コンフィグレーションガイド Vol.3


30.1.6 BFDと各機能との連携

BFDセッションの状態と他機能を連携させると,連携する機能では速やかな障害対策ができます。

BFDによる障害検出で経路を切り替えたい場合,経路の学習元となるすべての隣接ルータ間でBFD監視を設定してください。また,ネットワーク内の各装置で同一装置に対する障害検出時間のずれを少なくするため,各装置のコンフィグレーションでBFDセッションの障害検出時間(最小送信間隔,最小受信間隔,および検出乗数)を統一してください。

BFD連携をサポートしている各機能について,監視対象と連携動作を説明します。

〈この項の構成〉

(1) スタティックルーティングのゲートウェイ監視

スタティックルーティング機能では,設定したスタティック経路で個別にBFD監視を設定できます。BFD監視を設定した場合,隣接ゲートウェイを監視対象にします。隣接ゲートウェイのBFD監視には,シングルホップ監視を使用してください。

スタティック経路にBFD監視を設定した場合,装置起動時(またはコンフィグレーションを設定した直後)からBFDセッションを生成します。隣接ゲートウェイに対して直接接続されたインタフェースがアップするとBFDによる監視を開始します。

BFDでゲートウェイを監視しているスタティック経路は,BFDセッションが確立しているときだけ生成します。BFDセッションが確立するまではスタティック経路は生成されません。また,BFDで障害を検出すると,すぐにスタティック経路を削除します。

スタティックルーティング機能では,隣接ゲートウェイだけBFD監視をサポートしています。遠隔ゲートウェイではBFD監視をサポートしていません。

(2) OSPFおよびOSPFv3の隣接ルータ監視

OSPFおよびOSPFv3では,OSPFインタフェース個別にBFD監視を設定できます。BFD監視を設定した場合,隣接ルータを監視対象にします。隣接ルータのBFD監視には,シングルホップ監視を使用してください。

OSPFおよびOSPFv3にBFD監視を設定した場合,隣接ルータを検出すると,BFDセッションを生成し,すぐに監視を開始します。

隣接ルータをBFDで監視している場合,BFDセッションが確立したあとで隣接ルータの障害を検出すると,すぐにOSPFの隣接関係を切断してLSAの再生成と広告をします。その後,SPF計算の遅延時間が経過したあとで経路計算をして,代替経路へ切り替えます。BFDセッションが確立するまでは,BFDセッションの状態は隣接ルータに影響しません。

なお,ブロードキャスト型ネットワークでは,すべての隣接ルータでBFDを使用してください。BFDを使用していないルータと隣接関係を確立できますが,BFDを使用していないルータが指定ルータになると,該当ルータがHelloパケットによって障害を認識するまでそのネットワークを経由する通信が停止します。

(3) BGP4およびBGP4+のピア監視【OP-BGP】

BGP4およびBGP4+では,BGPピア個別にBFD監視を設定できます。BFD監視を設定した場合,ピアを監視対象にします。

本装置とピアが互いのアドレスを直接接続したインタフェースアドレスで指定している場合は,シングルホップを使用して監視してください。内部ピアやコンフィグレーションコマンドneighbor ebgp-multihopを使用した外部ピアなどで直接接続されたインタフェース以外のアドレスを使用してピアを接続する場合のBFD監視には,マルチホップを使用してください。マルチホップを使用する場合には,ピアの接続にループバックインタフェースのアドレスを使用してください。

BGP4およびBGP4+にBFD監視を設定した場合,ピア間のコネクションが確立すると,BFDセッションを生成し,すぐに監視を開始します。

ピアをBFDで監視している場合,BFDセッションが確立したあとでBFDによって障害を検出すると,すぐにBGPピアの隣接関係を切断して経路を切り替えます。BFDセッションが確立するまでは,BFDセッションの状態はピアに影響しません。