コンフィグレーションガイド Vol.3


25.1.15 VRFでのIPv4 PIM-SSMの設定

〈この項の構成〉

(1) IPv4 PIM-SSMで使用するアドレス範囲の設定

[設定のポイント]

PIM-SMが設定された該当VRFのインタフェースでは,PIM-SSMで使用するアドレス範囲でPIM-SSMが動作します。本装置で設定できるアドレス範囲はVRFごとに一つだけです。

VRF 10でアドレス範囲をデフォルト(232.0.0.0/8)で使用する場合の設定例を次に示します。なお,デフォルト以外のアドレス範囲を指定する場合には,ip pim ssmコマンドのrangeパラメータで設定してください。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ip pim vrf 10 ssm default

    VRF 10でPIM-SSMを有効にします。

(2) IGMP PIM-SSM連携機能の設定

[設定のポイント]

IGMPv2/IGMPv3(EXCLUDEモード)では送信元アドレスを特定できないため,PIM-SSMと連携できません。本装置では,PIM-SSMが動作するグループアドレスと送信元アドレスを設定することでPIM-SSMと連携します。PIM-SSMが動作するグループアドレスはPIM-SSMで使用するアドレス範囲内である必要があります。なお,本機能はVRFごとに設定します。

VPN 2にVRF 10を対応させ,VPN 2で使用するグループアドレス232.10.10.1を同一VPN内で二つの送信者(送信者1の送信元アドレスが203.0.113.2,送信者2の送信元アドレスが192.0.2.2)が使用する場合のPIM-SSM構成例を次の図に示します。

図25‒4 VRFでのPIM-SSM構成例

[図データ]

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ip access-list standard MLTGROUP2

    (config-std-nacl)# permit 232.10.0.0 0.0.255.255

    (config-std-nacl)# exit

    VRF 10で管理するグループアドレスのアクセスリスト(MLTGROUP2)を作成します。

  2. (config)# ip igmp ssm-map vrf 10 static MLTGROUP2 203.0.113.2

    (config)# ip igmp ssm-map vrf 10 static MLTGROUP2 192.0.2.2

    VPN 2でPIM-SSMが動作するグループアドレスと,送信者1および送信者2の送信元アドレスをVRF 10に設定します。管理するグループアドレスにはアクセスリスト(MLTGROUP2)を指定します。

  3. (config)# ip igmp vrf 10 ssm-map enable

    VRF 10でIGMP PIM-SSM連携機能を有効にします。