ISP(インターネットサービスプロバイダ)

昨今のISPネットワークでは、爆発するトラフィックに低CAPEX/OPEXコストで対応することが課題です。スマートフォンを代表とするLTE対応のモバイル機器の普及は、今後よりいっそうのリッチコンテンツの需要を加速度的に増大させ、ISPに対して常に設備拡張を強いる状況にあります。こうした環境で使用するネットワーク機器では、後から柔軟にスケールアップできることや、運用機能の自動化を容易に実現出来ることが求められます。
アラクサラのAXシリーズは、これらの課題をクリアする通信インフラを提供します。

ISPネットワークの課題

  • 爆発するトラフィックを低CAPEX/OPEXコストで処理

爆発するトラフィックに中長期的に柔軟に対応し続けることが可能

ネットワーク上に流れるトラフィックは、年々増大し続ける傾向にあります。その増加ペースは、ISPとは無関係のOTT(Over the Top)による映像配信やボイスチャット/メッセンジャーなどのサービスにも左右されるため、予測が困難です。またインターネットのフルルート数の伸びも、IPv6の普及度合やIPv4アドレス枯渇/アドレス売買など多種多様な外部要因に支配されるため、予測が困難です。
ISPで使われるネットワーク機器は、先々の予測が困難な中、5〜10年先を見据えて導入・運用されます。毎年のように機器更新するのも、10年後に必要なスペックを満たした機器を最初から導入するのも、いずれも投資効率が悪いため、必要に応じて少しずつ性能拡張できることがISP最大のニーズとなっています。

AX8600Rシリーズは、最大6.4Tbpsのスイッチング容量を、モジュール型の転送エンジンとネットワークインタフェースカード(NIF)で共用するアーキテクチャを採用しています。トラフィックや物理ポート数の伸びに応じて転送エンジンやNIFを増設することで、効率的な投資が可能です。
更に、モジュール型の中継スイッチと転送エンジンを交換することにより、筐体性能をアップグレードすることや400Gや1Tのイーサネットに対応することも可能です。将来、転送エンジンやNIFのスロット数が不足した場合でも、モジュールをアップグレードする最小限の投資で性能を拡張できます。

また、2013年8月時点のフルルート数はIPv4で約50万、IPv6で約1.5万なので、デュアルスタック環境でも十分な経路表サイズ(IPv4で180万以上、IPv6で90万以上)を備えています。さらに、IPv4とIPv6の経路数配分を無停止オンラインでカスタマイズすること(*)や転送エンジンモジュールのアップグレードなどにより、大きく経路数の伸びが変わったときも柔軟に対応できます。

コンパクトなシャーシで柔軟なポート収容構成による効率投資を実現

ISPの中では、ユーザトラフィックを流すISP内の回線以外に、保守・運用ネットワーク用回線やピアリング先の提供回線など、多彩な種別の回線が必要になることが一般的です。これまでのネットワーク機器では、異なる回線毎に別々のNIFが必要になると、それに付随して転送エンジンも必要になっていたため、転送エンジンの数がかさみコスト高になっていました。また、大型の装置が必要になるため、ラックスペースを消費することも課題となっていました。

AX8600Rシリーズでは、新たに1/4スロットサイズのNIFをサポートし、1枚の転送エンジンで最大4種類のNIFを混在して収容することが可能です。この他に類を見ないマイクロラインカード構造により、段階的なポート増強や多彩な物理回線の収容の効率化を図ることが出来ます。

このようにAX8600Rシリーズではコンパクトなシャーシで効率よく回線収容することができるため、コストとラックスペースの両面で投資効率を大幅に改善することが出来ます。

運用機能の自動化

新規ユーザ回線の開通設定作業のような日常の定型運用操作は、回数が多く時間もかかるため、その手間を軽減することはOPEX軽減に大きく貢献します。
こうしたISPのニーズを踏まえ、AX8600Rシリーズでは、スクリプト言語機能やコンフィグレーションテンプレート機能をサポートしています。
スクリプト言語機能は、装置内で発生したイベントに呼応して自動実行する処理を、スクリプト言語(Pythonを使用)でユーザ定義できるようにする機能です。ネットワーク機器の運用管理は突き詰めると「何かイベントが発生したらこうする」という手順の塊であるため、こうした手順をISP運用者が自分に適した形で自動化するための機能となります。
コンフィグレーションテンプレート機能は、ユーザ回線追加のような定型コンフィグレーション操作の雛形(テンプレート)をユーザ定義できるようにする機能です。従来のように複数のCLIコマンドで装置の色々な部位を設定するのに比べて、テンプレートを1回呼び出すだけで全設定が可能になるため、コンフィグレーション作業を簡素化できます。
こうした運用管理作業の自動化・簡素化はOPEX軽減につながるのみでなく、運用ミスを抑えることにも寄与し、非常に大きなユーザメリットをもたらします。

環境にやさしいネットワーク機器

昨今の厳しい節電要求から、大容量トラフィックをより少ない電力消費で中継することもISPの大きな課題となってきています。
AX8600Rシリーズでは最先端の半導体技術などの活用により、Gbps当りの消費電力を削減しています。また、将来、トラフィック量によって消費電力をきめ細かく制御するフレックス省電力機能(*)を提供予定です。
また、全モデルで前面吸気・背面排気対応となっているため、どの装置モデルでもデータセンターにおける空調設計の標準(ホットアイル/コールドアイルの管理)に適合し、電力消費を削減することが可能です。

ロングライフソリューションにより、長期的なサービス提供が可能に

ロングライフソリューションでは、最長10年まで障害時の問題解決支援や保守部品の提供などを行う長期サポートとともに、適切な温度環境を維持するための支援機能を提供します。これによりネットワークの長期安定運用を実現し、お客様のTCO削減・システムのライフサイクルの伸長に貢献します。

(*)将来サポート予定

ネットワーク構成イメージ

ルータ

AX8600Rシリーズ

ネットワーク戦略の頂点に起つ、100ギガビット イーサネット対応のハイエンド・ルータ

(拡張可能なスイッチング容量、マイクロラインカード構造、フルルート対応、フレックス省電力、運用機能の自動化)

ロングライフソリューション
長期使用のニーズに応え、設備投資の低減や環境負荷軽減を実現するロングライフソリューション。最長10年の長期稼動が可能です。