コンフィグレーションガイド Vol.3


12.2.12 グループ構成の変更

プライマリ仮想ルータを別の仮想ルータへ変更する場合の手順を次に示します。この手順に従わない場合,両装置の仮想ルータがマスタ状態になるおそれがあります。

変更前と変更後の仮想ルータのグループ構成を次に示します。なお,本装置Aがマスタ装置,本装置Bがバックアップ装置とします。

図12‒10 仮想ルータのグループ構成設定例(変更前)

[図データ]

仮想ルータの役割

仮想ルータが設定されたインタフェース

仮想ルータID

仮想ルータ名称

フォローするプライマリ仮想ルータ名称

プライマリ仮想ルータ

gigabitethernet 1/4

1

VRRPNAME

フォロー仮想ルータ1

gigabitethernet 2/4

1

VRRPNAME

フォロー仮想ルータ2

gigabitethernet 3/4

1

VRRPNAME

(凡例)−:該当なし

図12‒11 仮想ルータのグループ構成設定例(変更後)

[図データ]

仮想ルータの役割

仮想ルータが設定されたインタフェース

仮想ルータID

仮想ルータ名称

フォローするプライマリ仮想ルータ名称

フォロー仮想ルータ1

gigabitethernet 1/4

1

VRRPNAME

NEW_VRRPNAME

プライマリ仮想ルータ

gigabitethernet 2/4

1

NEW_VRRPNAME

フォロー仮想ルータ2

gigabitethernet 3/4

1

NEW_VRRPNAME

(凡例)−:該当なし

〈この項の構成〉

(1) フォロー仮想ルータからプライマリ仮想ルータへ変更

[設定のポイント]

フォロー仮想ルータをプライマリ仮想ルータに変更します。マスタ装置(本装置A)から設定を変更する必要があります。

バックアップ装置(本装置B)から変更した場合,バックアップ装置(本装置B)の仮想ルータはADVERTISEMENTパケットを受信しないため,マスタ状態へ遷移します。また,マスタ装置(本装置A)はマスタ状態であるプライマリ仮想ルータに従ってマスタ状態のままとなるため,両装置の仮想ルータがマスタ状態になります。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# interface gigabitethernet 2/4

    gigabitethernet 2/4のコンフィグレーションモードに移行します。

  2. (config-if)# no vrrp 1 follow

    gigabitethernet 2/4,仮想ルータID 1のフォロー仮想ルータをプライマリ仮想ルータとして動作させます。

    本装置A,本装置Bの順に変更します。

  3. (config-if)# vrrp 1 name NEW_VRRPNAME

    gigabitethernet 2/4,仮想ルータID 1のプライマリ仮想ルータに仮想ルータ名称NEW_VRRPNAMEを設定します。

(2) フォロー仮想ルータの設定変更

[設定のポイント]

フォロー仮想ルータの従っているプライマリ仮想ルータを変更します。

フォロー仮想ルータはADVERTISEMENTパケットを送受信しないでプライマリ仮想ルータの状態に従うため,どちらの装置からでも設定を変更できます。動作していないプライマリ仮想ルータを指定した場合,フォロー仮想ルータはイニシャル状態となります。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# interface gigabitethernet 3/4

    gigabitethernet 3/4のコンフィグレーションモードに移行します。

  2. (config-if)# vrrp 1 follow NEW_VRRPNAME

    gigabitethernet 3/4,仮想ルータID 1のフォロー仮想ルータが従うプライマリ仮想ルータをNEW_VRRPNAMEに変更します。

(3) プライマリ仮想ルータからフォロー仮想ルータへ変更

[設定のポイント]

プライマリ仮想ルータをフォロー仮想ルータに変更します。バックアップ装置側から設定を変更する必要があります。

マスタ装置(本装置A)から変更した場合,バックアップ装置(本装置B)の仮想ルータはADVERTISEMENTパケットを受信しないため,マスタ状態へ遷移します。また,マスタ装置(本装置A)はマスタ状態であるプライマリ仮想ルータに従ってマスタ状態のままとなるため,両装置の仮想ルータがマスタ状態になります。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# interface gigabitethernet 1/4

    gigabitethernet 1/4のコンフィグレーションモードに移行します。

  2. (config-if)# vrrp 1 follow NEW_VRRPNAME

    gigabitethernet 1/4,仮想ルータID 1の仮想ルータをフォロー仮想ルータとして動作させます。

    本装置B,本装置Aの順に変更します。