コンフィグレーションガイド Vol.3


19.1.3 経路選択アルゴリズム

OSPFv3では,経路選択のアルゴリズムとして,SPF(Shortest Path First)アルゴリズムを使用します。各ルータには,OSPFv3が動作しているすべてのルータと,ルータ−ルータ間およびルータ−ネットワーク間のすべての接続から成るデータベースがあります。このデータベースから,ルータおよびネットワークを頂点として,ルータ−ルータ間およびルータ−ネットワーク間の接続を辺とするトポロジを構成します。このトポロジにSPFアルゴリズムを適用して最短経路木を生成して,これを基に各頂点への経路を決定します。

ネットワーク構成の例を次の図に示します。

図19‒1 ネットワーク構成例

[図データ]

この図のネットワーク上でOSPFv3を使用した場合のトポロジとコストの設定例を次の図に示します。

図19‒2 トポロジとコストの設定例

[図データ]

コスト値は,パケット送信方向によって異なってもかまいません。「図19‒2 トポロジとコストの設定例」のルータ2−ルータ4間のポイント−ポイント型接続では,ルータ2からルータ4へはコスト9,ルータ4からルータ2へはコスト8となっています。ルータ−ネットワーク間の接続では,ルータからネットワークへの接続だけ,コストを設定できます。ネットワークからルータへのコストは常に0です。

図19‒2 トポロジとコストの設定例」のトポロジを基に,ルータ1を根として生成した最短経路木を次の図に示します。ある宛先へのコストは,経路が経由する各インタフェースの送信コストの合計となります。例えば,ルータ1からネットワーク2宛ての経路のコストは,6(ルータ1−ネットワーク1)+0(ネットワーク1−ルータ3)+2(ルータ3−ネットワーク2)=8となります。

図19‒3 ルータ1を根とする最短木

[図データ]