解説書 Vol.1
ATMまたはフレームリレーを使用したネットワークでは,ある網に接続されたルータ間の論理コネクションの確立方法として次に示す2種類のトポロジがあります。
- フルメッシュ構成
すべてのルータ間で論理コネクション(PVC)がある場合
- パーシャルメッシュ構成
一部のルータ間で論理コネクション(PVC)がある場合
パーシャルメッシュ構成を次の図に示します。
図10-10 パーシャルメッシュ構成
パーシャルメッシュのIPネットワークでは次に示す制約事項があります。使用するルーティングプロトコル別に注意事項を示します。
- ルーティングプロトコルでRIPを使用する場合
パーシャルメッシュでブロードキャスト型を使用した場合,RIPはスプリットホライズン動作のため,本装置Aは本装置Bから学習したネットワークBの経路情報を学習したポートに接続される本装置Cへは広告しません。
パーシャルメッシュ構成で本装置Bと本装置C間の通信を行う場合は,次の2通りの方法があります。
- 各PVCの接続をポイント−ポイント型にする
- 本装置Aと本装置B間のPVCと本装置Aと本装置C間のPVCを別のIPサブネットに収容する
この場合,接続形態はブロードキャスト型でもポイント−ポイント型のどちらでもかまいません。
- ルーティングプロトコルでOSPFを使用する場合
OSPFはネットワークトポロジがフルメッシュであることを前提として考えられたプロトコルであり,その経路計算アルゴリズムは一つのサブネット上のルータ間はすべて直接にパケットのやり取りができるものとみなして実行します。したがって,原則的にフルメッシュでない場合ではルーティングテーブルは正しく生成されません。例えば,パーシャルメッシュのネットワークで本装置Bのルーティングテーブル上に生成されるネットワークC宛ての経路は本装置Cがネクストホップとなります。
パーシャルメッシュ構成で本装置Bと本装置C間の通信を行う場合の方法はRIPと同じです。
- ルーティングプロトコルでBGP4を使用する場合
「11.3.2 経路選択アルゴリズム (5) NextHop属性 (c) パーシャルメッシュ構成のネットワークでの注意事項」を参照してください。
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