コンフィグレーションガイド Vol.2


7.4.2 共有リンク障害・復旧時の動作

共有リンクありのマルチリング構成時に,共有リンク間で障害が発生した際の障害および復旧動作について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 障害検出時の動作

共有リンクの障害を検出した際の動作について次の図に示します。

図7‒15 共有リンク障害時の動作

[図データ]

(a) 共有リンク監視リングのマスタノード動作

共有リンクで障害が発生すると,マスタノードは両方向のHC(M)を受信できなくなり,リング障害を検出します。障害を検出したマスタノードはシングルリング時と同様に,次に示す手順で障害動作を行います。

 

1. データ転送用リングVLAN状態の変更

2. フラッシュ制御フレームの送信

3. MACアドレステーブルのクリア

4. 監視状態の変更

(b) 共有リンク監視リングのトランジットノード動作

シングルリング時と同様に,マスタノードから送信されるフラッシュ制御フレームを受信すると次に示す動作を行います。

 

5. フラッシュ制御フレームの転送

6. MACアドレステーブルのクリア

(c) 共有リンク非監視リングのマスタノードおよびトランジットノード動作

共有リンク非監視リングのマスタノードは,共有リンクでのリング障害を検出しないため,障害動作は行いません。このため,トランジットノードについても経路の切り替えは発生しません。

(2) 復旧検出時の動作

共有リンクの障害復旧を検出した際の動作について次の図に示します。

図7‒16 共有リンク復旧時の動作

[図データ]

(a) 共有リンク監視リングのマスタノード動作

リング障害を検出している状態で,自身が送信したHC(M)を受信すると,リング障害が復旧したと判断し,シングルリング時と同様に,次に示す手順で復旧動作を行います。

 

1. データ転送用リングVLAN状態の変更

2. フラッシュ制御フレームの送信

3. MACアドレステーブルのクリア

4. 監視状態の変更

(b) 共有リンク監視リングのトランジットノード動作

シングルリング時と同様に,マスタノードから送信されるフラッシュ制御フレームを受信すると次に示す動作を行います。

 

5. フラッシュ制御フレームの転送

6. MACアドレステーブルのクリア

(c) 共有リンク非監視リングのマスタノードおよびトランジットノード動作

共有リンク非監視リングのマスタノードは,リング障害を検出していないため,トランジットノードを含め,復旧動作は行いません。