コンフィグレーションガイド Vol.3

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22.4.2 ロードバランス仕様

本装置で実装するマルチパスの仕様を次の表に示します。

表22-5 IPv6マルチパス仕様

項目 仕様 備考
一つの宛先ネットワークに対するマルチパス数 2〜16
コンフィグレーションで指定可能な最大マルチパス数 1〜16(1を指定したときはマルチパスを生成しません) ルーティングプロトコル単位で指定します。
マルチパス経路の最大数 128,256,512,1024 装置で取り扱うマルチパスの最大数によって値が異なります。詳細は,「表22-6 マルチパス経路の最大数」を参照してください。
マルチパスを生成できるルーティングプロトコル
  • スタティック(IPv6)
  • OSPFv3
  • BGP4+
デフォルトのコンフィグレーションでのマルチパス数
  • スタティック(IPv6):6
  • OSPFv3:4
  • BGP4+:1(マルチパスを生成しません)
取り扱う経路のプレフィックス長 0〜64 経路のプレフィックス長が128の場合,パス(ネクストホップ情報)が複数あっても,フォワーディングテーブルにはシングルパスとして登録されます。このときに採用されるネクストホップアドレスは,運用コマンドshow ipv6 routeで表示される先頭のネクストホップアドレスです。
接続形態 回線種別およびインタフェース種別に関係なく使用できます。また,混在もできます。

(凡例) −:該当しない


表22-6 マルチパス経路の最大数

コンフィグレーションで設定されている最大マルチパス数※1 装置で取り扱う
マルチパスの最大数※2
収容できるマルチパス経路の最大数※2※3
1〜2 2 1024※4
3〜4 4 512
5〜8 8 256
9〜16,またはマルチパス未使用※5 16 128

注※1
スタティックルーティング(IPv4/IPv6),OSPF/OSPFv3,BGP4/BGP4+でそれぞれ設定している最大マルチパス数のうち,最も大きい値です。例えば,コンフィグレーションで設定されている最大マルチパス数がスタティックルーティングで6,OSPFv3で3の場合,最も大きい値は6となります。
各ルーティングプロトコルで生成される経路の最大マルチパス数は,それぞれで設定した最大マルチパス数までとなります。装置で取り扱うマルチパスの最大数が変わるような最大マルチパス数の変更がある場合,最大数を運用に反映させるためには装置の再起動が必要です。

注※2
装置起動時に最大数が決まります。装置起動後に各ユニキャストルーティングプロトコルの最大マルチパス数を変更しても,起動時に決定した最大数は変更されません。最大数を変更する場合は,コンフィグレーションで最大マルチパス数を変更したあとに,装置の再起動が必要です。

注※3
マルチパス経路の最大数はIPv4経路とIPv6経路を合計した数です。

注※4
シングルパスの場合,経路の最大数はテーブルエントリ数の収容条件に従いますが,マルチパスに関する最大数は表の値となります。

注※5
スタティックルーティング(IPv4/IPv6),OSPF/OSPFv3,およびBGP4/BGP4+を使用していない場合,マルチパス経路を扱いませんが,マルチパスに関する最大数は表の値となります。

スタティックルーティングの設定を例とした,コンフィグレーションの設定,変更および装置再起動によるマルチパスに関する最大数の変化を次の表に示します。

表22-7 マルチパスに関する最大数の変化(スタティックルーティングの場合)

順序 状態 スタティック経路のマルチパスの最大数 装置で取り扱うマルチパスの最大数 収容できるマルチパス経路の最大数
1 スタティックルーティングが未設定で装置を起動 16 128
2 スタティック経路を追加 6※1 16 128
3 装置を再起動 6 8 256
4 スタティックルーティングの最大マルチパス数を3に設定 3 8 256
5 装置を再起動 3 4 512
6 スタティックルーティングの最大マルチパス数を5に設定 4※2 4 512
7 装置を再起動 5※2 8 256

(凡例) −:該当しない

注※1
最大マルチパス数を指定しないでスタティック経路を設定した場合,スタティックのマルチパス数にはデフォルト値が適用されます。詳細は,「22.4.3 ロードバランス使用時の注意事項」を参照してください。

注※2
装置で取り扱うマルチパスの最大数を超えるようなスタティック経路のマルチパスは生成されません。ただし,装置を再起動することで,装置で取り扱うマルチパスの最大数が変更され,スタティックルーティングのマルチパスに設定した値も反映されます。

本装置で実装するロードバランスの仕様を次の表に示します。

表22-8 IPv6ロードバランス仕様

項目 仕様 備考
マルチパスの振り分け方法 パスに振り分けるための値(Hash値)を算出し,決定した出力パスに振り分けます。
Hash値は次の四つのフィールドから算出します。
  • 送信元IPv6アドレス
  • 宛先IPv6アドレス
  • 送信元TCP/UDPポート番号
  • 宛先TCP/UDPポート番号
Hash値が同一のパケットは,同一出力パスを選択します。これによって,送信の順序性を保証します。
ルーティングテーブル内のマルチパス情報 ルーティングテーブルに設定する各出力インタフェースのHash値の割り当て比率は,ほぼ均等になります。 22.4.3 ロードバランス使用時の注意事項」の1を参照
各パスの重み付け できません。
出力帯域を超えたパケットの処理 別のパスに振り分けません。継続して帯域を超えた場合は,装置内で保持しますが,保持しきれない場合パケットを廃棄します。

(凡例) −:該当しない


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