コンフィグレーションガイド Vol.3


23.1.6 エクストラネット

〈この項の構成〉

(1) VRF間経路フィルタリング

VRF間で導入する経路をフィルタできます。フィルタした結果導入しないことになった経路はルーティングテーブルに導入されません。

(a) フィルタの適用方法

VRF間で導入したい経路を,import inter-vrfおよびipv6 import inter-vrfに従ってフィルタします。

フィルタした結果がpermitである場合,経路をルーティングテーブルに導入します。適用するフィルタがない場合,またはフィルタした結果がdenyである場合,経路を導入しません。

VRF間経路フィルタリングに使用するコンフィグレーションコマンドを次の表に示します。

表23‒23 VRF間経路フィルタリングのコンフィグレーションコマンド

コマンド名

フィルタ対象経路

import inter-vrf

route-mapに指定されたVRFの経路がフィルタリング対象になります。

ipv6 import inter-vrf

route-mapに指定されたVRFの経路がフィルタリング対象になります。

(b) VRF間経路フィルタリングで変更できる経路属性

他VRFまたはグローバルネットワークからインポートした経路で変更できる属性を次の表に示します。

表23‒24 VRF間経路フィルタリングで変更できる経路の属性

属性

デフォルト値

ディスタンス値

210

タグ値

ルーティングテーブルの経路の値を引き継ぎます。

AS_PATH属性

(c) VRF間経路の設定

VRF間経路フィルタを指定します。フィルタ条件に従って,他VRFまたはグローバルネットワークからインポートした経路を自VRFのルーティングテーブルに導入します。導入した経路のVRF IDは,導入先ルーティングテーブルのVRF IDと同じになります。また,導入した経路のプロトコル種別はextra-vrfになります。

VRF間経路フィルタにコンフィグレーションコマンドmatch vrfを指定した場合,導入元ルーティングテーブルのVRF IDと条件比較します。match vrfコマンドを指定しない場合,他VRFまたはグローバルネットワークすべてでフィルタ条件は同じになります。

(d) プロトコルでのVRF間経路の広告

各プロトコルで広告フィルタを指定すると,そのプロトコルが動作しているVRFのルーティングテーブルから経路を広告します。他VRFまたはグローバルネットワークからインポートした経路を指定する場合,コンフィグレーションコマンドredistributeでプロトコルにextra-vrfを指定します。