構成定義ガイド
- <この項の構成>
- (1) 設定内容の概要
- (2) 構成図と設定条件
- (3) 構成定義情報例
(1) 設定内容の概要
隔地の2拠点間の通信にATMメガリンクサービスを中継回線として利用します。このサービスはVPサービスのため,必要な帯域の1 VPを契約します。これに対し,本装置では1 VCを設定し,2拠点間のトラフィックをすべてこのVCに流します。ATMメガリンクサービスは,契約した固定の帯域を保証し,これを超えるトラフィックは保証しないため,本装置のトラフィック制御はサービスカテゴリCBRが適しています。また,VPに契約した帯域を設定することで,VPシェーピングを行います。
フォワーディング上はATMネットワークを1 IPサブネットとして扱います。ここでは,接続する相手ルータが他機種である場合にも可能な一般的な設定を紹介します。
(2) 構成図と設定条件
- [構成図]
図5-27 構成図
- [設定条件]
- <ネットワークの環境>
- 中継回線として利用するATMメガリンクサービスはVPI値=0で100Mbit/sの帯域を契約したものとします。ATMメガリンクサービス接続のために,次のポイントに注意します。
- lineコマンドのパラメータ-clockがexternalであること。(デフォルト)
- lineコマンドのパラメータ-frame_formatがsdh_idleであること。(デフォルト)
- atmコマンドのパラメータ-vp_shaping_numberを1に設定する。
- vpコマンドで,契約したとおりVPI値およびピークセルレートを設定する。
- フォワーディング上はATMネットワークを1IPサブネットとして扱います。接続する相手ルータが他機種である場合にも可能な設定とするために,次のポイントに注意します。
- ipコマンドのパラメータ-connect_typeがbroadであること。(デフォルト)
- <本装置Aの環境>
- 本装置Aは拠点TokyoのネットワークとキャリアのATMネットワークの間に位置するエッジルータで,NIF番号0,Line番号0にATMのNIFが実装されています。
- 本装置BへのVC名:TokyoOsakaV,VPI/VCI=0/32
- トラフィッククラス:サービスカテゴリ=CBR,PCR=100Mbit/s
- <本装置Bの環境>
- 本装置Bは拠点OsakaのネットワークとキャリアのATMネットワークの間に位置するエッジルータで,NIF番号0,Line番号0にATMのNIFが実装されています。
- 本装置AへのVC名:OsakaTokyoV,VPI/VCI=0/32
- トラフィッククラス:サービスカテゴリ=CBR,PCR=100Mbit/s
(3) 構成定義情報例
- [コマンドによる設定]
- <本装置A>
1 (config)# traffic CBR100M cbr pcr 100000 2 (config)# line Tokyo oc3atm 0/0 [line Tokyo] 3 (config)# atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 [line Tokyo] 4 (config)# vp 0 pcr 100000 [vp 0] 5 (config)# vc TokyoOsakaV 32 traffic CBR100M [vc TokyoOsakaV] 6 (config)# ip 192.168.10.1/24 [vc TokyoOsakaV] 7 (config)# exit [vp 0] 8 (config)# exit [line Tokyo] 9 (config)# exit表5-60 本装置Aの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 サービスカテゴリCBR,ピークセルレート100Mbit/sのトラフィッククラスをトラフィック名CBR100Mで定義します。 2 NIF番号0,Line番号0に回線名TokyoのATM回線を定義します。 3 回線名Tokyoの回線のプロトコルをATMに指定します。 4 VPI値=0およびピークセルレート100Mbit/sを定義します。 5 本装置A−本装置B間のVCを定義します。VCI=32,VC名はTokyoOsakaVです。 6〜9 TokyoOsakaVをインタフェースとしてIPアドレスを定義します。
- <本装置B>
1 (config)# traffic CBR100M cbr pcr 100000 2 (config)# line Osaka oc3atm 0/0 [line Osaka] 3 (config)# atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 [line Osaka] 4 (config)# vp 0 pcr 100000 [vp 0] 5 (config)# vc OsakaTokyoV 32 traffic CBR100M [vc OsakaTokyoV] 6 (config)# ip 192.168.10.2/24 [vc OsakaTokyoV] 7 (config)# exit [vp 0] 8 (config)# exit [line Osaka] 9 (config)# exit表5-61 本装置Bの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 サービスカテゴリCBR,ピークセルレート100Mbit/sのトラフィッククラスをトラフィック名CBR100Mで定義します。 2 NIF番号0,Line番号0に回線名OsakaのATM回線を定義します。 3 回線名Osakaの回線のプロトコルをATMに指定します。 4 VPI値=0およびピークセルレート100Mbit/sを定義します。 5 本装置A−本装置B間のVCを定義します。VCI=32,VC名はOsakaTokyoVです。 6〜9 OsakaTokyoVをインタフェースとしてIPアドレスを定義します。
- [構成定義情報の表示]
- <本装置A>
traffic CBR100M cbr pcr 100000 ! line Tokyo oc3atm 0/0 atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 vp 0 pcr 100000 vc TokyoOsakaV 32 traffic CBR100M ip 192.168.10.1/24
- <本装置B>
traffic CBR100M cbr pcr 100000 ! line Osaka oc3atm 0/0 atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 vp 0 pcr 100000 vc OsakaTokyoV 32 traffic CBR100M ip 192.168.10.2/24
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