構成定義ガイド

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5.5.1 ATMメガリンク接続,2拠点間を1 VCで接続する

<この項の構成>
(1) 設定内容の概要
(2) 構成図と設定条件
(3) 構成定義情報例

(1) 設定内容の概要

隔地の2拠点間の通信にATMメガリンクサービスを中継回線として利用します。このサービスはVPサービスのため,必要な帯域の1 VPを契約します。これに対し,本装置では1 VCを設定し,2拠点間のトラフィックをすべてこのVCに流します。ATMメガリンクサービスは,契約した固定の帯域を保証し,これを超えるトラフィックは保証しないため,本装置のトラフィック制御はサービスカテゴリCBRが適しています。また,VPに契約した帯域を設定することで,VPシェーピングを行います。

フォワーディング上はATMネットワークを1 IPサブネットとして扱います。ここでは,接続する相手ルータが他機種である場合にも可能な一般的な設定を紹介します。

(2) 構成図と設定条件

[構成図]

図5-27 構成図

[図データ]

[設定条件]

<ネットワークの環境>
中継回線として利用するATMメガリンクサービスはVPI値=0で100Mbit/sの帯域を契約したものとします。ATMメガリンクサービス接続のために,次のポイントに注意します。
  • lineコマンドのパラメータ-clockがexternalであること。(デフォルト)
  • lineコマンドのパラメータ-frame_formatがsdh_idleであること。(デフォルト)
  • atmコマンドのパラメータ-vp_shaping_numberを1に設定する。
  • vpコマンドで,契約したとおりVPI値およびピークセルレートを設定する。
フォワーディング上はATMネットワークを1IPサブネットとして扱います。接続する相手ルータが他機種である場合にも可能な設定とするために,次のポイントに注意します。
  • ipコマンドのパラメータ-connect_typeがbroadであること。(デフォルト)

<本装置Aの環境>
本装置Aは拠点TokyoのネットワークとキャリアのATMネットワークの間に位置するエッジルータで,NIF番号0,Line番号0にATMのNIFが実装されています。
  • 本装置BへのVC名:TokyoOsakaV,VPI/VCI=0/32
  • トラフィッククラス:サービスカテゴリ=CBR,PCR=100Mbit/s

<本装置Bの環境>
本装置Bは拠点OsakaのネットワークとキャリアのATMネットワークの間に位置するエッジルータで,NIF番号0,Line番号0にATMのNIFが実装されています。
  • 本装置AへのVC名:OsakaTokyoV,VPI/VCI=0/32
  • トラフィッククラス:サービスカテゴリ=CBR,PCR=100Mbit/s

(3) 構成定義情報例

[コマンドによる設定]

<本装置A>
 1    (config)# traffic CBR100M cbr pcr 100000
 2    (config)# line Tokyo oc3atm 0/0
      [line Tokyo]
 3    (config)# atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1
      [line Tokyo]
 4    (config)# vp 0 pcr 100000
      [vp 0]
 5    (config)# vc TokyoOsakaV 32 traffic CBR100M
      [vc TokyoOsakaV]
 6    (config)# ip 192.168.10.1/24
      [vc TokyoOsakaV]
 7    (config)# exit
      [vp 0]
 8    (config)# exit
      [line Tokyo]
 9    (config)# exit

表5-60 本装置Aの構成定義情報解説

解説番号 解説
1 サービスカテゴリCBR,ピークセルレート100Mbit/sのトラフィッククラスをトラフィック名CBR100Mで定義します。
2 NIF番号0,Line番号0に回線名TokyoのATM回線を定義します。
3 回線名Tokyoの回線のプロトコルをATMに指定します。
4 VPI値=0およびピークセルレート100Mbit/sを定義します。
5 本装置A−本装置B間のVCを定義します。VCI=32,VC名はTokyoOsakaVです。
6〜9 TokyoOsakaVをインタフェースとしてIPアドレスを定義します。

<本装置B>
 1    (config)# traffic CBR100M cbr pcr 100000
 2    (config)# line Osaka oc3atm 0/0
      [line Osaka]
 3    (config)# atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1
      [line Osaka]
 4    (config)# vp 0 pcr 100000
      [vp 0]
 5    (config)# vc OsakaTokyoV 32 traffic CBR100M
      [vc OsakaTokyoV]
 6    (config)# ip 192.168.10.2/24
      [vc OsakaTokyoV]
 7    (config)# exit
      [vp 0]
 8    (config)# exit
      [line Osaka]
 9    (config)# exit

表5-61 本装置Bの構成定義情報解説

解説番号 解説
1 サービスカテゴリCBR,ピークセルレート100Mbit/sのトラフィッククラスをトラフィック名CBR100Mで定義します。
2 NIF番号0,Line番号0に回線名OsakaのATM回線を定義します。
3 回線名Osakaの回線のプロトコルをATMに指定します。
4 VPI値=0およびピークセルレート100Mbit/sを定義します。
5 本装置A−本装置B間のVCを定義します。VCI=32,VC名はOsakaTokyoVです。
6〜9 OsakaTokyoVをインタフェースとしてIPアドレスを定義します。

[構成定義情報の表示]

<本装置A>
traffic CBR100M cbr pcr 100000
!
line Tokyo oc3atm 0/0
  atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1
  vp 0 pcr 100000
    vc TokyoOsakaV 32 traffic CBR100M
      ip 192.168.10.1/24

<本装置B>
traffic CBR100M cbr pcr 100000
!
line Osaka oc3atm 0/0
  atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1
  vp 0 pcr 100000
    vc OsakaTokyoV 32 traffic CBR100M
      ip 192.168.10.2/24

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