トラブルシューティングガイド
階層化シェーパで,次に示すトラブルが発生した場合の対処方法を説明します。
- シェーパユーザ決定が動作しない
- 優先度決定が動作しない
- シェーパモード,スケジューリング,キュー数,またはキュー長が設定されない
- 帯域制御が動作しない
- <この項の構成>
- (1) シェーパユーザ決定が動作しない場合
- (2) 優先度決定が動作しない場合
- (3) シェーパモード,スケジューリング,キュー数,またはキュー長が設定されない場合
- (4) 帯域制御が動作しない場合
(1) シェーパユーザ決定が動作しない場合
シェーパユーザ決定が動作しない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因を切り分けてください。
表6-6 シェーパユーザ決定が動作しない場合の障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 対象NIFにシェーパユーザ決定のコンフィグレーションが設定されているか確認してください。
- show running-config
該当するシェーパユーザ決定のコンフィグレーションに対象NIFが指定されていない場合は,動作しません。コンフィグレーションコマンドshaper flow-distributionで対象NIFを追加してください。 コンフィグレーションが設定されている場合は,項番2へ。 2 対象ポートでシェーパユーザ決定のコンフィグレーションと動作内容が一致しているか確認してください。
- show shaper
コンフィグレーションで,ランダム振り分けまたはVLAN IDマッピングを設定していて,Flow-distributionに"-"が表示されている場合,またはコンフィグレーションと異なる場合は,動作に反映されていません。NIFを再起動して運用に反映させてください。 コンフィグレーションと動作内容が一致している場合は,項番3へ。 3 対象NIFの更新状態を確認してください。
- show nif
NIFの更新状態にrestart requiredが表示されている場合は,NIFの再起動が必要です。NIFを再起動して運用に反映させてください。 NIFの更新状態にrestart requiredが表示されていない場合は,項番4へ。 4 振り分け先のシェーパユーザの設定について,次のどちらかで確認してください。
- show shaper <port list> llrlq
- show shaper <port list> user <user id list>
応答メッセージ"There is no operational user."が表示される場合は,シェーパユーザが設定されていません。シェーパユーザのコンフィグレーションが設定されているか確認してください。 シェーパユーザが表示される場合は,項番5へ。 5 ランダム振り分けを使用している場合,デフォルトユーザからフレームが送信されていないか確認してください。
- show shaper <port list> default
ランダム振り分けのキー情報となるフレーム情報を持たないフレームは,デフォルトユーザにキューイングされます。
キー情報として使用できるフレーム情報については,「コンフィグレーションガイド」のシェーパユーザ決定を参照してください。ランダム振り分けを使用していない場合,および対象パケットの場合は,項番6へ。 6 VLAN IDマッピングを使用している場合,デフォルトユーザからパケットが送信されていないか確認してください。
- show shaper <port list> default
振り分け範囲外のVLAN IDを持つフレームは,デフォルトユーザにキューイングされます。
使用できるVLAN IDについては,「コンフィグレーションガイド」のシェーパユーザ決定を参照してください。VLAN IDマッピングを使用していない場合,および対象VLAN IDの場合は,項番7へ。 7 フロー検出によるシェーパユーザ決定を使用している場合,デフォルトユーザからパケットが送信されていないか確認してください。
- show shaper <port list> default
設定されていないシェーパユーザを指定している場合,デフォルトユーザにキューイングされます。
使用できるシェーパユーザ番号については,「コンフィグレーションガイド」のシェーパユーザ決定を参照してください。フロー検出によるシェーパユーザ決定を使用していない場合,および対象シェーパユーザ番号の場合は,項番8へ。 8 フレームが廃棄されていないか確認してください。 確認方法と対応については,「8.1 パケット廃棄の確認」を参照してください。
(2) 優先度決定が動作しない場合
優先度決定が動作しない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因を切り分けてください。なお,優先度決定をQoSフローの優先度変更で決定している場合は,「6.2.2 マーカー,優先度変更,およびQoSフロー廃棄のトラブル」を参照してください。
表6-7 優先度決定が動作しない場合の障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 ユーザ優先度マッピングがコンフィグレーションに設定されているか確認してください。
- show running-config
ユーザ優先度マッピングが設定されていない場合は,動作しません。コンフィグレーションコマンドshaper user-priority-mapを設定してください。 コンフィグレーションが設定されている場合は,項番2へ。 2 対象NIFでユーザ優先度マッピングのコンフィグレーションと動作内容が一致しているか確認してください。
- show shaper
User-priority-mapのCurrentに"-"が表示されている場合,またはConfigurationと異なる場合は,動作に反映されていません。NIFを再起動して運用に反映させてください。 コンフィグレーションと動作内容が一致している場合は,項番3へ。 3 対象NIFの更新状態を確認してください。
- show nif
NIFの更新状態にrestart requiredが表示されている場合は,NIFの再起動が必要です。NIFを再起動して運用に反映させてください。 NIFの更新状態にrestart requiredが表示されていない場合は,項番4へ。 4 フレームが廃棄されていないか確認してください。 確認方法と対応については,「8.1 パケット廃棄の確認」を参照してください。
(3) シェーパモード,スケジューリング,キュー数,またはキュー長が設定されない場合
シェーパモード,スケジューリング,キュー数,またはキュー長が設定されない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因を切り分けてください。
表6-8 シェーパモード,スケジューリング,キュー数,またはキュー長が設定されない場合の障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 対象NIFにシェーパモードのコンフィグレーションが設定されているか確認してください。
- show running-config
該当するシェーパモードのコンフィグレーションに対象NIFが指定されていない場合は,動作しません。シェーパモードのコンフィグレーションに対象NIFを追加してください。 コンフィグレーションが設定されている場合は,項番2へ。 2 対象NIFでシェーパモードのコンフィグレーションと動作内容が一致しているか確認してください。
- show shaper
Shaper-mode,Scheduling-mode,Max-queue,およびQueue-lengthのCurrentに"-"が表示されている場合,またはConfigurationと異なる場合は,動作に反映されていません。NIFを再起動して運用に反映させてください。 コンフィグレーションと動作内容が一致している場合は,項番3へ。 3 対象NIFの更新状態を確認してください。
- show nif
NIFの更新状態にrestart requiredが表示されている場合は,NIFの再起動が必要です。NIFを再起動して運用に反映させてください。 NIFの更新状態にrestart requiredが表示されていない場合は,項番4へ。 4 振り分け先のシェーパユーザの設定について,次のどれかで確認してください。
- show shaper <port list> llrlq
- show shaper <port list> default
- show shaper <port list> user <user id list>
応答メッセージ"There is no operational user."が表示される場合は,シェーパユーザが設定されていません。シェーパユーザのコンフィグレーションが設定されているか確認してください。 シェーパユーザが表示される場合は,項番5へ。 5 フレームが廃棄されていないか確認してください。 確認方法と対応については,「8.1 パケット廃棄の確認」を参照してください。
(4) 帯域制御が動作しない場合
帯域制御が動作しない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因を切り分けてください。
表6-9 帯域制御が動作しない場合の障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 対象NIFのシェーパモードのコンフィグレーションに各帯域が設定されているか確認してください。
- show running-config
シェーパユーザワンタッチ設定機能を使用していて,該当するシェーパモードのコンフィグレーションで帯域が指定されていない場合は,LLRLQユーザ最大帯域およびデフォルトユーザ最大帯域を制限しません。コンフィグレーションコマンドshaper modeで各帯域を追加してください。 コンフィグレーションに帯域が設定されている場合は,項番2へ。 2 対象NIFで各帯域のコンフィグレーションと動作内容が一致しているか確認してください。
- show shaper
各帯域のCurrentに"-"が表示されている場合,またはConfigurationと異なる場合は,対象の帯域が動作に反映されていません。NIFを再起動して運用に反映させてください。 コンフィグレーションと動作内容が一致している場合は,項番3へ。 3 対象NIFの更新状態を確認してください。
- show nif
NIFの更新状態にrestart requiredが表示されている場合は,NIFの再起動が必要です。NIFを再起動して運用に反映させてください。 NIFの更新状態にrestart requiredが表示されていない場合は,項番4へ。 4 対象NIFでポート帯域制御が設定されているか確認してください。
- show shaper
対象ポートにポート帯域制御が設定されていない場合は,ポート帯域を制限しません。コンフィグレーションを見直してください。 ポート帯域制御が設定されている場合は,項番5へ。 5 振り分け先のシェーパユーザの設定について,次のどれかで確認してください。
- show shaper <port list> llrlq
- show shaper <port list> default
- show shaper <port list> user <user id list>
応答メッセージ"There is no operational user."が表示される場合は,シェーパユーザが設定されていません。シェーパユーザのコンフィグレーションが設定されているか確認してください。 シェーパユーザが表示される場合は,項番6へ。 6 シェーパユーザ決定を確認してください。
- show shaper
シェーパユーザ決定でランダム振り分けを使用している場合は,複数のフローが同一シェーパユーザに割り当てられることがあります。ランダム振り分けのキー情報を見直すか,シェーパユーザ数を標準モードで使用している場合は拡張モードに変更すると,複数のフローによる競合が発生しにくくなります。 適切に設定されている場合は,項番7へ。 7 フレームが廃棄されていないか確認してください。 確認方法と対応については,「8.1 パケット廃棄の確認」を参照してください。
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