トラブルシューティングガイド

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8.1.2 QoSによる廃棄を確認する

本装置を使用しているネットワーク上で通信トラブルが発生する要因として,QoSのポリサー,QoSフロー廃棄,ポートシェーパ,または装置内キューによってフレームの廃棄または滞留が発生している可能性が考えられます。QoSによって本装置内でフレームの廃棄または滞留が発生している場合に,廃棄または滞留個所を特定する方法を次に示します。

<この項の構成>
(1) ポリサーによるフレーム廃棄の確認方法
(2) QoSフロー廃棄によるフレーム廃棄の確認方法
(3) ポートシェーパによるフレームの廃棄および滞留の確認方法
(4) 階層化シェーパによるフレームの廃棄および滞留の確認方法
(5) 装置内キューによるフレームの廃棄および滞留の確認方法

(1) ポリサーによるフレーム廃棄の確認方法

  1. show qos-flowおよびshow policerコマンドを実行して,インタフェースに適用しているポリサーのフロー検出条件と動作指定,ポリサーの統計情報を確認します。
  2. 1.で確認したフロー検出条件と通信できないフレームの内容を比較して,該当フレームが廃棄されていないか確認します。
    最大帯域監視を違反したフレームは廃棄されて,統計情報のMatched packets(Max-rate over)にカウントされます。この値がカウントされている場合,インタフェースに適用しているポリサーによってフレームが廃棄されています。
  3. ポリサーでフレームが廃棄されている場合,QoSのコンフィグレーションの設定およびポリサーの設定が適切か見直してください。

(2) QoSフロー廃棄によるフレーム廃棄の確認方法

  1. show qos-flowコマンドを実行して,インタフェースに適用しているQoSフローリストのQoSフロー廃棄を指定しているフロー検出条件と,フロー検出条件に一致したパケット数を確認します。
  2. 1.で確認したフロー検出条件と通信できないフレームの内容を比較して,該当フレームが廃棄されていないか確認します。
  3. QoSフロー廃棄でフレームが廃棄されている場合,QoSのコンフィグレーションの設定が適切か見直してください。

(3) ポートシェーパによるフレームの廃棄および滞留の確認方法

  1. show qos queueing portコマンドを実行して,通信で使用する出力インタフェースのポート送信キューの統計情報に表示されるDiscard packets,Send packets,およびQlenを確認します。
  2. 1.で確認したDiscard packetsがカウントされている場合,廃棄制御によってフレームが廃棄されています。
  3. 1.で確認したSend packetsがカウントされていなくて,Qlenがカウントされている場合,スケジューリングによってフレームが滞留しています。
  4. フレームの廃棄および滞留が発生している場合,ポートシェーパのコンフィグレーションの設定が適切か見直してください。

(4) 階層化シェーパによるフレームの廃棄および滞留の確認方法

  1. show shaperコマンドを実行して,通信で使用する出力インタフェースのユーザ送信キューの統計情報に表示されるDiscard packets,Send packets,およびQlenを確認します。
  2. 1.で確認したDiscard packetsがカウントされている場合,廃棄制御によってフレームが廃棄されています。
  3. 1.で確認したSend packetsがカウントされ,Qlenがカウントされている場合,スケジューリングによってフレームが滞留しています。
  4. フレームの廃棄および滞留が発生している場合,階層化シェーパのコンフィグレーションの設定が適切か見直してください。

(5) 装置内キューによるフレームの廃棄および滞留の確認方法

  1. show qos queueingコマンドおよびshow shaperコマンドを実行して,次に示すキューのDiscard packets,Send packets,およびQlenを確認します。

    ユニキャストフレームの場合
    ・ポート受信キュー
    ・NIF FE送信キュー
    ・PSU-FE NIF受信キュー
    ・PSU-FE SSW送信(中継)キュー
    ・PSU-SSW FE受信(ユニキャスト)キュー
    ・PSU-SSW FE送信(ユニキャスト)キュー
    ・PSU-FE SSW受信(中継)キュー
    ・PSU-FE NIF送信キュー
    ・NIF FE受信キュー
    ・ポート送信キューまたはユーザ送信キュー

    マルチキャストフレームの場合
    ・ポート受信キュー
    ・NIF FE送信キュー
    ・PSU-FE NIF受信キュー
    ・PSU-FE SSW送信(中継)キュー
    ・PSU-SSW FE受信(マルチキャスト)キュー
    ・PSU-SSW FE送信(マルチキャスト)キュー
    ・PSU-FE SSW受信(中継)キュー
    ・PSU-FE NIF送信キュー
    ・NIF FE受信キュー
    ・ポート送信キューまたはユーザ送信キュー

    BCUを経由するフレームの場合
    ・ポート受信キュー
    ・NIF FE送信キュー
    ・PSU-FE NIF受信キュー
    ・PSU-FE CPU送信キュー
    ・BCU-PA PSU受信キュー
    ・BCU-CPU PA受信キュー
    ・BCU-CPU送信キュー
    ・PSU-FE SSW送信(制御)キュー
    ・PSU-SSW FE受信キュー
    ・PSU-SSW FE送信キュー
    ・PSU-FE SSW受信(制御)キュー
    ・PSU-FE NIF送信キュー
    ・NIF FE受信キュー
    ・ポート送信キューまたはユーザ送信キュー
  2. 1.で確認したDiscard packetsがカウントされている場合,装置内キューによってフレームが廃棄されています。
  3. 1.で確認したSend packetsがカウントされていなくて,Qlenがカウントされている場合,装置内キューによってフレームが滞留しています。
  4. フレームの廃棄および滞留が発生している場合,対象フレームの流量を見直してください。

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