コンフィグレーションガイド Vol.1


12.3.6 温度監視

〈この項の構成〉

(1) 入気温度の監視

本装置では,運用系および待機系でそれぞれ入気温度を監視します。入気温度が低温や高温になると,システムメッセージを出力したりSNMP通知を送信したりします。入気温度が高温停止レベルになると,装置を停止します。

なお,入気温度は履歴情報として最大2年分参照できます。

(2) 入気温度の監視レベルと動作

入気温度の監視レベルと動作を次の表に示します。

表12‒30 監視レベルと動作

入気温度

監視レベル

運用環境レベル

システムの動作

2℃以下に下降

低温注意

caution

運用を継続します。運用環境レベルが変化した場合にシステムメッセージを出力,およびSNMP通知を送信します。

5℃以上に上昇

低温注意回復

normal

40℃以下に下降

高温注意回復

normal

43℃以上に上昇

高温注意

caution

50℃以下に下降

高温警告回復

caution

53℃以上に上昇

高温警告

critical

65℃以上に上昇

高温停止

fault

BCUを停止します。

注※ コンフィグレーションコマンドsystem high-temperature-actionで,BCUを停止しないように設定できます。

高温停止レベルでBCUを停止する場合の動作を次に示します。

BCUが一重化の場合

システムメッセージを出力,およびSNMP通知を送信して装置を停止します。停止したBCUは自動回復しません。

BCUが二重化で,運用系BCU(例えば,BCU1)が高温停止レベルとなった場合

システムメッセージを出力,およびSNMP通知を送信してBCU1を停止します。系切替をしてBCU2が運用系となり,一重化で運用します。停止したBCU1は自動回復しません。

BCUが二重化で,待機系BCU(例えば,BCU2)が高温停止レベルとなった場合

システムメッセージを出力,およびSNMP通知を送信してBCU2を停止して,一重化で運用します。停止したBCU2は自動回復しません。

運用環境レベルと温度値について次の図に示します。

図12‒44 運用環境レベルと温度値

[図データ]

(3) 任意の入気温度による警告および回復通知

(a) 入気温度監視

コンフィグレーションコマンドsystem temperature-warning-levelを設定すると,装置の入気温度が指定した温度以上になった場合に温度を警告するシステムメッセージを出力します。また,装置の入気温度が指定した温度以上になったあとで指定した温度から3℃以上下回った場合,温度の回復を示すシステムメッセージを出力します。ただし,温度を警告するシステムメッセージを出力するのは,温度の回復を示すシステムメッセージを出力したあとです。

(b) 平均入気温度監視

コンフィグレーションコマンドsystem temperature-warning-level averageを設定すると,装置の指定日数当たりの平均入気温度が指定した温度以上になった場合,毎日12:00に温度を警告するシステムメッセージを出力します。

(4) 入気温度状態の確認

入気温度の状態は運用コマンドshow environmentで表示される「Inlet Temperature」の項目で確認できます。また,入気温度に関する履歴情報は,運用コマンドshow environmentのtemperature-loggingパラメータで最大2年分を確認できます。

(5) ボードの温度監視

本装置では入気温度の監視とは別に,各ボードの温度を監視します。監視対象のボードはBCU,SFU,PSU,およびNIFです。

運用が継続できないほどボードが高温になった場合は,該当するボードを停止します。停止したボードは温度が下がっても自動回復しません。ボードの温度状態の監視レベルと動作を次の表に示します。

表12‒31 監視レベルと動作

監視レベル

運用環境レベル

システムの動作

高温警告回復

normal

該当するボードの運用を継続します。

高温警告検出

critical

高温停止

fault

システムメッセージを出力,およびSNMP通知を送信して,該当するボードを停止します。

(6) ボードの温度状態の確認

各ボードの温度状態は運用コマンドshow environmentで表示される「Board Temperature」の項目で確認できます。