コンフィグレーションガイド Vol.2


27.1.3 UDLD

UDLD(Uni-Directional Link Detection)とは,片方向リンク障害を検出する機能です。

片方向リンク障害が発生すると,一方の装置では送信はできるが受信ができない状態,もう一方の装置では受信はできるが送信はできない状態になります。上位プロトコルでは誤動作が発生し,ネットワーク上でさまざまな障害が発生します。よく知られている例として,スパニングツリーでのループの発生や,リンクアグリゲーションでのフレームの損失が挙げられます。これらの障害は,片方向リンク障害を検出した時に該当するポートをinactive状態にすることで,未然に防げます。

本装置は,IEEE802.3ah OAMに規定されたInformation OAMPDUのOrganization Specific Information TLVを使ってUDLDを実現します。常時,隣接装置と自装置間でOAM状態情報を交換して,フレームの到達性を確認することで双方向リンク状態を監視します。UDLDは双方向リンク状態を確認できなくなったときに,片方向リンク障害が発生したと判断します。

本装置では,双方向リンク状態を1秒に1回確認します。OAMPDUの応答タイムアウトが決められた回数だけ連続すると,片方向リンク障害と判断し,ポートをinactive状態にします。ポートがinactive状態になると隣接装置側のポートでもリンクダウンを検出し,接続された双方の装置で該当ポートでの運用を停止します。

inactive状態になったポートは,片方向リンク障害要因を取り除いたあと,運用コマンドactivateでactive状態に戻します。

〈この項の構成〉

(1) サポート仕様

本装置でのUDLDのサポート仕様を次の表に示します。

表27‒5 UDLDのサポート仕様

名称

サポート

片方向リンク障害検出

片方向リンク障害と判断する回数設定

片方向リンク障害検出ポートのinactivate

片方向リンク障害検出システムメッセージ

片方向リンク障害検出SNMP通知

(凡例)○:サポート

注※ 片方向リンク障害と判断する回数の設定によって,片方向リンク障害発生から検出までのおよその時間は次のようになります。

5(隣接装置からの情報タイムアウト時間)+片方向リンク障害と判断する回数(秒)

(2) UDLDの設定

UDLDを使用する場合,接続した双方のポートでUDLDを有効にします。接続した双方のポートのどちらか一方でもUDLDを有効にしなかった場合は,障害を検出できないことがあります。