構成定義ガイド

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14.2.2 ATM接続

<この項の構成>
(1) 設定内容の概要
(2) 構成図と設定条件
(3) 構成定義情報例

(1) 設定内容の概要

ルータ間の中継にATMを使用した場合の設定例を示します。ここではNetWareサーバを有するセンタ側とクライアントを有する各拠点を接続するVCを1本ずつとする場合の例を示します。なお,ここではATM側回線のIPX設定についての例だけを示します。LAN側の設定については「14.2.1 LAN接続とSAPフィルタリングによるサーバ使用の制限」を,ATMの設定については「5.5  ATM」を参照してください。

(2) 構成図と設定条件

[構成図]

図14-3 構成図

[図データ]

[設定条件]

<ネットワークの環境>
  1. サーバ側のATM回線はgroupにより複数VCを束ねてインタフェースを設定します。
  2. 各拠点側のATM回線はVC単位にインタフェースを設定します。
  3. ATM側ネットワークにはIPXネットワークアドレスとして a0000000 を割り当てます。
  4. ここでのIPX通信はサーバと各拠点のクライアント間でだけ行い,クライアント同士の通信はないものとします。

<本装置Aの環境>
  1. VCをgroupで束ねてipインタフェースを割り当てます(インタフェース名:CentralNet)。
  2. 上記インタフェースにIPXネットワークアドレスとしてa0000000,IPXノードアドレスとして aa:00:00:00:00:01を設定します。ATM,WANにIPXネットワークアドレスを設定する場合は,必ずIPXノードアドレスの設定が必要となります。
  3. 本装置B/CへのIPX通信を可能とするため,IPX-ARP情報を2エントリ設定します。

<本装置B/Cの環境>
  1. 単一VCにipインタフェースを割り当てます(本装置B側のインタフェース名:OsakaTokyoV,本装置C側のインタフェース名:KyotoTokyoV)。
  2. 上記インタフェースにIPXネットワークアドレスとしてa0000000を設定し,IPXノードアドレスとして本装置B,本装置Cにそれぞれaa:00:00:00:00:02,aa:00:00:00:00:03を設定します。
  3. 本装置AへのIPX通信を可能とするため,IPX-ARP情報をそれぞれに設定します。

(3) 構成定義情報例

[コマンドによる設定]

<本装置A>
 1    (config)# ipx yes
 2    (config)# ipx-interface CentralNet network_address a0000000
                node_address aa:00:00:00:00:01
      [ipx-interface CentralNet]
 3    (config)# exit
 4    (config)# ipx-arp aa:00:00:00:00:02 VC32
 5    (config)# ipx-arp aa:00:00:00:00:03 VC40

表14-7 本装置Aの構成定義情報解説

解説番号 解説
1 IPXルーティングを使用可に設定します。
2,3 CentralNetのインタフェースにIPXルーティングインタフェース情報を定義します(インタフェース名はすでに定義されているものとします)。
4 本装置Bへの通信のためIPX-ARP情報を定義します(VC32の名称でVPI/VCI=0/32のvc定義はすでに定義されているものとします)。
5 本装置Cへの通信のためIPX-ARP情報を定義します(VC40の名称でVPI/VCI=0/40のvc定義はすでに定義されているものとします)。

<本装置B>
 1    (config)# ipx yes
 2    (config)# ipx-interface OsakaTokyoV network_address a0000000
                node_address aa:00:00:00:00:02
      [ipx-interface OsakaTokyoV]
 3    (config)# exit
 4    (config)# ipx-arp aa:00:00:00:00:01 OsakaTokyoV

表14-8 本装置Bの構成定義情報解説

解説番号 解説
1 IPXルーティングを使用可に設定します。
2,3 OsakaTokyoVのインタフェースにIPXルーティングインタフェース情報を定義します(インタフェース名はすでに定義されているものとします)。
4 本装置Aへの通信のためIPX-ARP情報を定義します(OsakaTokyoVの名称でVPI/VCI=0/32のvc定義はすでに定義されているものとします)。

<本装置C>
 1    (config)# ipx yes
 2    (config)# ipx-interface KyotoTokyoV network_address a0000000
                node_address aa:00:00:00:00:03
      [ipx-interface KyotoTokyoV]
 3    (config)# exit
 4    (config)# ipx-arp aa:00:00:00:00:01 KyotoTokyoV

表14-9 本装置Cの構成定義情報解説

解説番号 解説
1 IPXルーティングを使用可に設定します。
2,3 KyotoTokyoVのインタフェースにIPXルーティングインタフェース情報を定義します(インタフェース名はすでに定義されているものとします)。
4 本装置Aへの通信のためIPX-ARP情報を定義します(KyotoTokyoVの名称でVPI/VCI=0/40のvc定義はすでに定義されているものとします)。

[構成定義情報の表示]

<本装置A>
ipx yes
ipx-interface CentralNet network_address a0000000 node_address aa:00:00:00:00:01
ipx-arp aa:00:00:00:00:02 VC32
ipx-arp aa:00:00:00:00:03 VC40

<本装置B>
ipx yes
ipx-interface OsakaTokyoV network_address a0000000 node_address aa:00:00:00:00:02
ipx-arp aa:00:00:00:00:01 OsakaTokyoV

<本装置C>
ipx yes
ipx-interface KyotoTokyoV network_address a0000000 node_address aa:00:00:00:00:03
ipx-arp aa:00:00:00:00:01 KyotoTokyoV

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