コンフィグレーションガイド Vol.1
- <この項の構成>
- (1) MACアドレスの学習
- (2) IPv6マルチキャストパケットのレイヤ2中継
MLD snoopingが設定されたVLANでMLDメッセージを受信することによってマルチキャストMACアドレスをダイナミックに学習します。学習したマルチキャストMACアドレスはMACアドレステーブルに登録します。
(a) エントリの登録
MLDv1 Reportメッセージおよび,MLDv2 Report(加入要求)メッセージを受信すると,メッセージに含まれるマルチキャストグループアドレスからマルチキャストMACアドレスを学習し,MLDv1/MLDv2 Reportメッセージを受信したポートにだけマルチキャストグループ宛てのトラフィックを転送するエントリを作成します。IPv6マルチキャストデータの宛先MACアドレスはIPアドレスの下位32ビットをMACアドレスにコピーして生成します。
IPv6マルチキャストアドレスはマルチキャストグループを識別するグループIDフィールドが112ビット長のフォーマットと32ビット長のフォーマットの2種類が規定されています。グループIDフィールドが112ビット長のアドレスフォーマットを使用する場合は,IPv4マルチキャストアドレスと同様にMACアドレスの重複が発生します。IPv6マルチキャストアドレスとMACアドレスの対応を次の図に示します。
図24-4 IPv6マルチキャストアドレスとMACアドレスの対応
(b) エントリの削除
学習したマルチキャストMACアドレスは次のどちらかの場合に,すべてのポートにグループメンバーが存在しなくなった時点で削除されます。
- MLDv1 Doneメッセージを受信した場合
MLDv1 Doneメッセージを受信したポートに対して,本装置からGroup-Specific Queryメッセージを1秒間隔で2回送信します(Group-Specific Queryメッセージの送信は,クエリア設定時だけです。未設定時は代表クエリアから送信されます)。応答がない場合にエントリからこのポートだけを削除します(このポートへのマルチキャストトラフィックの中継を抑止します)。VLAN内のすべてのポートにグループメンバーが存在しなくなった場合にエントリ自体を削除します。
- MLDv2 Report(離脱要求)メッセージを受信した場合
MLDv2 Report(離脱要求)メッセージを受信したポートに対して,本装置からGroup-Specific Queryメッセージを1秒間隔で2回送信します(Group-Specific Queryメッセージの送信は,クエリア設定時だけです。未設定時は代表クエリアから送信されます)。応答がない場合にエントリからこのポートだけを削除します(このポートへのマルチキャストトラフィックの中継を抑止します)。VLAN内のすべてのポートにグループメンバーが存在しなくなった場合にエントリ自体を削除します。ただし,マルチキャストアドレスレコードタイプがBLOCK_OLD_SOURCESのMLDv2 Reportメッセージを受信した場合は,自装置へのクエリア設定を行っている場合だけGroup-Specific Queryメッセージの送信および,エントリ削除処理を実行します。
- MLDv1/MLDv2 Report(加入要求)メッセージを受信してから一定時間経過した場合
マルチキャストルータは直接接続するインタフェース上にグループメンバーが存在するかを確認するために,定期的に MLD Queryメッセージを送信します。本装置はルータからのMLD Queryメッセージを受信した場合,VLAN内の全ポートに中継します。MLD Queryメッセージに対する応答がない場合,エントリからこのポートだけを削除します。すべてのポートから応答がない場合は,エントリ自体を削除します。
本装置では260秒間MLDv1/MLDv2 Report(加入要求)メッセージを受信しない場合に対応するエントリを削除します。
本装置ではエントリを削除するタイムアウト時間を260秒(デフォルト値)としています。260秒間MLDv1/MLDv2 Report(加入要求)メッセージを受信しない場合に対応するエントリを削除します。
MLDv2で運用しているVLANで他装置が代表クエリアの場合,タイムアウト時間は代表クエリアからのMLDv2 Queryメッセージ(QQICフィールド)から算出します。自装置が代表クエリアの場合またはMLDv1で運用している場合は,デフォルト値となります。この場合,該当するVLANではQuery Intervalを125秒で運用してください。
- 注
- タイムアウト時間は,Query Interval(QQICフィールドの値)×2+Query Response Intervalで算出します。
IPv6マルチキャストパケットの受信VLAN内のレイヤ2中継はIPv4マルチキャストパケット同様にMACアドレスベースで処理します。MLD snoopingの結果によるレイヤ2中継は,同一MACアドレスにマッピングされるIPv6マルチキャストアドレスのMLD Report(加入要求)メッセージを受信したポートすべてに中継します。
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