19.1.2 OSPFv3の機能
OSPFv3は,OSPFと似たプロトコルですが,OSPFとOSPFv3はそれぞれ独立して動作します。
- 〈この項の構成〉
 
(1) OSPFとの機能差分
OSPFv3(IPv6)とOSPF(IPv4)との機能差分を次の表に示します。
| 
                         機能  | 
                     
                         OSPFv3(IPv6)  | 
                     
                         OSPF(IPv4)  | 
                  
|---|---|---|
| 
                         AS外経路のフォワーディングアドレス  | 
                     
                         ×  | 
                     
                         ○  | 
                  
| 
                         NSSA  | 
                     
                         ×  | 
                     
                         ○  | 
                  
| 
                         認証  | 
                     
                         ×  | 
                     
                         ○  | 
                  
| 
                         非ブロードキャスト(NBMA)ネットワーク  | 
                     
                         ×  | 
                     
                         ○  | 
                  
| 
                         イコールコストマルチパス  | 
                     
                         ○※  | 
                     
                         ○  | 
                  
| 
                         仮想リンク  | 
                     
                         ○  | 
                     
                         ○  | 
                  
| 
                         マルチバックボーン  | 
                     
                         ○  | 
                     
                         ○  | 
                  
| 
                         ユニキャストルーティング高可用機能  | 
                     
                         ○  | 
                     
                         ○  | 
                  
| 
                         スタブルータ  | 
                     
                         ○  | 
                     
                         ○  | 
                  
(凡例) ○:取り扱う ×:取り扱わない
- 注※
 - 
                     
経路選択方法は,OSPF(IPv4)とOSPFv3(IPv6)で異なります。イコールコスト時,OSPF(IPv4)では最小のネクストホップアドレスを選択しますが,OSPFv3(IPv6)ではルータIDが最小であるネクストホップアドレスを選択します。同一ルータIDのネクストホップアドレスが複数ある場合,Helloパケットで最小のインタフェースIDを広告しているネクストホップアドレスを選択します。
 
(2) ドメイン
本装置では,1台のルータ上でASを複数のOSPFv3ネットワークに分割して,OSPFv3ネットワークごとに個別に経路の交換,計算,生成ができます。この機能をOSPFv3マルチバックボーンと呼びます。この独立した各OSPFv3ネットワークのことを,OSPFv3ドメインと呼びます。
OSPFv3のコンフィグレーションは,OSPFv3ドメインごとに設定します。