コンフィグレーションガイド Vol.3


13.12.3 エクストラネット

エクストラネットを実現するには次の二つの方法があります。

ここでは,ルーティングテーブルを操作するVRF間の経路交換,およびVRF間にわたるスタティックルーティングについて説明します。また,VRF間でインポートできる経路について説明します。

〈この項の構成〉

(1) VRF間の経路交換

各VRFが持つ経路情報を交換して,エクストラネットを実現します。VRF間の経路交換を次の図に示します。

図13‒29 VRF間の経路交換

[図データ]

VRF 2の経路(172.16.1.0/24)とVRF 3の経路(172.16.3.0/24)を交換して,特定ネットワーク間で通信できます。

(2) VRF間にわたるスタティックルーティング

他VRFのゲートウェイをネクストホップとするスタティック経路を生成して,エクストラネットを実現します。VRF間にわたるスタティックルーティングを次の図に示します。

図13‒30 VRF間にわたるスタティックルーティング

[図データ]

VRF 2のルーティングテーブルにホストCへの経路を,VRF 3のルーティングテーブルにホストAへの経路をスタティックで生成すると,特定ホスト間だけで通信できます。

(3) VRF間でインポートできる経路

他VRFまたはグローバルネットワークからインポートできる経路種別を次の表に示します。複数の経路種別に一致する場合は,一致したすべての経路種別がインポートできるときだけインポートできます。

表13‒17 他VRFまたはグローバルネットワークからインポートできる経路種別(IPv4)

経路種別

インポートの可否

非アクティブ経路

×

削除保留中の経路

×

エクストラネット用にインポートした経路

×

集約経路

ループバックインタフェースに設定した経路

イーサネットインタフェースの直結経路

イーサネットサブインタフェースの直結経路

ポートチャネルインタフェースの直結経路

ポートチャネルサブインタフェースの直結経路

マネージメントポートの直結経路

×

AUXインタフェースの直結経路

×

出力インタフェースがイーサネットインタフェースとなる経路

出力インタフェースがイーサネットサブインタフェースとなる経路

出力インタフェースがポートチャネルインタフェースとなる経路

出力インタフェースがポートチャネルサブインタフェースとなる経路

出力インタフェースがループバックインタフェースとなる経路

出力インタフェースがNullインタフェースとなる経路

出力インタフェースがマネージメントポートとなる経路

×

出力インタフェースがAUXインタフェースとなる経路

×

(凡例) ○:インポートできる ×:インポートできない

表13‒18 他VRFまたはグローバルネットワークからインポートできる経路種別(IPv6)

経路種別

インポートの可否

非アクティブ経路

×

削除保留中の経路

×

エクストラネット用にインポートした経路

×

集約経路

ループバックインタフェースに設定した経路

イーサネットインタフェースの直結経路(グローバルアドレス)

イーサネットインタフェースの直結経路(リンクローカルアドレス)

×

イーサネットサブインタフェースの直結経路(グローバルアドレス)

イーサネットサブインタフェースの直結経路(リンクローカルアドレス)

×

ポートチャネルインタフェースの直結経路(グローバルアドレス)

ポートチャネルインタフェースの直結経路(リンクローカルアドレス)

×

ポートチャネルサブインタフェースの直結経路(グローバルアドレス)

ポートチャネルサブインタフェースの直結経路(リンクローカルアドレス)

×

マネージメントポートの直結経路

×

出力インタフェースがイーサネットインタフェースとなる経路

出力インタフェースがイーサネットサブインタフェースとなる経路

出力インタフェースがポートチャネルインタフェースとなる経路

出力インタフェースがポートチャネルサブインタフェースとなる経路

出力インタフェースがループバックインタフェースとなる経路

出力インタフェースがNullインタフェースとなる経路

出力インタフェースがマネージメントポートとなる経路

×

(凡例) ○:インポートできる ×:インポートできない