コンフィグレーションガイド Vol.3


21.1.4 VRFでのBGP4またはBGP4+

〈この項の構成〉

(1) 概要

BGP4およびBGP4+はVRF機能によって論理的に分割されたネットワーク単位で独立して動作します。

(2) VRFでBGP4またはBGP4+を使用する場合の注意事項

本装置で,異なるVRFまたはグローバルネットワークからインポートした経路は,インポート元経路のAS_PATH属性をそのまま引き継ぎます。このため,本装置から該当経路を広告した場合,隣接装置で経路ループを検出するおそれがあります。

  1. 異なるVRFまたはグローバルネットワークで同一のAS番号を使用する場合の注意事項

    経路のインポート元のVRFまたはグローバルネットワークと同一のAS番号を使用しているインポート先のVRFまたはグローバルネットワークに該当経路を広告する場合,その経路は隣接装置でASループを検出して,有効な経路として取り扱われません。本装置では,VRFまたはグローバルネットワークに経路のAS_PATH属性上の先頭AS番号を自装置のAS番号で上書きするコンフィグレーションコマンドneighbor as-overrideを設定できます。同一のAS番号を持つVRFまたはグローバルネットワークとの接続にBGP4またはBGP4+を使用する場合は,本コマンドを設定してください。

    また,本装置が直接接続していないVRFまたはグローバルネットワーク内で同一のAS番号を使用している場合,コンフィグレーションコマンドneighbor as-overrideを設定しても,隣接装置でASループを解決できません。本装置(隣接装置)では,ASループ経路を有効な経路として取り扱うコンフィグレーションコマンドneighbor permit-asloopを設定できます。VRFまたはグローバルネットワーク内で同一のAS番号を使用する場合は,本コマンドを設定してください。なお,本コマンドを設定した場合は,経路ループが発生するおそれが高くなるためネットワーク設計に十分注意してください。

  2. 異なるVRFまたはグローバルネットワークで同一のルータID,クラスタIDを使用する場合(ルート・リフレクション)の注意事項

    異なるVRFまたはグローバルネットワークで同一のルータID(オリジネータID)を使用している場合,もしくは異なるVRFまたはグローバルネットワーク内のルート・リフレクタで同一のクラスタIDを使用している場合,その経路はルート・リフレクタでループを検出して有効な経路として取り扱われません。ネットワーク設計に十分注意してください。

  3. 異なるVRF間のピアから学習した経路はActive経路になりません。