コンフィグレーションガイド Vol.3


27.1.15 VRFでのIPv6 PIM-SSMの設定

〈この項の構成〉

(1) IPv6 PIM-SSMで使用するアドレス範囲の設定

[設定のポイント]

PIM-SMが設定された該当VRFのインタフェースでは,PIM-SSMで使用するアドレス範囲でPIM-SSMが動作します。本装置で設定できるアドレス範囲はVRFごとに一つだけです。

VRF 10でアドレス範囲をデフォルト(ff30::/12)で使用する場合の設定例を次に示します。なお,デフォルト以外のアドレス範囲を指定する場合には,ipv6 pim ssmコマンドのrangeパラメータで設定してください。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ipv6 pim vrf 10 ssm default

    VRF 10でPIM-SSMを有効にします。

(2) MLD PIM-SSM連携機能の設定

[設定のポイント]

MLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)では送信元アドレスを特定できないため,PIM-SSMと連携できません。本装置では,PIM-SSMが動作するグループアドレスと送信元アドレスを設定することでPIM-SSMと連携します。PIM-SSMが動作するグループアドレスはPIM-SSMで使用するアドレス範囲内である必要があります。なお,本機能はVRFごとに設定します。

VPN 2にVRF 10を対応させ,VPN 2で使用するグループアドレスff35::1を同一VPN内で二つの送信者(送信者1の送信元アドレスが2001:db8:20::2,送信者2の送信元アドレスが2001:db8:30::2)が使用する場合のPIM-SSM構成例を次の図に示します。

図27‒3 VRFでのPIM-SSM構成例

[図データ]

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ipv6 access-list GROUP2

    (config-ipv6-acl)# permit ipv6 any ff35::/16

    (config-ipv6-acl)# exit

    VRF 10で管理するグループアドレスのアクセスリスト(GROUP2)を作成します。

  2. (config)# ipv6 mld ssm-map vrf 10 static GROUP2 2001:db8:20::2

    (config)# ipv6 mld ssm-map vrf 10 static GROUP2 2001:db8:30::2

    VPN 2でPIM-SSMが動作するグループアドレスと,送信者1および送信者2の送信元アドレスをVRF 10に設定します。管理するグループアドレスにはアクセスリスト(GROUP2)を指定します。

  3. (config)# ipv6 mld vrf 10 ssm-map enable

    VRF 10でMLD PIM-SSM連携機能を有効にします。