コンフィグレーションガイド Vol.3


18.9.1 概要

隣接ルータとの接続が完了していなかったり,安定していなかったりすると,ネットワーク全体のルーティングが不安定になることがあります。ルータの起動および再起動時やネットワークにルータを追加するときに,このような状況が起こることがあります。OSPFではこのような状況下,周辺の装置でルーティングにできるだけ使用されないように,経路情報を通知できます。OSPFでは,このような通知をしているルータをスタブルータと呼びます。この機能によって,装置の状態が不安定であっても,ネットワークのルーティングが不安定になることを防げます。

〈この項の構成〉

(1) スタブルータ動作時のOSPFインタフェースのコスト値

スタブルータは,接続するOSPFインタフェースのコスト値を最大値(65535)にして広告します。このため,スタブルータを経由するOSPF経路は優先されなくなります。ただし,隣接ルータの存在しないインタフェース(スタブネットワーク)の経路については,コンフィグレーションコマンドで指定したコスト値を広告します。スタブネットワークやAS外経路は,スタブルータが広告している経路が優先されることがあります。

周辺装置ではメトリックを比較して,スタブルータを経由しない代替経路を優先します。また,スタブルータ自身のループバックインタフェースに設定したアドレスを使用して,telnetおよびSNMPによる管理やBGP4による経路交換ができます。