コンフィグレーションガイド Vol.3


12.2.9 トラッキング連携による優先度変更の設定

次の図に示す構成例を基に,トラッキング連携のコンフィグレーションを説明します。

図12‒8 トラッキング連携の構成例

[図データ]

この構成例では,本装置と対向装置を冗長構成にして,192.0.2.0/24のネットワークではVRRPを構成します。また,広域網へつながるルータを静的監視トラッキング機能で監視します。ポーリングが届かない間は仮想ルータの優先度を減らして,ルータへのポーリングが届く装置がマスタとなりやすいように構成します。

トラッキング機能とトラックの設定については「コンフィグレーションガイド Vol.2」 「22 トラッキング機能」を参照してください。

[設定のポイント]

ここでは,先にトラックを設定して動作させたあと,トラッキング連携を設定する例を示します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# track-target name TRACK101

    (config-track-target)# target ip 198.51.100.1 source 198.51.100.11

    (config-track-target)# exit

    隣接するルータのアドレス198.51.100.1へのICMP監視トラック(TRACK101)を設定します。

  2. (config)# interface gigabitethernet 1/1

    (config-if)# vrrp 2 ip 192.0.2.10

    (config-if)# vrrp 2 priority 150

    イーサネットインタフェース1/1にVRRPを設定します。仮想ルータIDを2,仮想ルータのIPアドレスを192.0.2.10,仮想ルータの優先度を150とします。

  3. (config-if)# vrrp 2 track-target TRACK101 decrement 100

    (config-if)# exit

    仮想ルータID 2の仮想ルータを,トラック(TRACK101)と連携させます。優先度減算方式を指定し,トラック(TRACK101)がDownになると,仮想ルータの優先度が100減少するように設定します。