コンフィグレーションガイド Vol.1
本装置ではPSや,PRUおよびNIFの搭載状態に応じて供給電力を管理します。供給電力の管理に関する用語を次に示します。
表14-6 供給電力の管理に関する用語
用語 意味 装置の供給可能電力 装置に搭載されて,正常に給電しているPSの供給電力の総和。 給電系統Aの供給可能電力 給電系統Aに搭載されて,正常に給電しているPSの供給電力の総和。 給電系統Bの供給可能電力 給電系統Bに搭載されて,正常に給電しているPSの供給電力の総和。 装置の所要電力 装置の運用に必要な電力。起動していないPRUおよびNIFの必要電力は含まれません。 装置の余剰電力 電源ユニット冗長および給電系統冗長が不要なときに,本装置で余分に使用できる電力(「装置の供給可能電力」から「装置の所要電力」を除いた電力)。
マイナスになる場合は,「装置の供給可能電力」が不足しています。電源ユニット冗長時の装置の余剰電力 電源ユニット冗長を確保した上で,本装置で余分に使用できる電力(「装置の余剰電力」からPS1個分の供給電力を除いた電力)。
マイナスになる場合は,電源ユニット冗長ができていません。給電系統Aの余剰電力 給電系統Aで余分に使用できる電力(「給電系統Aの供給可能電力」から「装置の所要電力」を除いた電力)。
マイナスになる場合は,給電系統Aで給電系統冗長ができていません。給電系統Bの余剰電力 給電系統Bで余分に使用できる電力(「給電系統Bの供給可能電力」から「装置の所要電力」を除いた電力)。
マイナスになる場合は,給電系統Bで給電系統冗長ができていません。図14-8 供給電力の管理(PSを6個搭載した例)
本装置では次のように動作して供給電力を管理します。
- <この項の構成>
- (1) 装置起動時
- (2) PRU/NIFのボード増設時
- (3) PS障害発生時
- (4) PS障害回復時
(1) 装置起動時
PRUまたはNIFを起動させると装置の余剰電力が不足する場合は,システムメッセージを出力およびSNMP通知を送信してPRUまたはNIFの起動を抑止します。このとき,PRUのスロット単位で抑止します。起動抑止されたボードは電力不足による運用停止状態となります。
(2) PRU/NIFのボード増設時
PRUまたはNIFを起動させると装置の余剰電力が不足する場合は,システムメッセージを出力およびSNMP通知を送信して該当するボードの起動を抑止します。起動抑止されたボードは電力不足による運用停止状態となります。
(3) PS障害発生時
PSに障害が発生した場合は,PSごとにPS障害のシステムメッセージを出力およびSNMP通知を送信します。
PSの障害発生によって装置の余剰電力がマイナスになった場合は,システムメッセージを出力およびSNMP通知を送信して運用を継続します。ただし,PSの数が運用に必要な個数を下回ったときは運用を継続できないおそれがあります。
電源ユニット冗長時の装置の余剰電力がマイナスになってPS冗長でなくなった場合は,システムメッセージを出力およびSNMP通知を送信します。また,給電系統冗長を構成している状態で,給電系統Aの余剰電力または給電系統Bの余剰電力がマイナスとなってPS冗長でなくなった場合にも,システムメッセージを出力およびSNMP通知を送信します。
(4) PS障害回復時
PSが障害から回復した場合は,PSごとにPS障害回復のシステムメッセージを出力およびSNMP通知を送信します。
PSの障害回復によって装置の余剰電力が0以上になって供給電力不足が解消されても,電力不足による運用停止状態となっているPRUおよびNIFは自動で起動しません。
電源ユニット冗長時の装置の余剰電力が0以上になってPS冗長になった場合は,システムメッセージを出力およびSNMP通知を送信します。また,給電系統冗長を構成している状態で,給電系統Aの余剰電力または給電系統Bの余剰電力が0以上になってPS冗長になった場合にも,システムメッセージを出力およびSNMP通知を送信します。
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