構成定義ガイド

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10.4.5 静的NAPT-PT

<この項の構成>
(1) 設定内容の概要
(2) 構成図と設定条件
(3) 構成定義情報例

(1) 設定内容の概要

NAT-PT機能を利用してIPv6ネットワーク内のサーバにIPv4ネットワーク内のクライアントからアクセスを行う例を示します。IPv4ネットワーク内の端末は,IPv6ネットワークのユーザが用意したIPv4ネットワーク内のDNSサーバで名前解決します。

(2) 構成図と設定条件

[構成図]

図10-26 静的NAPT-PT構成図

[図データ]

[設定条件]
  1. 静的NAPT-PTを用いて,IPv6ネットワーク内のHTTPサーバ(2000::1/64),FTPサーバ(2000::2/64),およびTFTPサーバ(2000::3/64)をIPv4ネットワーク内のクライアントからアクセスできるように設定します。
  2. IPv4ネットワーク内の端末がIPv6ネットワーク内のサーバにアクセスするには,プールアドレス10.20.30.100宛に通信を行います。
  3. IPv4ネットワークネットワーク向けのDNSサーバを設置し,HTTPサーバ名”www.ipv6.net”,FTPサーバ名”ftp.ipv6.net”,TELNETサーバ名”telnet.ipv6.net”,およびTFTPサーバ名”tftp.ipv6.net”のアドレスをプールアドレスの10.20.30.100に設定しておきます。

(3) 構成定義情報例

[コマンドによる設定]

<本装置>
 1    (config)# line IPv6-net ethnernet 0/0
      [line IPv6-net]
 2    (config)# ip 2000::100
      [line IPv6-net]
 3    (config)# exit
 4    (config)# line IPv4-net ethernet 0/1
      [line IPv4-net]
 5    (config)# ip 10.20.30.100/24
      [line IPv4-net]
 6    (config)# exit
 7    (config)# line DNS-net ethernet 0/2
      [line DNS-net]
 8    (config)# ip 40.50.60.100/24
      [line DNS-net]
 9    (config)# exit
10    (config)# natpt natptprefix 3ffe::
11    (config)# natpt rule static_napt 2000::1 10.20.30.100 port 80 80
                protocol tcp
12    (config)# natpt rule static_napt 2000::2 10.20.30.100 port 20 20
                protocol tcp
13    (config)# natpt rule static_napt 2000::2 10.20.30.100 port 21 21
                protocol tcp
14    (config)# natpt rule static_napt 2000::3 10.20.30.100 port 23 23
                protocol tcp
15    (config)# natpt rule static_napt 2000::4 10.20.30.100 port 69 69
                protocol tcp
16    (config)# natpt interface IPv6-net
17    (config)# natpt interface IPv4-net

表10-27 本装置の構成定義情報解説

解説番号 解説
1 NIF番号0,Line番号0に回線名IPv6-netのイーサネット回線を定義します。
2,3 インタフェース名IPv6-netにIPv6アドレス2000::100を定義します(プレフィックス長は省略しているため64となります)。
4 NIF番号0,Line番号1に回線名IPv4-netのイーサネット回線を定義します。
5,6 インタフェース名IPv4-netにIPv4アドレス10.20.30.100,サブネットワーク長24を定義します。
7 NIF番号0,Line番号2に回線名DNS-netのイーサネット回線を定義します。
8,9 インタフェース名DNS-netにIPv4アドレス40.50.60.100,サブネットワーク長24を定義します。
10 NAT-PTプレフィックス 3ffe::/96を定義します。同時にNAT-PT機能が有効になります。
11 静的NAPT-PTルールを定義します。IPv6ネットワーク内のHTTPサーバ(2000::1 ポート番号80)をプールIPアドレス10.20.30.100,プールポート番号80に定義します。変換対象プロトコルTCPに指定します。
12 静的NAPT-PTルールを定義します。IPv6ネットワーク内のFTPサーバ(2000::2 ポート番号20)をプールIPアドレス10.20.30.100,プールポート20番号に定義します。変換対象プロトコルTCPに指定します。
13 静的NAPT-PTルールを定義します。IPv6ネットワーク内のFTPサーバ(2000::2 ポート番号21)をプールIPアドレス10.20.30.100,プールポート21番号に定義します。変換対象プロトコルTCPに指定します。
14 静的NAPT-PTルールを定義します。IPv6ネットワーク内のTELNETサーバ(2000::3 ポート番号23)をプールIPアドレス10.20.30.100,プールポート番号23に定義します。変換対象プロトコルTCPに指定します。
15 静的NAPT-PTルールを定義します。IPv6ネットワーク内のTFTPサーバ(2000::4 ポート番号69)をプールIPアドレス10.20.30.100,プールポート番号69に定義します。変換対象プロトコルUDPに指定します。
16 インタフェース名IPv6-netをNAT-PTで使用するインタフェースに設定します。
17 インタフェース名IPv4-netをNAT-PTで使用するインタフェースに設定します。

[構成定義情報の表示]

<本装置>
line IPv6-net ethnernet 0/0
  ip 2000::100
!
line IPv4-net ethernet 0/1
  ip 10.20.30.100/24
!
line DNS-net ethernet 0/2
  ip 40.50.60.100/24
!
natpt natptprefix 3ffe::
natpt rule static_napt 2000::1 10.20.30.100 port 80 80 protocol tcp
natpt rule static_napt 2000::2 10.20.30.100 port 20 20 protocol tcp
natpt rule static_napt 2000::2 10.20.30.100 port 21 21 protocol tcp
natpt rule static_napt 2000::3 10.20.30.100 port 23 23 protocol tcp
natpt rule static_napt 2000::4 10.20.30.100 port 69 69 protocol tcp
natpt interface IPv6-net
natpt interface IPv4-net

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