16.1.4 経路情報の学習
- 〈この項の構成〉
(1) 経路情報の学習元
RIPngでは,コンフィグレーションコマンドipv6 rip enableを指定したインタフェースと接続するすべての隣接ルータから,経路情報を学習できます。
(2) 経路情報学習・切り替えのタイミング
RIPngで学習した経路情報の切り替えは,次の表に示す機能が関係します。
機能 |
内容 |
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隣接ルータからのレスポンスパケット受信 |
隣接ルータからの通知に従って,経路情報を追加,変更または削除します。 |
エージングタイムアウト |
隣接ルータから通知された経路情報の周期的な通知が一定時間ない場合に,経路情報を削除します。 |
インタフェース障害の認識 |
RIPngが動作しているインタフェースの障害を認識した際に,該当インタフェースから学習した経路情報を削除します。 |
(a) レスポンスパケットの受信
RIPngは隣接から受信したレスポンスパケットの経路情報を,自装置のルーティングテーブルに取り込みます。レスポンスパケット受信による経路情報の生成を次の図に示します。
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本装置は隣接ルータから学習したネットワークAおよびBに関する経路情報を,ルーティングテーブルに追加します。
(b) エージングタイムアウト
レスポンスパケット受信によって生成された経路情報が最良の経路である場合,自装置のルーティングテーブルに取り込みます。取り込んだ経路情報はエージングタイマによって監視されます。エージングタイマは隣接からの周期的な広告によってリセット(クリア)されます。隣接ルータの障害や自装置と隣接ルータ間の回線障害などによって,隣接から該当する経路情報の広告が180秒(エージングタイムアウト値)間発生しない場合,該当する経路情報を自装置のルーティングテーブルから削除します。エージングタイムアウトによる経路情報の削除を次の図に示します。
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ルータとHUBの間で障害が発生すると,本装置にネットワークAおよびBの経路情報が広告されません。本装置は180秒(エージングタイムアウト値)間広告のない経路情報を,ルーティングテーブルから削除します。
(c) インタフェース障害の認識
隣接ルータと接続する自装置のインタフェース障害を認識すると,該当するインタフェースから学習したすべての経路情報を削除します。インタフェース障害による経路情報の削除を次の図に示します。
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本装置は隣接ルータに接続するインタフェースの障害を認識すると,該当するインタフェースから学習したすべての経路情報をルーティングテーブルから削除します。