コンフィグレーションガイド Vol.3


3.3.1 インターネットプロトコル バージョン6(IPv6)

〈この項の構成〉

(1) IPv6パケットフォーマット

本装置が送信するIPv6パケットのフォーマットおよび設定値はRFC2460に従います。IPv6パケットフォーマットを次の図に示します。

図3‒22 IPv6パケットフォーマット

[図データ]

(2) IPv6パケットヘッダ有効性チェック

IPv6では40オクテット長のヘッダに,8個のフィールドと2個のアドレスが含まれます。IPv6ヘッダ形式を次の図に示します。

図3‒23 IPv6ヘッダ形式

[図データ]

IPv6パケット受信時にIPv6パケットヘッダの有効性をチェックします。IPv6パケットヘッダのチェック内容を次の表に示します。

表3‒4 IPv6パケットヘッダのチェック内容

IPv6パケット

ヘッダフィールド

チェック内容

チェック異常時

パケット廃棄

パケット廃棄時

ICMPv6送信

バージョン

バージョン=6であること

×

トラフィッククラス

チェックしない

フローラベル

チェックしない

ペイロード長

リンクレイヤデータ長<3層データ長(Payload Length+40Byte(L3ヘッダ分))ではないこと

×

次ヘッダ

チェックしない

ホップリミット

自装置宛てアドレスの受信パケットのホップリミット:

チェックしない

中継するパケットのホップリミット:

ホップリミット−1≧0であること

送信元アドレス

次の条件をすべて満たすこと

  • マルチキャストアドレスではないこと

  • IPv4射影アドレスではないこと

  • 未指定アドレスではないこと(中継時)

  • グローバルスコープであること(中継時)

×

宛先アドレス

次の条件をすべて満たすこと

  • ループバックアドレスではないこと

  • IPv4射影アドレスではないこと

  • 未指定アドレスではないこと

×

(凡例) ○:する ×:しない −:該当しない

注※ ICMPv6 Time Exceededメッセージを送信します。

(3) IPv6拡張ヘッダサポート仕様

本装置がサポートするIPv6拡張ヘッダの項目を次の表に示します。

表3‒5 IPv6拡張ヘッダの項目

IPv6拡張ヘッダ

IPv6パケットの分類

本装置が発局と

なるパケット

本装置が着局と

なるパケット※1

本装置が中継する

パケット

Hop-by-Hop Options Header

※2

Routing Header※3

Fragment Header

Authentication Header

×

×

Encapsulating Security Payload Header

×

×

Destination Options Header

(凡例) ○:サポートする ×:サポートしない −:ヘッダ処理なし

注※1

本装置が受信するパケットが次の条件に該当する場合,パケットを廃棄します。

・拡張ヘッダが9個以上設定されたパケット

・一つの拡張ヘッダ内に9個以上のオプションが設定されたパケット

注※2

本装置が中継するパケットが次の条件に該当する場合,パケットを廃棄します。

・Hop-by-Hop Optionsヘッダ内に9個以上のオプションが設定されたパケット

注※3

RFC5095に従ってRouting Header Type0の付いたパケットは廃棄します。

(4) 送信元アドレス選択

送信インタフェースに設定されたIPv6アドレスの中で宛先アドレスに最も近いアドレスを,送信元アドレスとして使用します。ただし,プロトコルやコンフィグレーションによって送信元アドレスが規定されているときは,そのIPv6アドレスを使用します。