コンフィグレーションガイド Vol.3


20.5.3 リスタート機能

次の契機で,OSPFv3のリスタート機能が動作します。

〈この項の構成〉

(1) GraceLSA

本装置は,グレースフル・リスタートの開始や終了を通知するために,Type11のGraceLSAを広告します。このLSAフォーマットは,draft-ietf-ospf-ospfv3-graceful-restartに準拠しています。

(2) グレースフル・リスタートの手順

OSPFv3のグレースフル・リスタート手順を次の図および表に示します。

図20‒5 OSPFv3グレースフル・リスタート手順

[図データ]

表20‒5 OSPFv3グレースフル・リスタート手順

項番

項目

契機

処理内容

1

グレースフル・リスタートの開始

系切替によって運用系BCUが交替したとき。

グレースフル・リスタートを開始します。通常の接続手順と同様に,各インタフェースでOSPFv3情報のパケットを交換します。

ユニキャストルーティングプログラムが再起動したとき。

2

経路計算

ドメイン内の全OSPFv3インタフェースについて再接続が完了して,隣接ルータからすべてのLSAを学習したとき。

ドメインごとに経路計算をして,ルーティングテーブルを更新します。複数のドメインが存在する場合,経路計算は接続の終わったドメインから随時します。経路計算が全ドメインで終了したとき,OSPFv3の経路学習が完了します。

1インタフェースでもグレースフル・リスタートに失敗したとき。

その時点での同一ドメイン内の各インタフェースの接続状態に基づいて,経路計算をします。

3

広告開始

OSPFv3の経路学習が完了して,かつほかのルーティングプロトコルの経路学習が完了したとき。

AS外経路の広告を開始します。広告完了後,通常のOSPFv3動作に戻ります。

OSPFv3のグレースフル・リスタートに失敗したとき。

(3) グレースフル・リスタートが失敗するケース

OSPFv3のグレースフル・リスタートが失敗するケースを次に示します。

(4) 注意事項