解説書 Vol.1
ほかのルーティングプロトコル(スタティック,OSPFなど)の経路情報をRIPで広告する設定をしている場合の注意事項を示します。
本装置は,RIP以外のルーティングプロトコルの経路情報をプリファレンスによって選択し,その経路情報をRIPで広告し始めると,RIPによって優先度の高い同一の経路情報を学習しても,プリファレンス値だけでは経路情報を再選択しません。メトリック値が等しいか,より小さい経路情報を学習したときは経路情報を再選択します。
- 注意する必要がある構成
- スタティック,OSPFなどのほかのルーティングプロトコルの経路情報をRIPで広告するエキスポート設定を行う場合。
- プリファレンス値はRIPで学習した経路の値が小さいが(優先度が高い),メトリック値はRIPで学習した経路の値が大きく(優先度が低い)なる場合。
- 問題になる事例
- 経路情報を再選択しません。つまり,プリファレンス値で優先度の高い経路に切り替わらなくなります。
- エキスポート機能使用時のRIP経路の再選択を次の図に示します。
- この図の場合,RIPによるネットワークAへの経路情報の方がプリファレンス値が小さいので優先度は高いですが,スタティック経路よりもメトリック値が大きいため経路情報は再選択しません。したがって,本装置Cのルーティングテーブル上のネットワークAへの経路情報はスタティック経路情報になります。
- 対策
- 問題となる事例を回避するには次の二つの方法があります。
- エキスポート指定をしない。
- メトリック値を調整する。
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