コンフィグレーションガイド Vol.1
- <この項の構成>
- (1) 概要
- (2) ハードウェアプロファイル
- (3) 配分パターン
- (4) ハードウェアプロファイルと配分パターンの関係
(1) 概要
本項で使用するテーブルエントリ数とは,経路数やフィルタ・QoSフローのエントリ数を意味します。
本装置では,ネットワーク構成に合わせて適切なテーブルエントリ数の配分パターンを選べます。さらに,一部のテーブルエントリを拡張が必要なテーブルエントリへ配分するなどのカスタマイズができます。配分パターンはコンフィグレーションコマンドによって変更できます。
エントリの配分パターンは経路系,フロー系をそれぞれ用意しています。経路系テーブルエントリおよびフロー系テーブルエントリの内容を次の表に示します。
表3-7 経路系テーブルエントリおよびフロー系テーブルエントリの内容
項目 内容 経路系テーブルエントリ IPv4ユニキャスト経路
IPv4マルチキャスト経路
IPv6ユニキャスト経路
IPv6マルチキャスト経路
MACアドレステーブル
ARP
NDPフロー系テーブルエントリ フィルタエントリ
QoSフローエントリ
(2) ハードウェアプロファイル
本装置では,各種テーブルエントリをどのように使用して装置を運用するかをハードウェアプロファイルで指定します。使用するハードウェアプロファイルはコンフィグレーションコマンドで設定します。ハードウェアプロファイルの種類と,対応するモデルおよびPSUを次の表に示します。
表3-8 ハードウェアプロファイルの種類(AX8600Sの場合)
対応モデル 対応PSU ハードウェアプロファイル AX8608S
AX8616S
AX8632SPSU-11
PSU-21switch-1 PSU-12
PSU-22switch-1
switch-2
switch-2-qinqPSU-23 switch-1
switch-2
switch-2-qinq
switch-2-flow表3-9 ハードウェアプロファイルの種類(AX8300Sの場合)
対応モデル 対応PSU ハードウェアプロファイル AX8304S PSU-C1 switch-1 PSU-C2 switch-1
switch-3
switch-3-qinqPSU-E1A swtich-1e PSU-E2A switch-1e
switch-3e
switch-3e-qinqAX8308S PSU-E1A switch-1 PSU-E2A switch-1
switch-3
switch-3-qinqPSU-E1 switch-1 PSU-E2 switch-1
switch-3
switch-3-qinq
(3) 配分パターン
配分パターンを次に示します。
表3-10 経路系テーブルエントリの配分パターン
パターン名 意味 default※ 全エントリ混在 vlan MACアドレステーブル優先 access ARPおよびNDP優先 custom 経路系テーブルエントリのカスタマイズ 注※ デフォルトのパターン
表3-11 フロー系テーブルエントリの配分パターン
パターン名称 意味 default※ フィルタ,QoS均等 filter フィルタ重視 filter-only フィルタ専用 qos QoSフロー重視 qos-only QoSフロー専用 mirror ポリシーベースミラーリング使用 注※ デフォルトのパターン
(4) ハードウェアプロファイルと配分パターンの関係
ハードウェアプロファイルごとの経路系テーブルエントリ数とフロー系テーブルエントリ数を次に示します。VRF機能使用時の最大エントリ数は,全VRFのエントリ数の合計です。
ここの表で記載しているIPv4ユニキャスト経路数には,次の情報が含まれます。
- RIP,OSPF,BGP4,スタティックを合わせたアクティブ経路
- 他VRF(グローバルネットワークを含む)からインポートされた,アクティブ状態のエクストラネット経路
- インタフェースに設定したIPv4アドレス数×2:直結経路のホスト経路,サブネット経路
- ARPエントリ数
- ループバックインタフェースを使用する場合は,ループバックインタフェースごとに1経路が加算されます。
- RIPバージョン2を使用する場合は1経路が加算されます。
VRFでRIPバージョン2を使用する場合は,VRFごとに1経路が加算されます。
- OSPFを使用する場合は2経路が加算されます。
VRFでOSPFを使用する場合は,VRFごとに2経路が加算されます。
- VRRPでアクセプトモードを設定して,マスタ状態になっている場合は1経路が加算されます。
- ここに示した以外に4経路を装置固定情報として使用します。
VRFを使用する場合は,VRFごとに1経路を装置固定情報として使用します。
ここの表で記載しているIPv6ユニキャスト経路数には,次の情報が含まれます。
- RIPng,OSPFv3,BGP4+,スタティックを合わせたアクティブ経路
- 他VRF(グローバルネットワークを含む)からインポートされた,アクティブ状態のエクストラネット経路
- インタフェースに設定したIPv6アドレス数×2+IPv6リンクローカルアドレス数:直結経路のホスト経路(グローバルおよびリンクローカル),サブネット経路(グローバル)
- NDPエントリ数
- ループバックインタフェースを使用する場合は,ループバックインタフェースごとに1経路が加算されます。
- VRRPでアクセプトモードを設定して,マスタ状態になっている場合は1経路が加算されます。
- ここに示した以外に1経路を装置固定情報として使用します。
VRFを使用する場合は,VRFごとに1経路を装置固定情報として使用します。
(a) switch-1およびswitch-1e
ハードウェアプロファイルswitch-1およびswitch-1eの経路系テーブルエントリ数を次の表に示します。
表3-12 switch-1およびswitch-1eの経路系テーブルエントリ数(1/2)
パターン名 IPv4ユニキャスト経路 IPv4マルチキャスト経路※ IPv6ユニキャスト経路 IPv6マルチキャスト経路※ default 49152 4000 32768 4000 vlan 16384 0 8192 0 custom 16384〜212992 0〜8000 0〜98304 0または4000 表3-13 switch-1およびswitch-1eの経路系テーブルエントリ数(2/2)
パターン名 MACアドレステーブル ARP NDP ARPとNDPの合計 default 32768 32000 32000 32000 vlan 98304 16000 8000 16000 custom 8192〜106496 8000〜64000 0〜64000 8000〜64000
- 注※
- 経路系テーブルエントリの配分パターンにcustomを指定したときのマルチキャスト経路のエントリ数を次の表に示します。
表3-14 custom指定時のマルチキャスト経路エントリ数
マルチキャストの適用 IPv4マルチキャスト経路数 IPv6マルチキャスト経路数 マルチキャストなし 0 0 IPv4だけ 8000 0 IPv6だけ 0 4000 IPv4とIPv6を併用 4000 4000 ハードウェアプロファイルswitch-1およびswitch-1eのフロー系テーブルエントリ数を次の表に示します。フロー検出モードについては,「コンフィグレーションガイド Vol.2 10.1.3 フロー検出モード」または「コンフィグレーションガイド Vol.2 13.1.3 フロー検出モード」を参照してください。
表3-15 switch-1およびswitch-1eのフロー系テーブルエントリ数(PSU当たり)
フロー検出モード パターン名 フィルタ QoSフロー ポリシーベースミラーリング 受信側
ポリサー送信側
ポリサーエントリ数重視モード default 16000 16000 − 8000 8000 filter 24000 8000 − filter-only 32000 − − qos 8000 24000 − qos-only − 32000 − mirror 16000 15000 1000 検出条件数重視モード default 8000 8000 − filter 12000 4000 − filter-only 16000 − − qos 4000 12000 − qos-only − 16000 − mirror 8000 7500 500 (凡例)−:該当なし
(b) switch-2
ハードウェアプロファイルswitch-2の経路系テーブルエントリ数を次の表に示します。
表3-16 switch-2の経路系テーブルエントリ数(1/2)
パターン名 IPv4ユニキャスト経路 IPv4マルチキャスト経路 IPv6ユニキャスト経路 IPv6マルチキャスト経路 default 1015808 8000 114688 8000 vlan 32768 0 16384 0 access 327680 8000 196608 8000 custom 32768〜1409024 0または8000 0〜688128 0または8000 表3-17 switch-2の経路系テーブルエントリ数(2/2)
パターン名 MACアドレステーブル ARP NDP ARPとNDPの合計 default 65536 32000 32000 32000 vlan 524288 32000 16000 32000 access 262144 120000 120000 240000 custom 16384〜524288 32000〜120000 0〜120000 32000〜240000 ハードウェアプロファイルswitch-2のフロー系テーブルエントリ数を次の表に示します。フロー検出モードについては,「コンフィグレーションガイド Vol.2 10.1.3 フロー検出モード」または「コンフィグレーションガイド Vol.2 13.1.3 フロー検出モード」を参照してください。
表3-18 switch-2のフロー系テーブルエントリ数(PSU当たり)
フロー検出モード パターン名 フィルタ QoSフロー ポリシーベースミラーリング 受信側
ポリサー送信側
ポリサーエントリ数重視モード default 32000 32000 − 16000 16000 filter 48000 16000 − filter-only 64000 − − qos 16000 48000 − qos-only − 64000 − mirror 32000 30000 2000 検出条件数重視モード default 16000 16000 − filter 24000 8000 − filter-only 32000 − − qos 8000 24000 − qos-only − 32000 − mirror 16000 15000 1000 (凡例)−:該当なし
(c) switch-2-qinq
ハードウェアプロファイルswitch-2-qinqの経路系テーブルエントリ数を次の表に示します。
表3-19 switch-2-qinqの経路系テーブルエントリ数(1/2)
パターン名 IPv4ユニキャスト経路 IPv4マルチキャスト経路 IPv6ユニキャスト経路 IPv6マルチキャスト経路 default 32768 0 16384 0 表3-20 switch-2-qinqの経路系テーブルエントリ数(2/2)
パターン名 MACアドレステーブル ARP NDP ARPとNDPの合計 default 524288 32000 16000 32000 ハードウェアプロファイルswitch-2-qinqのフロー系テーブルエントリ数を次の表に示します。フロー検出モードについては,「コンフィグレーションガイド Vol.2 10.1.3 フロー検出モード」または「コンフィグレーションガイド Vol.2 13.1.3 フロー検出モード」を参照してください。
表3-21 switch-2-qinqのフロー系テーブルエントリ数(PSU当たり)
フロー検出モード パターン名 フィルタ QoSフロー ポリシーベースミラーリング 受信側
ポリサー送信側
ポリサーエントリ数重視モード default 32000 32000 − 16000 16000 filter 48000 16000 − filter-only 64000 − − qos 16000 48000 − qos-only − 64000 − mirror 32000 30000 2000 検出条件数重視モード default 16000 16000 − filter 24000 8000 − filter-only 32000 − − qos 8000 24000 − qos-only − 32000 − mirror 16000 15000 1000 (凡例)−:該当なし
(d) switch-2-flow
ハードウェアプロファイルswitch-2-flowの経路系テーブルエントリ数を次の表に示します。
表3-22 switch-2-flowの経路系テーブルエントリ数(1/2)
パターン名 IPv4ユニキャスト経路 IPv4マルチキャスト経路 IPv6ユニキャスト経路 IPv6マルチキャスト経路 default 1015808 8000 114688 8000 vlan 32768 0 16384 0 access 327680 8000 196608 8000 custom 32768〜1409024 0または8000 0〜688128 0または8000 表3-23 switch-2-flowの経路系テーブルエントリ数(2/2)
パターン名 MACアドレステーブル ARP NDP ARPとNDPの合計 default 65536 32000 32000 32000 vlan 524288 32000 16000 32000 access 262144 120000 120000 240000 custom 16384〜524288 32000〜120000 0〜120000 32000〜240000 ハードウェアプロファイルswitch-2-flowのフロー系テーブルエントリ数を次の表に示します。フロー検出モードについては,「コンフィグレーションガイド Vol.2 10.1.3 フロー検出モード」または「コンフィグレーションガイド Vol.2 13.1.3 フロー検出モード」を参照してください。
表3-24 switch-2-flowのフロー系テーブルエントリ数(PSU当たり)
フロー検出モード パターン名 フィルタ QoSフロー ポリシーベースミラーリング 受信側
ポリサー送信側
ポリサーエントリ数重視モード default 128000 128000 − 16000 16000 filter 192000 64000 − filter-only 256000 − − qos 64000 192000 − qos-only − 256000 − mirror 128000 120000 8000 検出条件数重視モード default 64000 64000 − filter 96000 32000 − filter-only 128000 − − qos 32000 96000 − qos-only − 128000 − mirror 64000 60000 4000 (凡例)−:該当なし
(e) switch-3およびswitch-3e
ハードウェアプロファイルswitch-3およびswitch-3eの経路系テーブルエントリ数を次の表に示します。
表3-25 switch-3およびswitch-3eの経路系テーブルエントリ数(1/2)
パターン名 IPv4ユニキャスト経路 IPv4マルチキャスト経路 IPv6ユニキャスト経路 IPv6マルチキャスト経路 default 229376 8000 131072 8000 vlan 32768 0 16384 0 custom 32768〜950272 0または8000 0〜458752 0または8000 表3-26 switch-3およびswitch-3eの経路系テーブルエントリ数(2/2)
パターン名 MACアドレステーブル ARP NDP ARPとNDPの合計 default 180224 120000 120000 120000 vlan 458752 32000 16000 32000 custom 16384〜475136 32000〜120000 0〜120000 32000〜240000 ハードウェアプロファイルswitch-3およびswitch-3eのフロー系テーブルエントリ数を次の表に示します。フロー検出モードについては,「コンフィグレーションガイド Vol.2 10.1.3 フロー検出モード」または「コンフィグレーションガイド Vol.2 13.1.3 フロー検出モード」を参照してください。
表3-27 switch-3およびswitch-3eのフロー系テーブルエントリ数(PSU当たり)
フロー検出モード パターン名 フィルタ QoSフロー ポリシーベースミラーリング 受信側
ポリサー送信側
ポリサーエントリ数重視モード default 32000 32000 − 16000 16000 filter 48000 16000 − filter-only 64000 − − qos 16000 48000 − qos-only − 64000 − mirror 32000 30000 2000 検出条件数重視モード default 16000 16000 − filter 24000 8000 − filter-only 32000 − − qos 8000 24000 − qos-only − 32000 − mirror 16000 15000 1000 (凡例)−:該当なし
(f) switch-3-qinqおよびswitch-3e-qinq
ハードウェアプロファイルswitch-3-qinqおよびswitch-3e-qinqの経路系テーブルエントリ数を次の表に示します。
表3-28 switch-3-qinqおよびswitch-3e-qinqの経路系テーブルエントリ数(1/2)
パターン名 IPv4ユニキャスト経路 IPv4マルチキャスト経路 IPv6ユニキャスト経路 IPv6マルチキャスト経路 default 32768 0 16384 0 表3-29 switch-3-qinqおよびswitch-3e-qinqの経路系テーブルエントリ数(2/2)
パターン名 MACアドレステーブル ARP NDP ARPとNDPの合計 default 458752 32000 16000 32000 ハードウェアプロファイルswitch-3-qinqおよびswitch-3e-qinqのフロー系テーブルエントリ数を次の表に示します。フロー検出モードについては,「コンフィグレーションガイド Vol.2 10.1.3 フロー検出モード」または「コンフィグレーションガイド Vol.2 13.1.3 フロー検出モード」を参照してください。
表3-30 switch-3-qinqおよびswitch-3e-qinqのフロー系テーブルエントリ数(PSU当たり)
フロー検出モード パターン名 フィルタ QoSフロー ポリシーベースミラーリング 受信側
ポリサー送信側
ポリサーエントリ数重視モード default 32000 32000 − 16000 16000 filter 48000 16000 − filter-only 64000 − − qos 16000 48000 − qos-only − 64000 − mirror 32000 30000 2000 検出条件数重視モード default 16000 16000 − filter 24000 8000 − filter-only 32000 − − qos 8000 24000 − qos-only − 32000 − mirror 16000 15000 1000 (凡例)−:該当なし
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