コンフィグレーションガイド Vol.1


3.2.4 レイヤ2スイッチ

〈この項の構成〉

(1) MACアドレステーブル

L2スイッチ機能では,接続されたホストのMACアドレスをダイナミックに学習してMACアドレステーブルへ登録します。また,スタティックにMACアドレステーブルへ登録することもできます。

MACアドレステーブルに登録できるMACアドレスのエントリの最大数を次の表に示します。

表3‒10 MACアドレステーブルに登録できるMACアドレスのエントリ数

モデル

装置当たり

最大エントリ数

スタティックエントリ数

全モデル共通

32768

2048

注※

ハードウェアの制限によって,収容条件の最大数まで登録できないことがあります。

MACアドレスが収容条件を超えた場合,学習済みエントリがエージングされるまで新たなMACアドレス学習は行われません。したがって,未学習のMACアドレス宛てのパケットは該当するVLANドメイン内でフラッディングされます。

また,本装置では,MACアドレステーブルのエントリの数をコンフィグレーションによって変更することはできません。

(2) VLAN

コンフィグレーションによって設定できるVLANの数を次の表に示します。

表3‒11 VLANのサポート数

モデル

ポート当たり

VLAN

装置当たり

VLAN

ポートごと

VLAN数の装置での合計

AX3640S-24T

4094

4094

24576

AX3640S-24TW

24576

AX3640S-24T2XW

26624

AX3640S-24SW

24576

AX3640S-24S2XW

26624

AX3640S-48TW

49152

AX3640S-48T2XW

51200

なお,推奨するVLAN数は1024以下です。

ポートごとVLAN数の装置での合計は,ポートに設定しているVLANの数を,装置の全ポートで合計した値です。例えば,24ポートの装置で,ポート1からポート10では設定しているVLAN数が2000,ポート11からポート24では設定しているVLAN数が1の場合,ポートごとVLAN数の装置での合計は20014となります。なお,チャネルグループに所属するポートでも,チャネルグループでまとめるのではなく,ポートに設定しているVLANの数で計算されます。ポートごとVLAN数の装置での合計が収容条件を超えた場合,CPUの利用率が高くなり,コンフィグレーションコマンドや運用コマンドのレスポンスが遅くなったり,実行できなくなったりすることがあります。

(a) プロトコルVLAN

プロトコルVLANでは,イーサネットフレーム内のEthernet-Type,LLC SAP,およびSNAP typeフィールドの値を基にプロトコルの識別を行います。コンフィグレーションによって設定できるプロトコルVLANの収容条件を次の表に示します。

表3‒12 プロトコルVLANのプロトコルの種類数

モデル

ポート当たり

装置当たり

全モデル共通

16

16

表3‒13 プロトコルVLAN数

モデル

ポート当たり

装置当たり

全モデル共通

48

48

注※ トランクポートに設定できるプロトコルVLAN数。プロトコルポートに設定できるプロトコルVLAN数は16です。

(b) MAC VLAN

MAC VLANの収容条件を次の表に示します。

表3‒14 MAC VLANの登録MACアドレス数

モデル

コンフィグレーションによる最大登録MACアドレス数

L2認証機能による最大登録MACアドレス数

同時登録最大MACアドレス数

全モデル共通

1024

1024

1024

なお,コンフィグレーションコマンドmac-based-vlan static-onlyが設定された場合は,次の表に示す収容条件となります。

表3‒15 mac-based-vlan static-only設定時の登録MACアドレス数

モデル

コンフィグレーションによる

最大登録MACアドレス数

L2認証機能による

最大登録MACアドレス数

全モデル共通

1024

0

(c) VLANトンネリング

コンフィグレーションによって設定できるVLANトンネリングの数を次の表に示します。

表3‒16 VLANトンネリングの数

モデル

装置当たり

全モデル共通

4094

(d) Tag変換

コンフィグレーションによって設定できるTag変換情報エントリ数を次の表に示します。Tag変換をチャネルグループに設定した場合は,チャネルグループに所属するポートごとにエントリを消費します。

表3‒17 Tag変換情報エントリ数

モデル

装置当たり

全モデル共通

768

(e) VLANごとのMACアドレス

コンフィグレーションによってVLANインタフェースに設定するMACアドレス(レイヤ3通信で使用するVLANごとのMACアドレス)の装置当たりの数を次の表に示します。

表3‒18 VLANインタフェースのMACアドレス数

モデル

装置当たり

全モデル共通

1024

(3) スパニングツリー

スパニングツリーの収容条件を種類ごとに次の表に示します。

なお,スパニングツリーのVLANポート数は,スパニングツリーが動作するVLANに所属するポート数の延べ数です。チャネルグループの場合,チャネルグループ当たりの物理ポート数を数えます。ただし,次のVLANやポートは,VLANポート数に含めません。

表3‒19 PVST+の収容条件

モデル

Ring Protocol共存有無

対象VLAN数

VLANポート数※1

全モデル共通

共存なし

250

256※2

共存あり

128

200※2

注※1

スパニングツリー対象となる各VLANに設定するポート数の合計(VLAN数とポート数の積)。

例えば,100個のVLANを設定し,それぞれのVLANに2回線が所属している場合,ポート数は100×2=200となります。

VLANトンネリングとの併用時,アクセスポートはポート数に含みません。

注※2

PortFast機能を設定したポート数は含めません。

表3‒20 シングルスパニングツリーの収容条件

モデル

Ring Protocol共存有無

対象VLAN数

VLANポート数※1

VLANポート数※1

(PVST+併用時※2

全モデル共通

共存なし

1024※3

5000

1000

共存あり

1024※3

4000

800

注※1

スパニングツリー対象となる各VLANに設定するポート数の合計(VLAN数とポート数の積)。

例えば,100個のVLANを設定し,それぞれのVLANに2回線が所属している場合,ポート数は100×2=200となります。

VLANトンネリングとの併用時,アクセスポートはポート数に含みません。

注※2

PVST+の対象ポート含み合計の最大値が1000となります。

注※3

PVST+同時動作時はPVST+対象VLAN数を引いた値となります。

表3‒21 マルチプルスパニングツリーの収容条件

モデル

Ring Protocol共存有無

対象VLAN数

VLANポート数※1

MSTインスタンス数

MSTインスタンスごとの対象VLAN数※2

全モデル共通

共存なし

1024

5000

16

50

共存あり

1024

4000

16

50

注※1

スパニングツリー対象となる各VLANに設定するポート数の合計(VLAN数とポート数の積)。

例えば,100個のVLANを設定し,それぞれのVLANに2回線が所属している場合,ポート数は100×2=200となります。

VLANトンネリングとの併用時,アクセスポートはポート数に含みません。

注※2

MSTインスタンス0は除きます。MSTインスタンス0の対象VLAN数は1024となります。なお,運用中は運用コマンドshow spanning-tree port-countで対象VLAN数とVLANポート数を確認できます。

(4) Ring Protocol

(a) Ring Protocol

Ring Protocolの収容条件を次の表に示します。

表3‒22 Ring Protocolの収容条件

項目

リング当たり

装置当たり

リング数

24※1

VLANマッピング数

128

VLANグループ数

2

48※2

VLANグループのVLAN数

1023※3※4

1023※3※4

リングポート数※5

2

48※2

(凡例)−:該当なし

注※1

Ring Protocolとスパニングツリーの併用,Ring ProtocolとGSRPの併用,または多重障害監視機能を使用する場合は,8となります。

注※2

Ring Protocolとスパニングツリーの併用,Ring ProtocolとGSRPの併用,または多重障害監視機能を使用する場合は,16となります。

注※3

装置として推奨するVLANの最大数です。

リング当たりに制御VLAN用としてVLANを一つ消費するため,VLANグループに使用できるVLANの最大数は1023となります。ただし,リング数が増加するに従い,VLANグループに使用できるVLANの最大数は減少します。

注※4

多重障害監視機能は,多重障害監視VLAN用としてリング当たりVLANを一つ消費するため,VLANグループに使用できるVLANの最大数は減少します。

注※5

チャネルグループの場合は,チャネルグループ単位で1ポートと数えます。

(b) 仮想リンク

仮想リンクの収容条件を次の表に示します。

表3‒23 仮想リンクの収容条件

項目

最大数

装置当たりの仮想リンクID数

1

仮想リンク当たりのVLAN数

1

拠点当たりのリングノード数

2

ネットワーク全体での仮想リンクの拠点数

250

(c) 多重障害監視機能

多重障害監視機能の収容条件を次の表に示します。

表3‒24 多重障害監視機能の収容条件

項目

最大数

装置当たりの多重障害監視可能リング数

4

リング当たりの多重障害監視VLAN数

1

装置当たりの多重障害監視VLAN数

4

(5) IGMP snooping/MLD snooping

IGMP snoopingの収容条件を次の表に示します。

表3‒25 IGMP snoopingの収容条件

項目

最大数

設定VLAN数

64

VLANポート数※1

512

登録エントリ数※2※3

500

注※1

IGMP snoopingが動作するポート数(IGMP snoopingを設定したVLANに収容されるポートの総和)です。例えば,各々10ポート収容している16個のVLANでIGMP snoopingを動作させる場合,IGMP snooping動作ポート数は160となります。

注※2

登録エントリ数の最大数には,ルーティングプロトコルなどで使用する制御パケットのマルチキャストアドレスも含みます。該当するエントリは,制御パケットに対するグループ参加要求を受信した場合に登録します。VLAN内で複数のルーティングプロトコルを同時に使用する場合,該当するプロトコルの制御パケットが使用するマルチキャストアドレス分だけエントリを使用します。

注※3

IPv4マルチキャストまたはIPv6マルチキャストと同時に使用しない場合は,各VLANで学習したマルチキャストMACアドレスの総和です。IPv4マルチキャストまたはIPv6マルチキャストと同時に使用する場合は,各VLANで学習したマルチキャストIPアドレスの総和です。

MLD snoopingの収容条件を次の表に示します。

表3‒26 MLD snoopingの収容条件

項目

最大数

設定VLAN数

32

VLANポート数※1

512

登録エントリ数※2※3

500

注※1

MLD snoopingが動作するポート数(MLD snoopingを設定したVLANに収容されるポートの総和)です。例えば,各々10ポート収容している16個のVLANでMLD snoopingを動作させる場合,MLD snooping動作ポート数は160となります。

注※2

登録エントリ数の最大数には,ルーティングプロトコルなどで使用する制御パケットのマルチキャストアドレスも含みます。該当するエントリは,制御パケットに対するグループ参加要求を受信した場合に登録します。VLAN内で複数のルーティングプロトコルを同時に使用する場合,該当するプロトコルの制御パケットが使用するマルチキャストアドレス分だけエントリを使用します。

注※3

IPv6マルチキャストと同時に使用しない場合は,各VLANで学習したマルチキャストMACアドレスの総和です。IPv6マルチキャストと同時に使用する場合は,各VLANで学習したマルチキャストIPアドレスの総和です。