9.2.8 IGMP snooping使用時の注意事項
- 〈この項の構成〉
(1) 他機能との共存
「1.3 レイヤ2スイッチ機能と他機能の共存について」を参照してください。
(2) IPv4マルチキャストの静的グループ参加機能との併用
IPv4マルチキャストの静的グループ参加機能を使用しているVLANでは,受信者からIGMP Report(参加要求)が送信されないおそれがあります。IGMP snoopingと同時使用する場合,IGMP Report(参加要求)が送信されないとマルチキャスト通信ができないため,静的グループ参加機能を使用しているVLANでマルチキャスト通信が必要なポートには,マルチキャストルータポートを設定してください。
(3) IGMP即時離脱機能
IGMP即時離脱機能を使用した場合,IGMPv2 LeaveおよびIGMPv3 Report(離脱要求)メッセージを受信すると,該当ポートへのマルチキャスト通信をすぐに停止します。このため,本機能を使用する場合は,接続ポートに各マルチキャストグループの受信者の端末を1台だけ設置することを推奨します。
接続ポートに同一マルチキャストグループの受信者の端末を複数台設置した場合は,一時的にほかの受信者へのマルチキャスト通信が停止します。この場合,受信者からのIGMP Report(参加要求)メッセージを再度受信することで,マルチキャスト通信は再開します。
(4) IPv4マルチキャストのLast Member Query Time値について
IPv4マルチキャストとIGMP snoopingを併用する場合は,IPv4マルチキャストのLast Member Query Time値が3秒以下になるように設定してください。
Last Member Query Timeは,各コンフィグレーションコマンドの設定値から次に示す計算式で算出される時間です。
- Last Member Query Time=
-
ip igmp last-member-query-intervalコマンドの設定値×
(ip igmp last-member-query-countコマンドの設定値−1)+
ip igmp last-member-query-max-response-timeコマンドの設定値
Last Member Query Time値が3秒より長く,かつ一つの接続ポートに同一マルチキャストグループの受信者が複数存在する状態で併用すると,一方の受信者のIGMPv2 LeaveまたはIGMPv3 Report(離脱要求)メッセージによって,他方の受信者へのマルチキャスト通信が停止することがあります。