16.3.1 スタンバイリンク機能
- 〈この項の構成〉
(1) 解説
チャネルグループ内にあらかじめ待機用のポートを用意しておき,運用中のポートで障害が発生したときに待機用のポートに切り替えることによって,グループとして運用するポート数を維持する機能です。この機能を使用すると,障害時に帯域の減少を防ぐことができます。
この機能は,スタティックリンクアグリゲーションだけ使用できます。
(2) スタンバイリンクの選択方法
コンフィグレーションでチャネルグループとして運用する最大ポート数を設定します。グループに属するポート数が指定された最大ポート数を超えた分のポートが待機用ポートになります。
待機用ポートは,まずコンフィグレーションで設定するポート優先度,次にポート番号の順で,選択優先度の高い順に決定されます。つまり,ポート優先度が同じ場合は,ポート番号で判断します。待機用ポートの決定基準を,選択優先度の高い順に次に示します。
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ポート優先度
優先度の値の大きいポートから待機用ポートとして選択されます。
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ポート番号
ポート番号の大きい順に待機用ポートとして選択されます。
スタンバイリンク機能の例を次の図に示します。この例では,グループに属するポート数を4,運用する最大ポート数を3としています。
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(3) スタンバイリンクのモード
スタンバイリンク機能には,次に示す二つのモードがあります。
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リンクダウンモード
スタンバイリンクをリンクダウン状態にします。スタンバイリンク機能をサポートしていない対向装置も待機用ポートにすることができます。
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非リンクダウンモード
スタンバイリンクをリンクダウン状態にしないで,送信だけを停止します。リンクアップ状態のため,待機中のポートでも障害を監視できます。また,待機中のポートは送信だけを停止して,受信は行います。スタンバイリンク機能をサポートしていない対向装置は,リンクダウンが伝わらないためスタンバイリンク上で送信を継続しますが,そのような対向装置とも接続できます。
リンクダウンモードを使用している場合,運用中のポートが一つのとき,そのポートで障害が発生すると,待機用のポートに切り替わる際にチャネルグループがいったんダウンします。非リンクダウンモードの場合,ダウンせずに待機用ポートを使用します。
運用中のポートが一つの状態とは,次に示すどちらかの状態です。
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コンフィグレーションコマンドmax-active-portで1を設定している状態。
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異速度混在モードを未設定で,最高速のポートが一つだけ,そのほかのポートが一つ以上ある状態。