構成定義ガイド

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15.1.6　複数障害監視インタフェースの設定

＜この項の構成＞
(1)　設定内容の概要
(2)　構成図と設定条件
(3)　構成定義情報例

(1)　設定内容の概要

PC-サーバ間に2台の本装置(A，B)が存在するIPv4ネットワーク構成において，障害監視機能を使用してPC-サーバ間のサーバ(A，B)に対するインタフェース障害監視を行います。本装置(A，B)に障害監視インタフェースを二つ設定し，障害を検出した場合には，VRRPホットスタンバイ機能によってマスタルータとバックアップルータを切り替え，回復した場合には切り戻します。障害監視インタフェースを複数設定する場合，critical-interface-listパラメータで指定します。critical-interafceパラメータでは複数指定できません。また，障害監視インタフェースを複数設定した場合は，VRRPポーリング機能は使用できません。

(2)　構成図と設定条件

［構成図］

図15-6　VRRPによるホットスタンバイ(IPv4ネットワーク)構成図

[図データ]

［設定条件］

＜本装置Aの環境＞
  1. 本装置AのインタフェースDepartment1に対してVRID10，仮想ルータアドレス192.168.10.10，優先度150の仮想ルータを設定します。
  2. 本装置Aのインタフェースeth0，eth1を仮想ルータの障害監視インタフェースに設定し，障害検出時の優先度減算値をそれぞれ60，100に設定します。

＜本装置Bの環境＞
  1. 本装置BのインタフェースDepartment2に対してVRID10，仮想ルータアドレス192.168.10.10，優先度100(デフォルト)の仮想ルータを設定します。
  2. 本装置Bのインタフェースeth2，eth3を仮想ルータの障害監視インタフェースに設定し，障害検出時の優先度減算値をそれぞれ60，100に設定します。

＜ネットワークの環境＞
  1. PCはデフォルトルータを192.168.10.10に設定します。

(3)　構成定義情報例

［コマンドによる設定］
 1    (config)# line eth0 ethernet 0/0
      [line eth0]
 2    (config)# ip 192.168.50.100/24
      [line eth0]
 3    (config)# exit
 4    (config)# line eth1 ethernet 0/1
      [line eth1]
 5    (config)# ip 192.168.100.100/24
      [line eth1]
 6    (config)# exit
 7    (config)# line Department1 ethernet 0/2
      [line Department1]
 8    (config)# ip 192.168.10.1/24
      [line Department1]
 9    (config)# virtual-router 10 virtual-router-ip-address 192.168.10.10
      [virtual-router 10]
10    (config)# priority 150
      [virtual-router 10]
11    (config)# critical-interface-list eth0 down-priority 60
      [virtual-router 10]
12    (config)# critical-interface-list eth1 down-priority 100
      [virtual-router 10]
13    (config)# exit
      [line Department1]
14    (config)# exit

表15-14　本装置Aの構成定義情報解説

解説番号 解説
1 NIF番号0，Line番号0に回線名eth0のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。
2 eth0のインタフェースにIPアドレス192.168.50.100/24を定義します。
3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 NIF番号0，Line番号1に回線名eth1のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。
5 eth1のインタフェースにIPアドレス192.168.100.100/24を定義します。
6 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
7 NIF番号0，Line番号2にインタフェース名Department1のイーサネットインタフェースを定義します。
lineモードに移行します。
8 Department1のインタフェースにIPアドレス192.168.10.1/24を定義します。
9 インタフェースDepartment1に対してVRID 10，仮想ルータアドレス192.168.10.10，優先度150のVRRPを定義します。
virtual-routerモードに移行します。
10 仮想ルータ優先度を150に定義します。
11 障害監視インタフェースにeth0を設定します。
障害時優先度減算値を60に設定します。
12 二つ目の障害監視インタフェースにeth1を設定します。
障害時優先度減算値を100に設定します。
13 virtual-routerモードからlineモードに戻ります。
14 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

［構成定義情報の表示］
line eth0 ethernet 0/0
  ip 192.168.50.100/24
!
line eth1 ethernet 0/1
  ip 192.168.100.100/24
!
line Department1 ethernet 0/2
  ip 192.168.10.1/24
  virtual-router 10 virtual-router-ip-address 192.168.10.10
    priority 150
    critical-interface-list eth0 down-priority 60
    critical-interface-list eth1 down-priority 100

［コマンドによる設定］
 1    (config)# line eth2 ethernet 0/0
      [line eth2]
 2    (config)# ip 192.168.50.200/24
      [line eth2]
 3    (config)# exit
 4    (config)# line eth3 ethernet 0/1
      [line eth3]
 5    (config)# ip 192.168.100.200/24
      [line eth3]
 6    (config)# exit
 7    (config)# line Department2 ethernet 0/2
      [line Department2]
 8    (config)# ip 192.168.10.2/24
      [line Department2]
 9    (config)# virtual-router 10 virtual-router-ip-address 192.168.10.10
      [virtual-router 10]
10    (config)# critical-interface-list eth2 down-priority 60
      [virtual-router 10]
11    (config)# critical-interface-list eth3 down-priority 100
      [virtual-router 10]
12    (config)# exit
      [line Department2]
13    (config)# exit

表15-15　本装置Bの構成定義情報解説

解説番号 解説
1 NIF番号0，Line番号0に回線名eth2のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。
2 eth2のインタフェースにIPアドレス192.168.50.200/24を定義します。
3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 NIF番号0，Line番号1に回線名eth3のイーサネット回線を定義します。
lineモードに移行します。
5 eth3のインタフェースにIPアドレス192.168.100.200/24を定義します。
6 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
7 NIF番号0，Line番号2にインタフェース名Department2のイーサネットインタフェースを定義します。
lineモードに移行します。
8 Department2のインタフェースにIPアドレス192.168.10.2/24を定義します。
9 インタフェースDepartment1に対してVRID 10，仮想ルータアドレス192.168.10.10を定義します。なお優先度はデフォルト値(100)とします。
virtual-routerモードに移行します。
10 障害監視インタフェースにeth2を設定します。
障害時優先度減算値を60に設定します。
11 二つ目の障害監視インタフェースにeth3を設定します。
障害時優先度減算値を100に設定します。
12 virtual-routerモードからlineモードに戻ります。
13 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

［構成定義情報の表示］
line eth2 ethernet 0/0
  ip 192.168.50.200/24
!
line eth3 ethernet 0/1
  ip 192.168.100.200/24
!
line Department2 ethernet 0/2
  ip 192.168.10.2/2
  virtual-router 10 virtual-router-ip-address 192.168.10.10
    critical-interface-list eth2 down-priority 60
    critical-interface-list eth3 down-priority 100

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