3. (config-ipv6-acl)# exit

    IPv6パケットフィルタの動作モードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。

  4. (config)# interface gigabitethernet 0/1

    ポート0/1のインタフェースモードに移行します。

  5. (config-if)# ipv6 traffic-filter FLOOR_B_PERMIT in

    受信側にIPv6フィルタを有効にします。