コンフィグレーションガイド Vol.2
L2ループ検知では,コンフィグレーションで設定したポート(物理ポートまたはチャネルグループ)からL2ループ検知用のL2制御フレーム(L2ループ検知フレーム)を定期的に送信します。L2ループ検知が有効なポートでそのL2ループ検知フレームを受信した場合,ループ障害と判断して,受信したポートまたは送信元ポートをinactive状態にします。
inactive状態のポートは,ループ障害の原因を解決したあと,運用コマンドでactive状態にします。また,自動復旧機能を設定しておけば,自動的にactive状態にできます。
- <この項の構成>
- (1) 本装置のサポート状況
- (2) L2ループ検知のポート種別
- (3) L2ループ検知フレームの送信ポートについて
- (4) ループ障害の検知方法とポートをinactive状態にする条件
- (5) システムメッセージの表示について
(1) 本装置のサポート状況
L2ループ検知は,スイッチポートでだけ動作します。
(2) L2ループ検知のポート種別
L2ループ検知で使用するポートの種別を次の表に示します。
表21-1 ポート種別
種別 機能 検知送信閉塞ポート
- ループを検知するためのL2ループ検知フレームを送信します。
- ループ障害検知時は,システムメッセージを表示して,該当ポートをinactive状態にします。
検知送信ポート
- ループを検知するためのL2ループ検知フレームを送信します。
- ループ障害検知時は,システムメッセージを表示します。inactive状態にはしません。
検知ポート
(コンフィグレーション省略時)
- ループを検知するためのL2ループ検知フレームを送信しません。
- ループ障害検知時は,システムメッセージを表示します。inactive状態にはしません。
検知対象外ポート
- 本機能の対象外ポートです。ループを検知するためのL2ループ検知フレームの送信やループ障害検知をしません。
アップリンクポート
- ループを検知するためのL2ループ検知フレームを送信しません。
- ループ障害検知時は,送信元ポートで,送信元のポート種別に従った動作をします。例えば,送信元が検知送信閉塞ポートの場合は,システムメッセージを表示して,送信元ポートをinactive状態にします。
(3) L2ループ検知フレームの送信ポートについて
L2ループ検知フレームは,検知送信閉塞ポートと検知送信ポートに所属しているすべてのVLANから,設定した送信間隔で送信します。本機能で送信できる最大フレーム数は決まっていて,それを超えるフレームは送信しません。フレームを送信できなかったポートやVLANでは,ループ障害を検知できなくなります。そのため,送信できる最大フレーム数は,収容条件に従って設定してください。詳細は,「コンフィグレーションガイド Vol.1 3. 収容条件」を参照してください。
(4) ループ障害の検知方法とポートをinactive状態にする条件
L2ループ検知フレームを受信した場合,自装置から送信したL2ループ検知フレームで,かつ受信ポートに設定されているVLANであれば,異なるVLAN間でもループ障害と見なします。L2ループ検知フレームの受信によってループ障害と判定すると,ポートごとにフレームの受信数をカウントします。この値がコンフィグレーションで設定したL2ループ検知フレーム受信数(初期値は1)に達すると,該当ポートをinactive状態にします。
なお,Tag変換などを使用して意図的に自装置に折り返すようなネットワーク構成にする場合は,対象のポートを検知対象外ポートに設定して,ループ障害を回避してください。
(5) システムメッセージの表示について
L2ループ障害検知によるシステムメッセージを一度表示したあと,同じポートで続けてL2ループ検知フレームを受信しても,前回の表示から1分間は表示しません。前回の表示から1分間経過したあと,L2ループ検知フレーム受信時にシステムメッセージを表示します。
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