コンフィグレーションガイド Vol.2


18.1.11 シェーパユーザ設定機能

階層化シェーパのシェーパユーザ設定方法には,次に示す二つの方法があります。

NIF単位にどちらかの設定方法を選択できます。各設定方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) シェーパユーザワンタッチ設定機能

シェーパユーザワンタッチ設定機能は,シェーパモードやキュー数などをNIF単位に設定するだけで,シェーパユーザを自動で作成する機能です。この機能を使用すると,階層化シェーパを簡単に使用できます。

シェーパユーザワンタッチ設定機能で必要なパラメータと,パラメータごとの設定内容を次の表に示します。なお,本機能で設定した場合,シェーパユーザ間の重みは全通常ユーザで均等です。

表18‒21 シェーパユーザワンタッチ設定機能で必要なパラメータおよび設定内容

パラメータ

説明

設定できる内容

備考

シェーパモード

通常ユーザのユーザ間帯域制御方式を指定する

RGQ,LLPQ4,LLPQ1

必須(省略不可)

シェーパユーザ数

ポート内の通常ユーザ数を指定する

標準,

拡張【OP-SHPE】

省略時は標準

ユーザ送信キュー数

デフォルトユーザおよび全通常ユーザのユーザ送信キュー数を指定する

8,4

省略時は8

廃棄優先度数

全シェーパユーザの廃棄優先度数を指定する

2

省略時は4

廃棄閾値

廃棄優先度数2の場合の廃棄閾値を指定する

1〜3

省略時は2

スケジューリング種別

デフォルトユーザおよび全通常ユーザのスケジューリング種別を指定する

PQ,PQ+WFQ

省略時はPQ

LLRLQユーザの最大帯域

LLRLQユーザの最大帯域を指定する

8kbit/s〜10Gbit/s

省略時はポート帯域

通常ユーザの最低帯域

全通常ユーザ共通の最低帯域を指定する

8kbit/s〜10Gbit/s※1

必須(省略時は自動計算※2

通常ユーザおよびデフォルトユーザの最大帯域

デフォルトユーザおよび全通常ユーザ共通の最大帯域を指定する

8kbit/s〜10Gbit/s※1

省略時は自動計算※3

LLPQ最大帯域

全通常ユーザ共通のLLPQ最大帯域を指定する

8kbit/s〜10Gbit/s※1※4

シェーパモードがLLPQ4またはLLPQ1の場合だけ有効

省略時は自動計算※5

WFQの重み

デフォルトユーザおよび全通常ユーザ共通の各WFQの重みを指定する

1〜98

スケジューリング種別がPQ+WFQの場合だけ有効

省略時はデフォルト値※6

キュー長

デフォルトユーザおよび全通常ユーザ共通のキューごとのキュー長を指定する

0〜512000の範囲で16種類

省略時は全キュー4000

注※1

ポート帯域制御の最大帯域を超える場合は,ポート帯域制御の最大帯域と同じ値になります。

注※2

各通常ユーザの最低帯域は,回線帯域÷通常ユーザ数となります。例えば,RGQ,8キュー,標準で回線帯域を8Gbit/sに設定した場合,次の値になります。

8Gbit/s÷128シェーパユーザ=62.5Mbit/s

ただし,計算結果が1.6Mbit/s以下になる場合は,8kbit/sの倍数に切り下げます。また,LLPQ4およびLLPQ1で計算結果が512kbit/s以下になる場合は,512kbit/sになります。

注※3

通常ユーザの最大帯域は,最低帯域×10となります。デフォルトユーザの最大帯域は,回線帯域と等しくなります。例えば,RGQ,8キュー,標準で回線帯域を8Gbit/sに設定した場合,次の値になります。

(8Gbit/s÷128シェーパユーザ)×10=625Mbit/s

ただし,最低帯域が25.6kbit/s未満の場合は,8kbit/sの倍数に切り下げた最低帯域+256kbit/sとなります。

注※4

LLPQ最大帯域が最低帯域を超える場合は,送信帯域がLLPQ最大帯域まで保証されないことがあります。

注※5

通常ユーザのLLPQ最大帯域は,最低帯域÷2となります。例えば,RGQ,8キュー,標準でポート帯域を8Gbit/sに設定した場合,次の値になります。

(8Gbit/s÷128シェーパユーザ)÷2=31.25Mbit/s

注※6

8キュー(4PQ+4WFQ)時のデフォルト値は次のとおりです。

Q4:Q3:Q2:Q1=4:3:2:1

4キュー(1PQ+3WFQ)時のデフォルト値は次のとおりです。

Q3:Q2:Q1=3:2:1

(2) シェーパユーザ個別設定

シェーパユーザ個別設定では,シェーパモードやキュー数などをNIF単位に設定したあと,シェーパユーザごとに異なる帯域やキュー長を設定できます。これによって,シェーパユーザごとにきめ細かく設定できます。

シェーパユーザ個別設定で必要なパラメータとパラメータごとの設定内容を,設定単位別に次に示します。

表18‒22 シェーパユーザ個別設定で必要なパラメータおよび設定内容(NIF単位での設定)

パラメータ

説明

設定できる内容

備考

シェーパモード

通常ユーザのユーザ間帯域制御方式を指定する

RGQ,LLPQ4,LLPQ1

必須(省略不可)

シェーパユーザ数

ポート内の通常ユーザ数を指定する

標準,

拡張【OP-SHPE】

省略時は標準

ユーザ送信キュー数

デフォルトユーザおよび全通常ユーザのユーザ送信キュー数を指定する

8,4

省略時は8

廃棄優先度数

全シェーパユーザの廃棄優先度数を指定する

2

省略時は4

廃棄閾値

廃棄優先度数2の場合の廃棄閾値を指定する

1〜3

省略時は2

スケジューリング種別

デフォルトユーザおよび全通常ユーザのスケジューリング種別を指定する

PQ,PQ+WFQ

省略時はPQ

表18‒23 シェーパユーザ個別設定で必要なパラメータおよび設定内容(シェーパユーザ単位での設定)

パラメータ

説明

設定できる内容

備考

最大帯域

LLRLQユーザ,通常ユーザ,およびデフォルトユーザの最大帯域を指定する

8kbit/s〜10Gbit/s※1

最低帯域

通常ユーザ共通の最低帯域を指定する

8kbit/s〜10Gbit/s※1

LLPQ最大帯域

通常ユーザのLLPQ最大帯域を指定する

8kbit/s〜10Gbit/s※1

シェーパモードがLLPQ4またはLLPQ1の場合に有効

WFQの重み

デフォルトユーザおよび通常ユーザの各WFQの重みを指定する

1〜98

スケジューリング種別がPQ+WFQの場合だけ有効

省略時はデフォルト値※2

キュー長

LLRLQユーザ,デフォルトユーザ,および通常ユーザのキューごとのキュー長を指定する

0〜512000の範囲で16種類

省略時は全キュー4000

重み

通常ユーザの重みを指定する

1〜50

省略時は1

(凡例)−:該当なし

注※1

ポート帯域制御の最大帯域を超える場合は,ポート帯域制御の最大帯域と同じ値になります。

注※2

8キュー(4PQ+4WFQ)時のデフォルト値は次のとおりです。

Q4:Q3:Q2:Q1=4:3:2:1

4キュー(1PQ+3WFQ)時のデフォルト値は次のとおりです。

Q3:Q2:Q1=3:2:1