12.2.12 グループ構成の変更
プライマリ仮想ルータを別の仮想ルータへ変更する場合の手順を次に示します。この手順に従わない場合,両装置の仮想ルータがマスタ状態になるおそれがあります。
変更前と変更後の仮想ルータのグループ構成を次に示します。なお,本装置Aがマスタ装置,本装置Bがバックアップ装置とします。
|
仮想ルータの役割 |
仮想ルータが設定されたインタフェース |
仮想ルータID |
仮想ルータ名称 |
フォローするプライマリ仮想ルータ名称 |
---|---|---|---|---|
プライマリ仮想ルータ |
gigabitethernet 1/4 |
1 |
VRRPNAME |
− |
フォロー仮想ルータ1 |
gigabitethernet 2/4 |
1 |
− |
VRRPNAME |
フォロー仮想ルータ2 |
gigabitethernet 3/4 |
1 |
− |
VRRPNAME |
(凡例)−:該当なし
|
仮想ルータの役割 |
仮想ルータが設定されたインタフェース |
仮想ルータID |
仮想ルータ名称 |
フォローするプライマリ仮想ルータ名称 |
---|---|---|---|---|
フォロー仮想ルータ1 |
gigabitethernet 1/4 |
1 |
VRRPNAME |
NEW_VRRPNAME |
プライマリ仮想ルータ |
gigabitethernet 2/4 |
1 |
NEW_VRRPNAME |
− |
フォロー仮想ルータ2 |
gigabitethernet 3/4 |
1 |
− |
NEW_VRRPNAME |
(凡例)−:該当なし
(1) フォロー仮想ルータからプライマリ仮想ルータへ変更
- [設定のポイント]
-
フォロー仮想ルータをプライマリ仮想ルータに変更します。マスタ装置(本装置A)から設定を変更する必要があります。
バックアップ装置(本装置B)から変更した場合,バックアップ装置(本装置B)の仮想ルータはADVERTISEMENTパケットを受信しないため,マスタ状態へ遷移します。また,マスタ装置(本装置A)はマスタ状態であるプライマリ仮想ルータに従ってマスタ状態のままとなるため,両装置の仮想ルータがマスタ状態になります。
[コマンドによる設定]
-
(config)# interface gigabitethernet 2/4
gigabitethernet 2/4のコンフィグレーションモードに移行します。
-
(config-if)# no vrrp 1 follow
gigabitethernet 2/4,仮想ルータID 1のフォロー仮想ルータをプライマリ仮想ルータとして動作させます。
本装置A,本装置Bの順に変更します。
-
(config-if)# vrrp 1 name NEW_VRRPNAME
gigabitethernet 2/4,仮想ルータID 1のプライマリ仮想ルータに仮想ルータ名称NEW_VRRPNAMEを設定します。
(2) フォロー仮想ルータの設定変更
- [設定のポイント]
-
フォロー仮想ルータの従っているプライマリ仮想ルータを変更します。
フォロー仮想ルータはADVERTISEMENTパケットを送受信しないでプライマリ仮想ルータの状態に従うため,どちらの装置からでも設定を変更できます。動作していないプライマリ仮想ルータを指定した場合,フォロー仮想ルータはイニシャル状態となります。
[コマンドによる設定]
-
(config)# interface gigabitethernet 3/4
gigabitethernet 3/4のコンフィグレーションモードに移行します。
-
(config-if)# vrrp 1 follow NEW_VRRPNAME
gigabitethernet 3/4,仮想ルータID 1のフォロー仮想ルータが従うプライマリ仮想ルータをNEW_VRRPNAMEに変更します。
(3) プライマリ仮想ルータからフォロー仮想ルータへ変更
- [設定のポイント]
-
プライマリ仮想ルータをフォロー仮想ルータに変更します。バックアップ装置側から設定を変更する必要があります。
マスタ装置(本装置A)から変更した場合,バックアップ装置(本装置B)の仮想ルータはADVERTISEMENTパケットを受信しないため,マスタ状態へ遷移します。また,マスタ装置(本装置A)はマスタ状態であるプライマリ仮想ルータに従ってマスタ状態のままとなるため,両装置の仮想ルータがマスタ状態になります。
[コマンドによる設定]
-
(config)# interface gigabitethernet 1/4
gigabitethernet 1/4のコンフィグレーションモードに移行します。
-
(config-if)# vrrp 1 follow NEW_VRRPNAME
gigabitethernet 1/4,仮想ルータID 1の仮想ルータをフォロー仮想ルータとして動作させます。
本装置B,本装置Aの順に変更します。