コンフィグレーションガイド Vol.3


1.3.1 インターネットプロトコル(IP)

〈この項の構成〉

(1) IPパケットフォーマット

本装置が送信するIPパケットのフォーマットおよび設定値はRFC791,RFC2474,RFC3168に従います。

(2) IPパケットヘッダ有効性チェック

IPパケット受信時にIPパケットヘッダの有効性をチェックします。IPパケットヘッダのチェック内容を次の表に示します。

表1‒1 IPパケットヘッダのチェック内容

IPパケット

ヘッダフィールド

チェック内容

チェック異常時

パケット廃棄

パケット廃棄時

ICMP送信

バージョン

バージョン=4であること

×

ヘッダ長

ヘッダ長≧5であること

×

TOS

チェックしない

全長

全長≧4×ヘッダ長であること

パケット長(L3ヘッダ先頭〜FCS直前までの長さ)≧全長であること

×

パケット識別子

チェックしない

フラグ

チェックしない

フラグメントオフセット

チェックしない

TTL

自装置宛てに受信したパケットのTTL:

チェックしない

中継するパケットのTTL:

TTL−1>0であること

プロトコル

チェックしない

ヘッダチェックサム

ヘッダチェックサムが正しいこと

×

送信元アドレス

次の条件をすべて満たすこと

  • クラスDアドレスではないこと

  • クラスEアドレスではないこと

  • ネットワーク番号が127(内部ループバックアドレス)ではないこと

×

宛先アドレス

次の条件をすべて満たすこと

  • クラスA,クラスB,クラスC,クラスDアドレスであること

  • ネットワーク番号が127(内部ループバックアドレス)ではないこと

  • ネットワーク番号が0ではないこと(ただし,0.0.0.0を除く)

×

(凡例) ○:する ×:しない −:該当しない

注※ ICMP Time Exceededメッセージを送信します。

(3) IPオプションサポート仕様

本装置がサポートするIPオプションを次の表に示します。

表1‒2 IPオプションサポート仕様

IPオプション

IPパケットの分類

本装置が発局の

パケット

本装置が着局の

パケット

本装置が中継する

パケット

End of Option List

No Operation

Loose Source Routing

Strict Source Routing

×

Record Route

Internet Timestamp

×

(凡例) ○:サポートする ×:サポートしない −:オプション処理なし

(4) 送信元アドレス選択

受信パケットに対する応答パケットを送信する場合は,受信パケットの宛先アドレスを送信元アドレスとして使用します。それ以外の送信パケットは,送信するインタフェースのプライマリアドレスに指定されたアドレスを送信元アドレスとして使用します。ただし,プロトコルやコンフィグレーションによって送信元アドレスが規定されているときは,そのIPv4アドレスを使用します。