コンフィグレーションガイド Vol.2


6.5.8 Ring Protocolの禁止構成

Ring Protocolを使用したネットワークでの禁止構成を次の図に示します。

〈この項の構成〉

(1) 同一リング内に複数のマスタノードを設定

同一のリング内に2台以上のマスタノードを設定しないでください。同一リング内に複数のマスタノードがあると,セカンダリポートがブロッキング状態になっているためにネットワークが分断されてしまい,適切な通信ができなくなります。

図6‒24 同一リング内に複数のマスタノードを設定

[図データ]

(2) 共有リンク監視リングが複数ある構成

共有リンクありのマルチリング構成では,共有リンク監視リングはネットワーク内で必ず一つとなるように構成してください。共有リンク監視リングが複数あると,共有リンク非監視リングでの障害監視が分断されるため,正しい障害監視ができなくなります。

図6‒25 共有リンク監視リングが複数ある構成

[図データ]

(3) ループになるマルチリング構成例

次に示す図のようなマルチリング構成を組むとトランジットノード間でループ構成となります。

図6‒26 ループになるマルチリング構成

[図データ]

(4) マスタノードのプライマリポートが決定できない構成

次の図のように,二つの共有リンク非監視リングの最終端に位置するノードにマスタノードを設定しないでください。このような構成の場合,マスタノードの両リングポートが共有リンクとなるため,プライマリポートを正しく決定できません。

図6‒27 マスタノードのプライマリポートが決定できない構成

[図データ]

(5) マスタノードの両リングポートが共有リンクとなる構成

次の図のように,共有リンク上に共有リンク監視リングのマスタノードが存在するマルチリングを構成しないでください。このような構成では,共有リンク非監視リングで障害が発生した場合,共有リンク非監視リングでは経路が切り替わりますが,隣接する共有リンク監視リングでは経路が切り替わりません。この結果,共有リンク監視リングを構成する装置では古いMACアドレス学習の情報が残るため,すぐに新しい通信経路に切り替わらないおそれがあります。また,共有リンク非監視リングのリング障害が復旧した場合も同様になります。

図6‒28 マスタノードの両リングポートが共有リンクとなる構成

[図データ]