18.9.2 スタブルータの動作
コンフィグレーションコマンドmax-metric router-lsaでは,ドメインごとにスタブルータ機能を動作させるかどうかを指定します。さらに,動作条件として,スタブルータとして常時動作させるか,または起動後に動作させるかを選択できます。
- 〈この項の構成〉
(1) 常時動作する場合
常時,コストを最大値にします。スタブルータのコンフィグレーションを削除するまで,動作し続けます。
(2) 起動後にスタブルータとして動作する場合
次に示す契機でコストを最大値にします。コンフィグレーションで指定した期限が経過するまで,継続します。
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装置起動
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系切替による運用系BCUの交替後
ただし,次の場合を除きます。
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ノンストップルーティング使用時の系切替で,隣接状態を正しく引き継いで隣接装置と再接続しない場合
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グレースフル・リスタート使用時の系切替で,グレースフル・リスタートに成功した場合
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ユニキャストルーティングプログラムの再起動後
ただし,次の場合を除きます。
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グレースフル・リスタート使用時の系切替で,グレースフル・リスタートに成功した場合
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動作中に運用コマンドclear ip ospf stub-routerを実行するか,コンフィグレーションを削除することで停止できます。スタブルータの動作を次の図に示します。
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(3) 注意事項
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グレースフル・リスタートのヘルパールータとして動作しているとき,スタブルータのコンフィグレーションを変更しないでください。設定を変更すると,スタブルータが動作を開始したり終了したりして,ヘルパー動作に失敗することがあります。
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スタブルータとして常時動作する設定になっているとき,起動後に動作するように変更すると,すぐにスタブルータを終了します。
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スタブルータを通過する仮想リンクは,使用できません。
通過エリアでのコストが65535よりも大きい場合,仮想ネイバーはその仮想リンクを到達不能とみなします。
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古いOSPF規格のRFC1247の仕様では,最大メトリックの経路情報はSPF計算に使用されません。このため,新しいOSPF規格に対応していない装置では,スタブルータを経由する経路は登録されません。