3.2.5 レイヤ2スイッチング
- 〈この項の構成〉
(1) MACアドレステーブル
レイヤ2スイッチ機能では,複数の機能でMACアドレステーブルを使用します。例えば,MACアドレス学習機能では,接続された端末のMACアドレスをダイナミックに学習してMACアドレステーブルへ登録します。MACアドレステーブルの最大エントリ数については,「3.2.1 テーブルエントリ数」を参照してください。
MACアドレステーブルを使用する機能と,その機能によるMACアドレステーブルの使用量を次の表に示します。
機能名 |
使用量 |
---|---|
MACアドレス学習機能 ARP/NDP学習機能 |
学習したアドレスごとに1エントリ※ |
IGMP/MLD snooping |
|
- 注※
-
MACアドレスと,対応するARPまたはNDPを学習した場合は,合わせて1エントリとなります。
MACアドレステーブルのエントリ数が最大エントリ数に達すると新たなエントリを登録できなくなるため,収容条件内で運用してください。なお,運用中は運用コマンドshow pru resoucesでMACアドレステーブルの使用状況を確認できます。
(2) MACアドレス学習
MACアドレス学習数の収容条件は,「3.2.1 テーブルエントリ数」で示したMACアドレステーブルの最大エントリ数となります。
(3) VLAN
コンフィグレーションで設定できるVLAN数,Tag変換情報エントリ数,およびアグリゲートVLANのVLANグループ数を次の表に示します。
項目 |
収容条件 |
---|---|
VLAN数(装置当たり) |
4095 |
VLAN数(ポート当たり) |
4095 |
VLANポート数※1 |
200000 |
Tag変換情報エントリ数(装置当たり)※2 |
65536 |
アグリゲートVLANのVLANグループ数(装置当たり) |
2048 |
アグリゲートVLANのVLANグループに加入できるVLAN数 |
4095 |
アグリゲートVLANのVLANグループに加入できるVLANポート数(VLANグループ当たり)※3 |
8000 |
- 注※1
-
VLANポート数が収容条件を超えた場合,システムメッセージを出力します。収容条件を超えて設定したVLANポートは使用できません。
ポートチャネルインタフェースに設定する場合,チャネルグループ一つをVLANポート数一つとして計算します。
また,IPインタフェースとして使用するサブインタフェースの数,およびサブインタフェースが設定されていないイーサネットインタフェースとポートチャネルインタフェースの数もVLANポート数として計算します。
- 注※2
-
Tag変換情報エントリをポートチャネルインタフェースに設定する場合,Tag変換情報エントリ数は該当するチャネルグループのポート数で計算します。
- 注※3
-
VLANポート数の数え方は注※1に記載のとおりです。
アグリゲートVLANを使用する場合,VLANポートを収容するネットワークインタフェース機構(NIF)の種類によって,フラッディングでフレームを送信できるVLANポート数が異なります。NIF種別ごとにフラッディングでフレームを送信できるVLANポート数を次の表に示します。
NIF略称 |
フラッディングでフレームを送信できるVLANポート数(推奨値)※1 |
---|---|
NL1G-12T |
ポート当たり64VLANポート |
NL1G-12S |
ポート当たり64VLANポート |
NL1GA-12S |
NIF当たり512VLANポート※2 |
NLXG-6RS |
ポート当たり512VLANポート |
NLXGA-12RS |
NIF当たり512VLANポート※2 |
NLXLG-4Q |
ポート当たり1024VLANポート |
NLCG-1Q |
ポート当たり1024VLANポート |
NMCG-1C |
ポート当たり2048VLANポート |
- 注※1
-
推奨値は,アグリゲートVLANのVLANグループ内へフレームをフラッディングする際に,装置内のキューによる廃棄を発生させないで,全フレームを送信できるVLANポート数の目安です。フレーム長やバースト数が大きくなるとフレームを一部廃棄することがあるため,VLANポート数を少なくする必要があります。
- 注※2
-
PRU-FE NIF送信キューのキュー長変更機能によってキュー長を拡張することで,フラッディングでフレームを送信できるVLANポート数を拡張できます。VLANポート数とキュー長は,運用に応じて適切に設定してください。
(4) スパニングツリー
スパニングツリーの収容条件を種類ごとに次の表に示します。
なお,スパニングツリーのVLANポート数は,スパニングツリーが動作するVLANに所属するポート数の延べ数です。チャネルグループの場合,チャネルグループ当たりの物理ポート数を数えます。ただし,次のポートは,VLANポート数に含めません。
-
BPDUガード機能を設定しているが,BPDUフィルタ機能を設定していないポート
-
PortFast機能とBPDUフィルタ機能を設定しているアクセスポート
-
シャットダウン状態のVLANのVLANポート
-
VLANトンネリングを設定しているポート
項目 |
収容条件 |
---|---|
対象VLAN数 |
250 |
VLANポート数 |
1000 |
項目 |
収容条件 |
|
---|---|---|
対象VLAN数 |
4095 |
|
VLANポート数 |
シングルスパニングツリーだけ使用時 |
10000 |
PVST+併用時※ |
5000 |
- 注※
-
PVST+併用時,PVST+のVLANポート数とシングルスパニングツリーのVLANポート数との合計が最大値となります。
項目 |
収容条件 |
---|---|
MSTインスタンス数 |
16 |
MSTインスタンスごとの対象VLAN数※ |
200 |
VLANポート数 |
10000 |
- 注※
-
MSTインスタンス0は除きます。MSTインスタンス0の対象VLAN数は4095となります。なお,運用中は運用コマンドshow spanning-tree port-countで対象VLAN数とVLANポート数を確認できます。
(5) Ring Protocol
Ring Protocolの収容条件を次の表に示します。
項目 |
リング当たり |
装置当たり |
---|---|---|
リング数 |
− |
192 |
VLANマッピング数 |
− |
384 |
VLANグループ数 |
2 |
384 |
VLANグループのVLAN数 |
4094※1 |
4094※1 |
リングポート数※2 |
2 |
384 |
(凡例)−:該当なし
- 注※1
-
制御VLAN用にVLANを一つ消費するため,VLANグループに使用できるVLAN最大数は4094となります。
- 注※2
-
チャネルグループの場合は,チャネルグループ単位で1ポートと数えます。
(6) IGMP/MLD snooping
IGMP snoopingの収容条件を次の表に示します。IGMP snoopingで学習したマルチキャストMACアドレスは,MACアドレステーブルに登録します。登録できるマルチキャストMACアドレス数を次の表に示します。
マルチキャストとの 併用※1 |
最大数 |
||
---|---|---|---|
設定VLAN数※2 |
登録エントリ数 |
マルチキャスト 受信者数 |
|
併用する |
256 |
4000 |
256/VLAN 32768/装置 |
併用しない |
256 |
8000 |
256/VLAN 32768/装置 |
- 注※1
-
IPv4マルチキャストまたはIPv6マルチキャストとの併用になります。
- 注※2
-
IGMP snoopingが動作するポート数(IGMP snoopingを設定しているVLANに収容されるポートの総和)は装置全体で最大4096です。例えば,それぞれ10ポート収容している128個のVLANでIGMP snoopingを動作させる場合,IGMP snooping動作ポート数は1280となります。
MLD snoopingの収容条件を次の表に示します。MLD snoopingで学習したマルチキャストMACアドレスは,MACアドレステーブルに登録します。登録できるマルチキャストMACアドレス数を次の表に示します。
マルチキャストとの 併用※1 |
最大数 |
||
---|---|---|---|
設定VLAN数※2 |
登録エントリ数 |
マルチキャスト 受信者数 |
|
併用する |
256 |
4000 |
256/VLAN 32768/装置 |
併用しない |
256 |
8000 |
256/VLAN 32768/装置 |
- 注※1
-
IPv4マルチキャストまたはIPv6マルチキャストとの併用になります。
- 注※2
-
MLD snoopingが動作するポート数(MLD snoopingを設定しているVLANに収容されるポートの総和)は装置全体で最大4096です。例えば,それぞれ10ポート収容している128個のVLANでMLD snoopingを動作させる場合,MLD snooping動作ポート数は1280となります。