traceroute ipv6
宛先ホストまでUDP6メッセージが通ったルート(通ったゲートウェイのルートとゲートウェイ間の応答時間)を表示します。本コマンドはIPv6専用です。
[入力形式]
traceroute ipv6 <host> [numeric] [direct] [verbose] [gateway <gateway address>...] [hoplimit <hops>] [port <port>] [probes <count>] [[specific-route] source <source address>] [waittime <time>] [packetsize <size>] [vrf <vrf id>] [dscp <dscp>]
[入力モード]
一般ユーザモードおよび装置管理者モード
[パラメータ]
- <host>
 - 
                  
テスト対象(IP送信先)の宛先ホスト名,ホストIPv6アドレス,またはインタフェース名付きIPv6アドレス(リンクローカルアドレスだけ)を指定します。
vrf <vrf id>を指定する場合,<host>にはIPv6アドレス,またはインタフェース名付きIPv6アドレス(リンクローカルアドレスだけ)のどちらかだけを指定できます。vrf <vrf id>を指定する場合,<host>には宛先ホスト名を指定できません。
 - numeric
 - 
                  
ゲートウェイのアドレスをホスト名とIPv6アドレスではなく,IPv6アドレスだけで表示します。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
ホストのIPv6アドレスを名前に変換して表示します。
 
 - direct
 - 
                  
プローブパケットを接続されているネットワーク上のホストに直接送出します。通常のルーティングテーブルを使用しません。本オプションは,経路を持たないインタフェースを使ってホストにtraceroute ipv6を実行する場合に使用できます。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
通常のルーティングテーブルを使用して送信します。
 
 - verbose
 - 
                  
冗長出力を有効にします。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
TIME_EXCEEDEDおよびUNREACHABLEだけを出力します。
 
 - gateway <gateway address>
 - 
                  
ソースルートのゲートウェイを指定します。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
ソースルートゲートウェイを設定しません。
 
 - hoplimit <hops>
 - 
                  
送出されるプローブパケットの最大ホップ数をセットします。指定できる値は1〜255です。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
最大30ホップになります。
 
 - port <port>
 - 
                  
使用するUDP6パケットのポート番号を指定します。プローブパケットのポート番号は<port>+1から始まり,プローブパケットごとに1ずつ増加します。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
ポート番号は33434になります(プローブパケットのポート番号は33435から始まります)。
 
 - probes <count>
 - 
                  
ホップごとの探索の回数を<count>に指定します。指定できる値は1〜4294967295です。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
探索の回数は3回になります。
 
 - source <source address>
 - 
                  
送出されるプローブパケットのソースアドレス(送出するアドレス)として,引数のIPv6アドレス(ホスト名ではなく,数字で指定してください)を使用します。複数のIPv6アドレスを持つホストで,プローブパケットに別のソースアドレスを持たせる場合に使用できます。指定したIPv6アドレスが,本ホストのインタフェースのアドレスのうちの一つでない場合,エラーが返され何も送出されません。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
本装置が選択した送信元IPv6アドレスが使用されます。
 
 - specific-route
 - 
                  
マルチパス経路の宛先の場合に,一方の経路へだけパケットを送出します。パケットの送出インタフェースはsourceオプションの<source address>で指定したIPv6アドレスが設定されているインタフェースです。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
特定の経路を設定しません。
 
 - waittime <time>
 - 
                  
プローブパケットの応答待ち時間を秒単位で指定します。指定できる値は2〜2147483です。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
待ち時間は5秒になります。
 
 - packetsize <size>
 - 
                  
プローブパケットのデータサイズをバイト単位で指定します。指定できる値は12〜65527です。0〜11を指定した場合は12として動作します。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
データサイズは12バイトになります。
 
 - vrf <vrf id>
 - 
                  
VRFを指定してルートを表示します。<vrf id>にはコンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDを指定してください。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
グローバルネットワークルートを対象とします。
 
 - dscp <dscp>
 - 
                  
<dscp>で指定した値をIPv6ヘッダのDifferentiated Services(Traffic Class)フィールドのDSCP値として設定します。指定できる値は0〜63です。
- 本パラメータ省略時の動作
 - 
                        
0が設定されます。
 
 - すべてのパラメータ省略時の動作
 - 
                  
グローバルネットワークを対象に指定された<host> へのルートを表示します。
 
[実行例]
>traceroute ipv6 2001:db8:120::100 numeric traceroute to 2001:db8:120::100 (2001:db8:120::100), 30 hops max, 40 byte packets 1 2001:db8:22::100 0.612 ms * 0.532 ms 2 2001:db8:120::100 0.905 ms 0.816 ms 0.807 ms  | 
               
[通信への影響]
なし
[応答メッセージ]
| 
                         メッセージ  | 
                     
                         内容  | 
                  
|---|---|
| 
                         A host name and VRF cannot be specified at the same time.  | 
                     
                         VRFと同時にホスト名称を指定できません。  | 
                  
| 
                         bind: Can't assign requested address  | 
                     
                         指定したIPアドレスは本装置に設定されていません(sourceオプション時)。  | 
                  
| 
                         connect: No route to host  | 
                     
                         指定宛先への経路がありませんでした。  | 
                  
| 
                         packet too short (<receive> bytes) from <host>  | 
                     
                         指定したホストからのパケット長が短過ぎます。 <receive> 受信したデータ長 <host> ホスト名またはIPアドレス  | 
                  
| 
                         sendto: <error message>  | 
                     
                         ソケットへのデータ送信に失敗しました。 <error message> エラーメッセージ  | 
                  
| 
                         The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.  | 
                     
                         このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。  | 
                  
| 
                         traceroute6: No address associated with hostname  | 
                     
                         ホスト名が間違っています。正しいホスト名を入力してください。  | 
                  
| 
                         traceroute6: socket(ICMPv6): <error message>  | 
                     
                         icmpソケットオープンに失敗しました。 <error message> エラーメッセージ  | 
                  
| 
                         traceroute6: Warning: <host> has multiple addresses; using <address>  | 
                     
                         指定した<host>は複数のアドレスを持っていましたが,<address>を採用しました。 <host> ホスト名 <address> IPアドレス  | 
                  
| 
                         traceroute6: wrote <host> <send> chars, ret=<sent>  | 
                     
                         指定したホストへパケットが送信できません。 <host> ホスト名またはIPアドレス <send> 送信するデータ長 <sent> 送信したデータ長  | 
                  
[注意事項]
- 
                  
宛先ホストに対するグローバルホスト経路が存在する場合,そのホストに対してdirectパラメータは有効となりません。
 - 
                  
本装置でtraceroute ipv6コマンド実行中に,本装置に対して継続的にICMPv6メッセージが発行された場合,traceroute ipv6コマンドが無応答になったように見えることがあります。その場合は,verboseパラメータを指定して実行することで,本装置に対して継続的に発行されているICMPv6メッセージを確認できます。
 - 
                  
DNSサーバのIPアドレスが正しく設定されていない場合,ホスト名の参照時にDNSサーバとの通信ができないことを検知するまでに時間が掛かり,実行結果が表示されるまでの時間が長くなることがあります。DNSサーバを設定していない場合は,この現象は発生しません。
 - 
                  
packetsizeパラメータで指定できる最大値は65527バイトですが,gatewayパラメータを同時に指定すると送信パケットにルーティングヘッダが追加されるため,packetsizeパラメータで指定できる最大値が小さくなります。
 - 
                  
QoS制御が有効になっている場合は,dscpパラメータを指定してもQoS制御の影響を受けます。