解説書 Vol.1

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9.9.3 サポートDHCPオプション

本装置でサポートするDHCPオプションを次の表に示します。

表9-19 本装置で対応するDHCPオプション

Option
No.
オプション
名称
概要および本装置の構成定義情報の設定値範囲 値の設定側
クライ
アント
本装置
(サーバ)
0 パディング DHCP/BOOTPパケットのオプションフィールドで,オプション終端コード(オプション"255")からオプションフィールド終端までを"0"でパディングするときに使用します。
設定はクライアント/サーバそれぞれで行われます。
引数は持ちません。
1 サブネットマスク サブネットマスクオプションはRFC950[5]で定義され,クライアントのサブネットマスクを指定するときに使用されます。
設定はクライアント/サーバそれぞれで行われ,その用途は次に限定されます。
  • クライアント
    IPアドレスを保持,または再利用するときのコンフィグレーション情報要求時に設定します。
  • サーバ
    クライアントにコンフィグレーション情報を応答する際に設定します。
    引数にサブネットマスク指定を持ちます。長さは4オクテットです。
3 ルータオプション サーバで,クライアントのサブネット上にあるルータのIPアドレスのリストを指定します。リストは優先度の高いものから順に指定します。実際にはここで指定したリストがクライアントのゲートウェイアドレスに相当します。
長さは,引数に長さ4オクテットのIPアドレスをリストで持つため,「IPアドレスリスト(4オクテット)×リスト数」になります。
6 DNSオプション サーバで,クライアントが利用できるSTD 13, RFC 1035[8]で定義されたドメインネームサーバのIPアドレスのリストを指定します。リストは優先度の高いものから順に指定します。
長さは,引数に長さ4オクテットのIPアドレスをリストで持つため,「IPアドレスリスト(4オクテット)×リスト数」になります。
12 ホストネームオプション サーバでクライアントの名前を指定するときに設定します。名前はローカルドメイン名で制限される可能性がある指定は文字列で行われます。
長さは文字列長に伴います。最小値は1です。
15 ドメイン名 サーバで,クライアントがドメイン名システムによってホスト名を変換するときに使用するドメイン名を指定します。
長さは文字列長に伴います。最小値は1です。
43 ベンダ指定情報 クライアントとサーバによって特定のベンダ特定情報を交換するために使用します。ベンダ情報はベンダクラスIDで示されるものを使用します。
サーバはクライアントで指定されたベンダクラスを無視します。クライアントはサーバで指定されたベンダクラスを無視できますが,無視したことをユーザに通知します。
ベンダ情報は一つ以上指定できます。
長さは指定したベンダ指定情報の長さに伴います。最小値は1です。
44 NetBIOS over TCP/IP ネームサーバオプション サーバで,クライアントが参照するNetBIOSネームサーバをIPアドレスのリストで指定します。
指定するNBNS名前サーバはRFC1001/1002のプリファレンス[19][20]に定義されるものを指定します。
リストは優先度の高いものから順に指定します。
長さは,引数に長さ4オクテットのIPアドレスをリストで持つため,「IPアドレスリスト(4オクテット)×リスト数」になります。
46 NetBIOS over TCP/IP ノードタイプ
指定オプション
サーバで,NetBIOSオーバーTCP/IPクライアントのタイプを,RFC 1001/1002 に記述されているように設定します。
  • コード1 Bノード(ブロードキャストノード)
  • コード2 Pノード(Peer to Peerノード)
  • コード3 Mノード(ミックスノード(1,2を兼ね備える))
  • コード4 Hノード(ハイブリッドノード
    (自動/コマンドによる問い合わせ))
50 リクエストIPアドレス クライアントが,DHCPDISCOVERの送信時に受け取りたいIPアドレスを指定するときに指定します。
51 IPアドレスリースタイム このオプションは,サーバ,クライアントの両方で指定できます。
サーバの場合は,DHCPOFFERでクライアントに割り当てるIPアドレスのリース時間をクライアントに指示するときに設定します。
クライアントの場合は,DHCPDISCOVERまたはDHCPREQUESTで,サーバから受け取りたいIPアドレスのリース時間を指定するときに指定します。
指定は符号なし32ビット整数の範囲で,秒単位に指定します。
52 オプションオーバーロード サーバが,DHCPパケットのsnameまたはfileフィールドの長さを超えるデータを返却値に持つ必要がある場合に指定します。
クライアントはこのオプションを検出すると,指定された追加フィールドから所定のデータを読み取ります。
53 DHCPメッセージ
タイプ
DHCPセッションでのクライアントによる問い合わせ,またはサーバによる応答メッセージタイプを識別するときに使用します。
54 サーバ識別子 このオプションは,DHCPOFFERとDHCPREQUESTメッセージ,またはオプション的にDHCPACKとDHCPNAKメッセージで,クライアント/サーバの双方で指定サーバを識別するときに使用します。
サーバは,クライアント側でのリース要求先サーバを選別させるときに使用し,DHCPOFFERにこのオプションを含めます。クライアントはこのオプション指定を受けると,次回からのIPアドレスおよびコンフィグレーション情報要求時に,この識別子を含めることでDHCPセッションに使用するサーバを選別します。
また,クライアントは,このオプションをDHCPREQUESTメッセージに含めることで,その応答の有無によって,指定サーバがメッセージを受信したかどうかを区別できます。
識別子には選択されたサーバのIPアドレスなどを指定します。
55 パラメータリクエストリスト クライアントがサーバに対して,オプション/拡張オプションの要求リストを送信するときに使用します。
指定は,オプション/拡張オプションの後に2オクテットに拡張されたオプションコードをリストします。
56 メッセージ サーバがクライアントとのセッション中にエラーを検出したときに送信するDHCPNAK,または,クライアントがエラーを検出したときに送信するDHCPDECLINEのエラーメッセージ(文字列)を指定する場合に使用します。指定は文字列で行い,長さはそれに伴います。最小値は1です。
57 DHCPメッセージ最大サイズ サーバまたはクライアントが,DHCPメッセージでアクセスできる最大メッセージサイズを指定するときに使用します(最小値:576)。クライアントはDHCPDISCOVERまたは,DHCPREQUESTメッセージ送信時に指定できます。
58 リース延長要求タイムアウト時間(T1) サーバで,クライアントによるリース期間延長要求時のタイムアウト時間(秒)を指定します。指定は符号なし32ビット整数の範囲で,秒単位に指定します。
59 リース更新要求タイムアウト時間(T2) サーバで,クライアントによる再割り当て要求時のタイムアウト時間(秒)を指定します。指定は符号なし32ビット整数の範囲で,秒単位に指定します。
60 ベンダクラスID クライアントが,クライアントのコンフィグレーション情報をベンダクラスIDで選択するときに指定します。長さは指定したベンダ指定情報の長さに伴います。最小値は1です。
61 クライアントID クライアントが,サーバにクライアントをユニークなIDで識別させるときに指定します。
サーバはこの値を自身が割り当てたIPリソース割り当てデータベースのインデックスに使用します。また,サーバがクライアントを識別するための認証もできるので,ユニークな値でなければなりません。長さは指定したクライアントIDの長さに伴います。最小値は1です。
69 SMTPサーバオプション サーバで,クライアントが利用できるSMTPサーバを優先されるものから順にIPアドレスリストで指定します。長さは,引数に長さ4オクテットのIPアドレスをリストで持つため,「IPアドレスリスト(4オクテット)×リスト数」になります。
70 POP3サーバオプション サーバで,クライアントが利用できるPOP3サーバを優先されるものから順にIPアドレスリストで指定します。長さは,引数に長さ4オクテットのIPアドレスをリストで持つため,「IPアドレスリスト(4オクテット)×リスト数」になります。
255 オプション終端コード Endオプションはベンダフィールドで正当なインフォメーションの終わりを記録します。次のオクテットはパッドオプションで満たされるべきです。Endオプションのコードは255で,長さは1オクテットです。

(凡例)

本装置(サーバ)欄
◎:構成定義で設定する ○:自動的に設定する  −:該当しない

クライアント欄
○:サーバで使用する  −:サーバで使用しない

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