コンフィグレーションガイド Vol.2


12.1.6 フロー検出使用時の注意事項

〈この項の構成〉

(1) ESP拡張ヘッダのあるIPv6パケットに対するQoSフロー検出

拡張ヘッダであるESPヘッダのあるIPv6パケットをQoSフロー検出する場合は,フロー検出条件に次の条件を指定してください。

上位プロトコルおよびTCP/UDP/ICMPヘッダをフロー検出条件に指定しても,QoSフロー検出しません。

(2) オプションヘッダのあるIPv4パケットに対するQoSフロー検出

Advance条件でレイヤ2中継かつオプションヘッダのあるIPv4パケットをQoSフロー検出する場合は,フロー検出条件に次の条件を指定してください。

TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダをフロー検出条件に指定しても,QoSフロー検出しません。

(3) 拡張ヘッダのあるIPv6パケットに対するQoSフロー検出

Advance条件でレイヤ2中継かつ拡張ヘッダのあるIPv6パケットをQoSフロー検出する場合は,フロー検出条件に次の条件を指定してください。

上位プロトコルおよびTCP/UDP/ICMPヘッダをフロー検出条件に指定した場合の,QoSフロー検出可否を次に示します。

表12‒6 受信側インタフェースでのQoSフロー検出可否

パケット

フロー検出条件

レイヤ3ヘッダ

パケット受信時のレイヤ2ヘッダサイズ

上位プロトコル

TCP/UDP/ICMPヘッダ

TCP制御フラグ

拡張

ヘッダ

段数

拡張

ヘッダ

種別

拡張

ヘッダサイズ

2段以上

×

×

×

1段

28byte以上

×

×

AH

16byte

30byte以上

×

20byte

26byte以上

×

24byte

22byte以上

×

30byte以上

×

×

上記以外

16byte

30byte以上

×

24byte

22byte以上

×

30byte以上

×

×

(凡例) ○:検出できる ×:検出できない −:条件によらない

表12‒7 送信側インタフェースでのQoSフロー検出可否

パケット

フロー検出条件

レイヤ3ヘッダ

パケット受信時のレイヤ2ヘッダサイズ

上位プロトコル

TCP/UDP/ICMPヘッダ

TCP制御フラグ

拡張

ヘッダ

段数

拡張

ヘッダ

種別

拡張

ヘッダサイズ

2段以上

×

×

×

1段

25byte以上

×

×

AH

12byte

30byte以上

×

16byte

26byte以上

×

20byte

22byte以上

×

30byte以上

×

×

24byte

18byte以上

×

26byte以上

×

×

上記以外

16byte

26byte以上

×

24byte以上

18byte以上

×

26byte以上

×

×

(凡例) ○:検出できる ×:検出できない −:条件によらない

(4) 拡張ヘッダが2段以上あるIPv6パケットに対するQoSフロー検出

レイヤ2中継かつ拡張ヘッダが2段以上あるIPv6パケットをQoSフロー検出する場合は,フラグメント条件(FOおよびMF)以外の条件を指定してください。

(5) フラグメントパケットに対するQoSフロー検出

フラグメントパケットの2番目以降のパケットはTCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダがパケット内にありません。フラグメントパケットを受信した際のQoSフロー検出を次の表に示します。

表12‒8 フラグメントパケットとQoSフロー検出の関係

フロー検出条件

フロー検出条件とパケットの一致/不一致

先頭パケット

2番目以降のパケット

IPヘッダだけ

IPヘッダ一致

一致したエントリの動作

一致したエントリの動作

IPヘッダ不一致

次のエントリを検索

次のエントリを検索

IPヘッダ+TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ

IPヘッダ一致,

TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ一致

一致したエントリの動作

IPヘッダ一致,

TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ不一致

次のエントリを検索

次のエントリを検索

IPヘッダ不一致,

TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ不一致

次のエントリを検索

次のエントリを検索

(凡例)

−:TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダがパケットにないため,常にTCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ不一致として扱うので該当しない

(6) QoSフロー廃棄以外のQoSフローで検出しないフレーム

本装置では,受信側に設定したQoSフロー廃棄以外のQoSフローで,次に示すフレームをフロー検出しません。

また,送信側に設定したQoSフロー廃棄以外のQoSフローで,次に示すフレームをフロー検出しません。

(7) QoSフロー廃棄のQoSフローで検出しないフレーム

本装置では,次のどちらの条件も満たすフレームに対して,QoSフロー廃棄のQoSフローエントリによるフロー検出をしません。

受信側に設定したQoSフロー廃棄のQoSフローでは,次に示すフレームをフロー検出しません。

また,送信側に設定したQoSフロー廃棄のQoSフローでは,次に示すフレームをフロー検出しません。

(8) 自発パケットに対するQoSフロー検出

特定自発パケットを送信側でQoSフロー検出する場合は,検出できるQoSフローリスト種別や中継種別で設定してください。

対象となる特定自発IPv4パケットを次に示します。

対象となる特定自発IPv6パケットを次に示します。

これらの特定自発パケットに対するQoSフロー検出可否を次の表に示します。

表12‒9 特定自発パケットのQoSフロー検出可否

フロー検出モード

QoSフローリスト種別

検出条件の中継種別

検出可否

エントリ数重視モード

MAC QoSフローリスト

×

IPv4 QoSフローリスト

IPv6 QoSフローリスト

検出条件数重視モード

MAC QoSフローリスト

IPv4 QoSフローリスト

×

IPv6 QoSフローリスト

×

Advance QoSフローリスト

指定なし

レイヤ2中継

レイヤ3中継

×

(凡例) ○:検出できる ×:検出できない −:指定できない

(9) IPマルチキャストパケットおよびIPブロードキャストパケットに対するQoSフロー検出

IPマルチキャストパケットおよびIPブロードキャストパケットには,レイヤ2中継とレイヤ3中継が共に実施されます。IPマルチキャストパケットおよびIPブロードキャストパケットをQoSフロー検出する場合は,該当するインタフェースに対して次のどちらかを適用してください。

(10) DSCPマッピングでのQoSフロー検出

DSCPマッピングを指定したQoSフローでは,IPパケットをフロー検出します。

(11) QoSフローエントリ変更時の動作

本装置では,インタフェースに適用済みのQoSフローエントリを変更すると,変更が反映されるまでの間,検出の対象となるフレームをほかのQoSフローエントリで検出することがあります。

また,変更後のQoSフローエントリが複数のエントリを使用するフロー検出条件の場合,すべてのQoSフローエントリを装置に反映してから統計情報の採取を開始します。