21.1.1 概要
IPv4のルーティングプロトコルであるBGP4は,プロバイダ間の多大な経路情報のやり取りが必要なインターネット接続に適用されるルーティングプロトコルで,階層型のネットワークの概念に基づいて作成されています。BGP4はインターネットのバックボーン上で,プロバイダ間でルーティングテーブルを交換するときに使用されます。また,イントラネットを二つ以上のISPに接続する場合に使用されます。
AS内のルータ間での経路情報の交換には,RIPやOSPFのようなIGP(Interior Gateway Protocol)を使用します。BGP4は,AS間のルーティングプロトコルであり,EGP(Exterior Gateway Protocol)の一つです。BGP4はインターネット上で使用されているすべての経路情報を扱えます。
IPv6のルーティングプロトコルとして使用するBGP4+は,BGP4をIPv4以外のプロトコルにも使用できるように拡張したものです。BGP4と同様に,インターネット上で使用されているすべての経路情報を扱えます。
BGP4とBGP4+の機能を次の表に示します。
| 
                      機能  | 
                  
                      BGP4  | 
                  
                      BGP4+  | 
               
|---|---|---|
| 
                      EBGP,IBGPピアリング,経路配信  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      経路フィルタ,BGP属性変更  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      コミュニティ  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      ルート・リフレクション  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      コンフェデレーション  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      サポート機能のネゴシエーション  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      ルート・リフレッシュ  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      マルチパス  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      ピアグループ※1  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      ルート・フラップ・ダンプニング※2  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      BGP4 MIB※2  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ×  | 
               
| 
                      TCP MD5認証  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      ユニキャストルーティング高可用機能  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      学習経路数制限  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
| 
                      4バイトAS番号  | 
                  
                      ○  | 
                  
                      ○  | 
               
(凡例) ○:取り扱う ×:取り扱わない
注※1 外部ピアおよびメンバーAS間ピア同士,または内部ピア同士のグルーピングです。
注※2 VRFでは取り扱いません。