コンフィグレーションガイド Vol.2


10.2.5 IPヘッダ・TCP/UDPヘッダで中継・廃棄をする設定

〈この項の構成〉

(1) IPv4アドレスをフロー検出条件とする設定

IPv4アドレスだけをフロー検出条件として,フレームの中継または廃棄を指定する例を次に示します。

[設定のポイント]

フレーム受信時に送信元IPv4アドレスによってだけフロー検出をして,フィルタエントリに一致したフレームを中継します。フィルタエントリに一致しないIPパケットはすべて廃棄します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ip access-list standard FLOOR_A_PERMIT

    ip access-list(FLOOR_A_PERMIT)を作成します。本リストを作成すると,IPv4アドレスフィルタの動作モードに移行します。

  2. (config-std-nacl)# permit 192.0.2.0 0.0.0.255

    送信元IPアドレス192.0.2.0/24 ネットワークからのフレームを中継するIPv4アドレスフィルタを設定します。

  3. (config-std-nacl)# exit

    IPv4アドレスフィルタの動作モードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。

  4. (config)# interface gigabitethernet 1/1.10

    イーサネットサブインタフェース1/1.10のコンフィグレーションモードに移行します。

  5. (config-subif)# ip access-group FLOOR_A_PERMIT in

    受信側にIPv4アドレスフィルタを適用します。

(2) IPv4パケットをフロー検出条件とする設定

IPv4 HTTPパケットをフロー検出条件として,フレームの中継または廃棄を指定する例を次に示します。

[設定のポイント]

フレーム受信時にIPヘッダおよびTCP/UDPヘッダによってフロー検出をして,フィルタエントリに一致したフレームを廃棄します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ip access-list extended HTTP_DENY

    ip access-list(HTTP_DENY)を作成します。本リストを作成すると,IPv4パケットフィルタの動作モードに移行します。

  2. (config-ext-nacl)# deny tcp any any eq http

    HTTPパケットを廃棄するIPv4パケットフィルタを設定します。

  3. (config-ext-nacl)# permit ip any any

    すべてのフレームを中継するIPv4パケットフィルタを設定します。

  4. (config-ext-nacl)# exit

    IPv4アドレスフィルタの動作モードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。

  5. (config)# interface port-channel 10.10

    ポートチャネルサブインタフェース10.10のコンフィグレーションモードに移行します。

  6. (config-subif)# ip access-group HTTP_DENY in

    受信側にIPv4パケットフィルタを適用します。

(3) IPv6パケットをフロー検出条件とする設定

IPv6パケットをフロー検出条件として,フレームの中継または廃棄を指定する例を次に示します。

[設定のポイント]

フレーム受信時にIPv6アドレスによってフロー検出をして,フィルタエントリに一致したフレームを中継します。フィルタエントリに一致しないIPv6パケットはすべて廃棄します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ipv6 access-list FLOOR_B_PERMIT

    ipv6 access-list(FLOOR_B_PERMIT)を作成します。本リストを作成すると,IPv6フィルタの動作モードに移行します。

  2. (config-ipv6-acl)# permit ipv6 2001:db8::/32 any

    送信元IPアドレス2001:db8::/32からのフレームを中継するIPv6フィルタを設定します。

  3. (config-ipv6-acl)# exit

    IPv6フィルタの動作モードからグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。

  4. (config)# interface gigabitethernet 1/1

    イーサネットインタフェース1/1のコンフィグレーションモードに移行します。

  5. (config-if)# ipv6 traffic-filter FLOOR_B_PERMIT in

    受信側にIPv6フィルタを適用します。