コンフィグレーションガイド Vol.3


17.3.3 ブロードキャスト型ネットワークと指定ルータ

ブロードキャスト型ネットワークでは,トポロジ上の頂点であるネットワークとネットワークに直接接続しているルータ間の接続情報を管理するために,指定ルータ(Designated Router)とバックアップ指定ルータを選択します。指定ルータの障害時には,ネットワークの接続情報の管理ルータを速やかに移行するために,バックアップ指定ルータが指定ルータになります。

〈この項の構成〉

(1) 指定ルータおよびバックアップ指定ルータの選択

各ルータは,Helloパケットで該当するインタフェース上での指定ルータになる優先度(priority)を広告します。

インタフェース上に指定ルータもバックアップ指定ルータも存在しない場合は,最もpriorityの高いルータを指定ルータに選択します。指定ルータは存在するがバックアップ指定ルータが存在しない場合,指定ルータを除いて最もpriorityの高いルータをバックアップ指定ルータに選択します。両ルータとも存在する場合,新しくよりpriorityの高いルータが現れても,選択は変更しません。

あるルータのあるインタフェースのpriorityを0に設定すると,このルータは該当するインタフェースが接続しているエリアでは,指定ルータにもバックアップ指定ルータにも選択されません。

ブロードキャスト型ネットワーク上に複数のルータがあり,このネットワークをトラフィックの転送に使用する場合は,どれかのルータのネットワークに接続しているインタフェースのpriorityを1以上にする必要があります。