コンフィグレーションガイド Vol.3


24.3.2 IPv4マルチキャストパケット中継処理

マルチキャストパケットの中継にはハードウェアの中継処理およびソフトウェアの中継処理があります。

〈この項の構成〉

(1) ハードウェアによるマルチキャストパケット中継処理

ハードウェアによるマルチキャストパケットの中継処理には次の機能があります。

(2) ソフトウェアによるマルチキャストパケット中継処理

ソフトウェアによるマルチキャストパケット中継処理は次に示す場合ごとに処理が異なります。

(3) マルチキャスト経路情報またはマルチキャスト中継エントリの検索

受信したマルチキャストパケットのDA(宛先グループアドレス)とSA(送信元アドレス)に該当するエントリをマルチキャスト経路情報またはマルチキャスト中継エントリから検索します。マルチキャスト経路情報またはマルチキャスト中継エントリの検索方法を次の図に示します。

図24‒6 マルチキャスト経路情報またはマルチキャスト中継エントリの検索方法

[図データ]

(4) ネガティブキャッシュエントリ

ネガティブキャッシュエントリは,中継できないマルチキャストパケットをハードウェアによって廃棄する機能です。

ネガティブキャッシュエントリは中継先インタフェースの存在しないマルチキャスト中継エントリです。ネガティブキャッシュエントリは,中継できないマルチキャストパケットを受信するとハードウェアに登録します。その後,登録したマルチキャストパケットと同じアドレスのマルチキャストパケットを受信すると,そのマルチキャストパケットをハードウェアによって廃棄します。これによって,大量の中継できないマルチキャストパケットを受信しても,それを原因とする負荷上昇を抑えられます。

(5) VRF機能

複数のVRFでマルチキャストを動作させた場合,マルチキャスト中継エントリはVRFごとに独立して設定できます。異なるVRFでは,同じIPv4アドレスのマルチキャスト中継エントリを作成できます。また,マルチキャストエクストラネットによって,異なるVRF間でマルチキャスト通信ができます。